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ねえ、先生?  作者: 京野 薫
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友人

「はあ・・・」

長い回想になってしまった。

だけど、この一連の流れはいつ思い出しても心地よい。

あれ以来、夜中になると度々女子になっている。

服だけでは飽き足らなくなり、また貯金しメイク道具も購入するようになった。

まだ中2なので服もメイク道具も大して買えないけど、いつかバイトをして手持ちを多くしたい。

買いたい服やメイク道具はたくさんあるのだ。

携帯を見て、すっかり習慣となったメイク道具や服のサイト巡りをしていると、メールが届いた。

見てみると健一と雄馬からの誘いだった。

小学校では最後まで別のクラスだったけど、中学では同じクラスになりそれからは今までの分を取り返すように三人で遊ぶことが増えた。

『暇?今から雄馬の家でゲームやらない』

『新しいやつ買ったんだ。昭乃がやりたいって言ってたヤツ!』

との文章の後に、どや顔のスタンプが送られてきた。

二人ともいまでは「ザ・思春期男子」と言う感じで、女子なんかに興味が無いと言う顔をしながら実際は三人だけの時はあの娘が可愛い。あの娘はいまいち。等々好き勝手な批評をしている。

だが、実際には恥ずかしさがあるのか女子に話しかけることは無く、男子同士で動画やお笑いタレントやドラマ、ゲームの事を話している。

私はスタンプを見て苦笑しながら返事を返した。

『オッケー!今から行ってもいい?』

すると雄馬からすぐに返事が返ってきた。

『もちろん!速攻来いよ。遅れたらやらせねぇぞ』

『マジか!絶対待ってろよ』

私はそう返事を送ると、服を着替えた。

気温は上がり始めたとは言え、まだ5月のため長袖のシャツを一枚とジーンズ。

シャツは英文が入ったシンプルな物。

「男子モード」の時の私は意図的に男性っぽい服装を着ていた。

理由は言わずもがな。

冬はライダーズジャケットだし、夏はシンプルなTシャツ。

下は通年ジーンズだ。

家での自分を解放できる時間があるため、以前ほど負担は無くむしろ変な言い方だが「お仕事」のような感じで振る舞う事が出来た。

まぁ、働いたことはないんだけど。

私は準備を終えると下に降りて、テレビを見ている両親に雄馬の家に行くと告げた。

「行ってらっしゃい。遅くならないようにね」

「分かってるよ。夕飯までには帰るから」

私はそう言うと自転車に乗り、勢いよくこぎ出した。


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