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それから、世界樹の木の下で2日程過ごした、
ちゃんと朝・昼・夜とあるが、昼の時間が長いので、
時間の感覚としては、真夏の時間。
気候は6月ぐらいで、昼間は過ごしやすいが、
夜野宿には、肌寒く感じる事がある。
真冬で凍え死ぬとかではなかったので、
これぐらいなら、感謝するぐらいだと思う。
月のような物は3つあり、赤、青、黄と信号機みたいだ。
他にも地球に比べれば、惑星のようなものが沢山見える。
モンスターもいるようだが、今の所遭遇した事はなく、
むしろ自分以外誰もいない。
パネルによると、人間以外にも、エルフやドワーフなど、
種族があるようだが、未知の存在である。
そして、メインで調べていた街の情報。
海に一つだけ島があり、この島はローデウス大陸と呼ばれているらしい。
国のようなエリアが4つあり(きちんと境界がある訳ではない)
イメージとしては四国。
今いる所は高知県のイメージで、精霊王が治めている。
まず行く所として一番良さそうなのは、徳島に当たる王国。
その上に香川に当たる共和国があるらしい。
ちなみに、愛媛に当たる場所は遺跡と書かれており、
かつて帝国だった所が滅んだようだ。
問題は今いる世界樹の木から王国までの距離だが、
単位がこの国の単位らしく、まったく距離が分からない・・・が。
そういや定規があったか!
すっかりお世話になっているアイテムボックスから鞄を取り出し、
その中の筆箱から定規を出す。
駄目で元々。
ドキドキしながら、パネルに単位の登録をしてみる。
すると、メモリの設定など細かい設定が出て、悪戦苦闘しながら、
センチ、メートル、キロなど登録していく。
上手くいってくれよ!
登録にかなりの労力を費やした俺は、脱力しながらパネルを見る。
世界樹から王国までの距離、72キロメートル
よし!やった!!
思い通りに行った事に喜びながらも、
72キロメートルと言う距離にガクっとなる。
歩いて行ける距離じゃないよな・・・
水はある、木の実はある、一応生きてはいける、
しかし、できるなら他の物、できればお肉も食べたい。
世界樹の結界のおかげで、ひとまず身は安全かもしれないが、
一生このままここで過ごすのは、あまり嬉しくない。
王国に行く決断をした時の為に、食べきれなかった木の実や、川の水など、
役に立ちそうな物をどんどん収納していく。
世界樹の葉も、どうゆう仕組みなのか、次の日には葉が青々と茂っているので、
遠慮なく収穫し、2日目を終えたのだった。