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しばらく世界樹の葉を取るのに没頭し、ハっと我に返る。
このパネル、ネットの検索機能みたいな物がついているのか?
なら、ここがどこで、どうやって帰るか分かるんじゃないか?
どうやら、このパネルが声に反応する事は、何となく分かっていたので、
(キーボードやマウスはない)パネルに話しかける。
「ここはどこで、どうやって帰るんだ?」
すると、パッとパネルが切り替わる。
『ローデウス大陸、精霊の森』
『帰る エラー』
カエル エラー
それまで、世界樹の葉を取り、少しテンションが上がっていたのが、
一気に目の前が真っ暗になる。
まあ、そうだよな、世界樹があったり、パネルが表示されたり、
地球の日本ではあり得ないもんな。
でもどこか、何となくやらせや夢オチで、
帰れるものだと漠然と思っていた。
その場にへたりこむ。
ははっは・・・
ここは異世界・・・って事なんだよな?
しかも勇者召喚とか、神様の手違いとかじゃなく、
本当に紛れ込んだだけの・・・
そう思うと、一気に力が抜ける。
まあいいや、夢オチに一縷の希望をかけてみよう、
うん、世界樹なんて、ゲームの世界だよな。
昔から、胸が苦しいぐらい辛い時は、取りあえず寝て過ごした、
ちゃんと寝て、食べれりゃ、人間大抵何とかなる。
現実逃避だと感じながらも、苦しい胸を抑え、世界樹の下で眠り始めた。