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足元が抜けたよな感覚はなくなり、
どうやらふさふさしている物の上に座っている感覚だけがある。
いきなり落ちたので、落下の衝撃に身構えていた自分としては、
ほっとして、ゆっくり目を開ける。
「えっと・・・?」
見渡すと、一面草が生い茂り、少し離れた所に川がある、
しかも、今まで夜だったはずなのに、周りは明るい。
慌てて時計を見ると、時刻は9時前、
日付も変わってない所を見ると、時刻はそのままだろう。
ここはどこだ?
どうやら座っていたのは、生い茂る草の上で、
木を背もたれにしていたようだ。
立ち上がり木を見ると、あまりにもの大きさに唖然となる、
大の大人が20人ぐらい、幹を腕を伸ばして囲った程の大きさがあり、
神社の御神木で見た、立派だと言われる木より、ずっと大きい。
頭の中に『この~木なんの木 気になる木~』とメロディーが流れる。
「何の木だろう・・・」
木の幹に手を置きながら、思わずつぶやくと、パッとパネルが表示される。
そこには、『世界樹』と表示されていた。
「えっ?」
なんだ?このパネルは?しかも世界樹ってロープレとかに出てくるアレか?
しかも、世界樹って普通後半に出てこないか?
混乱しながら、パネルの文字を読む、
ロープレよろしく、ポーションなどの原料になるようだ。
「一応、採取しておくか」
手に届く範囲で、できるだけ取っておく。
「入れ物が欲しいな」
鞄はあるものの、大量の葉を入れるのは気がひける。
すると、パネルに『アイテムボックスを使いますか?』と表示される。
おおう、アイテムボックス!ますますロープレみたいじゃないか!
迷わず「使う」と言うと、黒い穴のような物が現れる。
全然ボックスって感じじゃないが・・・
ひとまず、その黒い穴に、世界樹の葉を入れてみると、
パネルがパッと切り替わり、”アイテムボックス”
”世界樹の葉”と表示される。
どうやら、黒い穴は本当にアイテムボックスで、
パネルに入っている物が表示されるらしい。
何となくテンションが上がった俺は、手当たり次第、世界樹の葉を取り、
アイテムボックスに入れていった。