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~名も無き愛~

作者: カオさん

男主・・・男主人公


お姉・・・お姉さん

真っ暗で、足元が殆ど見えない空間の中誰かに見られているように感じる....。徐々に不安になってきた...。

見えない暗闇を彷徨いていると突然霧が発生した....

そして霧の中から突然現れるように俺の前にチャイナ服を着た女が現れた、そいつは俺を見てこう言った。


???「......怖いの?.....こっちに来て...?」


その声のトーンには変な安心感があった、母親に抱かれて....あやしてもらっている様だった。

言葉の釣り糸に釣られるように後ろに着いて行った。


.....女に連れられて来た場所は無限階段の空間....よく見ると人が13人ほど階段を昇り降りを繰り返していて、その光景はさながらイカゲームのようだ。

....しかし、女と呼ぶのは忍びないところがある

そうだな.....普通に"お姉さん"って呼ぼうか。

お姉さんに俺は「お前は誰なんだ?」と聞いた...。

するとお姉さんは....


お姉「私が誰か?私は.....誰でしょうか?笑」


不敵な笑みを浮かべて確かに俺にそう言った。

俺が知らないと知っての発言かは知らないが、決して自身の事を何も知らない記憶喪失系女では無い筈だ。

俺から分かることなんて何も無い。性別が女ってことくらいだ。


お姉「こっちです、来て」


まるでAIのような存在だ。色で言えば白そのもの。

歩き方も上品で実にしなやか。無駄が無い。

お姉さんの後ろを追うと、その空間は....."温泉"....?

男も女も、皆全裸だ。


男主「なぁ、ここはなんだ?俺は男の裸体を見る趣味は無いぞ。一体なんのつもりだ?」


お姉「....さぁ...?ここにいるのは男だけでは無いですよ?貴方が望んだのでは無いですか、"女の裸体が見たい"と。」


そう言うお姉さんの表情(かお)はニヤけていた。

そして俺の目の前に来て、服を脱ぎ始めた....!

リクルートスーツを1枚ずつ、ワイシャツ、下着......


お姉「どうです...?見えますか...?」


男主「見えるって....見えてるよ......もうやめろって、服着ろよ.....いつまでも見てられねぇよ...。」


お姉「私がもし、貴方の好きな人だったら....それも裸だったら....貴方はどうします?」


男主「どうする...?」


お姉「.......?(答えを待ってこっちを見ている)」


男主「......まぁ...男だから......さ、触.....っあいやっ...!」


お姉「...フフッ...可愛らしい反応ですね....笑」


男主「なんだよ....俺をおちょくってるのか?」


お姉「好きな人が一体どの男を好いているか...考えたりします....?」


男主「誰を好いてる...か?あぁ...まぁ、あるな」


お姉「......そうですか...。」


男主「....え?え、なんだよおい!どこ行くんだよ…!」


何も言わず後ろを向き、温泉の出口へと足を動かす。

出口の奥は光で見えない状態だ。

追いかけて光の中に入るとそこは....まるで宮殿の中のようだった。表すならヴェルサイユ宮殿の内装だ。

気付けば見た目が全裸からタキシードに変わっていた...

お姉さんもドレスとこれまた派手だ。

辺りにはかなりの人がいて...皆が俺やお姉さんのような見た目だった。舞踏会の様で踊っている人は居ない。

ワイングラスを持っている訳でもない....ただそこにいる人達が誰かと話をしている.....。

満員のエレベーターのようにかなりの人が肩をぶつけ合っていて....俺とお姉さんもその中に入った。


お姉「見失っては見つけるのは難しいので私の手を掴んでいてください」


ここに来て一度も口を開かなかったお姉さんが言った言葉は頼もしかった。人混みに紛れて見失ってしまったら不安だった…。

しかし密集した中を強引に進む最中...人の波が強くなり手が離れてしまって互いを見失ってしまった....。

波に流され続けてもお姉さんを探そうと、波に逆らって名前を大声で呼んだ。


「お姉ぇさぁん!!!!!どこだぁ!!!」


すると反対の方向へ「こっちだよ~」と声が聞こえた。

声のする方へと藁にもすがる思いで足を進め、聞こえてくる声の元へと向かう。

長い廊下を走り、ドアを力強く開けるとそこには......

お姉さんはいなかった....。

しかしそこには1人の少女が....


???「来てくれたんだね...エヘヘッ...嬉しいよ...。」


そう言う少女の見た目は、一般的なJK....髪はショートで俺より背が低い、そんな感じだ。


男主「君は...誰だ...?どうして俺をここへ呼んだんだ?」


???「....えっとね...その....言いたいことがあってさ」


男主「言いたいこと....?」


???「君ってさ、好きな人のこと好き?」


男主「....当たり前だろ、好きに決まってる。じゃなきゃ"好きな人"じゃないだろう」


???「じゃあ、ずっと好きなままでいれる?喧嘩はするし仕方ない....。何か二人の間で嫌なことが起きて、それで出来た少しの"嫌い"という感情。それを"愛"で乗り越えられる自信はある....?」


男主「....あぁ出来るさ、愛は強い。何者のにも打ち負けない。」


???「君は過去に3回女の子とお付き合いをしたことがあるね?そうでしょ?」


男主「あぁ」


???「3人とも全員喧嘩別れが原因で別れてる。どれも3ヶ月には別れてる....」


男主「.....」


???「君は愛で"嫌い"という感情を乗り切れると言ったけど、喧嘩別れした君は乗り切れたの?」


男主「...........」


???「....自分に見栄を張っちゃダメだよ。

こんな感じでいざ聞かれたり質問された時に恥ずかしい思いをしてしまうよ?

....はっきり言うね

自分を偽って良い人ぶるのはやめて。

愛が1番と思うのは悪いことじゃないの

でもね、"良い人"っていうのは自分の欠点を自覚して直そうと努力する人のことだよ?直そうととせずに良い人の成りすましをするのは悪い人且つ狡猾な人がすることだよ」


男主「...君は、誰だ?」


???「私?....誰だろうね?笑」


誰かも知らない少女から説教を受けた。

最初はあまり聞く耳を持っていなかったが、自分を偽っていたのは本当で....見抜かれていたのがビックリだ。

.....お姉さん...そうだ!お姉さん!一体どこへ.....。


男主「なぁ....ドレスを着た綺麗な女性を見なかったか?」


???「〇〇さんのこと?その人なら残念だけどもう居ないよ」


男主「へ?誰だって?よく聞こえなかった....」


???「...彼女はここには居ない、けど伝言は預かってある」


そう言って出したのは俺のスマホ。何処からパクったのかは知らないが確かに俺のスマホだ。

俺に見せたスマホの画面は"、ギャラリー"だ。

その写真に映るのは....俺と、お姉さん....?いつ撮った...?覚えが無い。


男主「え、その.......確かに俺とお姉さんが映ってる。

しかしこれを撮ったことは一度も無い、だって今日会ったばかりだそ?」


???「...今日?....まぁとにかく、伝言は貰ってるよ


"大切なものは保管できるものではありません。目を離した隙に無くなってしまうものが一番大切なものなのです。私を貴方は見つけられますか...?なんてね...笑


これが預かった伝言だよ。」


男主「居ないわけが無い!ついさっきまで手も一緒に....」


???「一つ聞くんだけど、


なんでまだここにいるの?」


俺の体は後ろへ物凄い謎の力か引力かで引っ張られた。


......目を開けるとベッドの上だった。

....PC画面はつけっぱなしでコップに飲みかけのお茶が入ったままで倒れていた.....。

.....あのJKは結局誰だったんだ...?なんだか既視感があった気がしたんだが....。

2日前にでも会ったような....子供の頃に会ったような...

懐かしさを感じさせるような....そんな存在だったように思う。

.....目を離した隙に居なくなる.....お姉さん、君の事じゃないか...。

君は俺の考えを見通しているんだろう?...なら分かるはずだ、俺の大切な人が.....。

君はホントに謎の深い存在だ。AIの様に礼儀正しいかと思えばそうでも無い。

何を考えているのかも分からず、気付けば風のように消えてしまった…。

夢の人物に恋をしてしまった俺は....バカだよ

会える以前に見かけることすら出来ないかもしれないのに.......バカ丸出しだよ...俺は...。

二次元に恋をする方がよっぽどマシだってもんだよ

あれは画面から出ないだけでどこにも行かない。

夢は目の前に出ないし目を離した隙にどこかへ行ってしまう....どうしようも無い.....。

この"不安"を...."愛"で乗り切れるのか.......?

いかがでしたでしょうか?


僕が実際に見た夢を少し盛り込んで作品にしました!

起きた時に感じたのは「喪失感」でしたね...( ̄▽ ̄;)

欲しいものを得られた訳でもないのに、起きた時に何かを無くしてしまったと....。

夢を見せるという行為は残酷なものです

"見せる"だけで"実現"しない。

下書きが夢で、清書が現実ってことです...(何言ってんだろ....笑)


次の作品も是非見てください!

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― 新着の感想 ―
[一言] なるほど。夢にオチを求めても意味がないですね。 それが難解であっても身に覚えがなくても受け入れるしかない。 そして只残る喪失感。 いつか遠い未来に救いがあると良いのですが。
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