八話 ゴブリン戦
目的地である森に到着し、各々周りを警戒しながら歩き始める。
陣形としては、最前列に前衛職であるゴードンとアレン、殿にフリーエン。
その間に挟まれる形で、俺、マリそしてエリスがいる。
しばらくすると、奥の木を通り過ぎる三体のゴブリンが見えた。
どうやら、ゴブリンの方はまだこちらに気付いていないようだ。
「よし、まず二体をフリーエンとマリに遠距離から攻撃してもらう。最後の一体をゴードンさんに任せようと思う。いいかい?」
声を潜ませながら、アレンの提案に頷く。
最初に動いたのはフリーエンだった。
限界まで弓弦をしならせ、三体の中で一番近い位置にいたゴブリンを狙い打った。
矢はそのままゴブリンの頭に吸い寄せられるように飛んでいき、見事に頭を射抜いた。
ゴブリンが倒れ込み、仲間のニ体が混乱していると、マリは杖を構えていた。
しかも、その杖の先端からは真っ赤に燃えた矢が出現している。
「ファイヤアロー!」
マリの言葉とともに、飛んでいった矢はまたしても混乱していたゴブリンの頭を撃ち抜いた。
俺は二人のコンビネーションと、初めて見る魔法に興奮しつつ、映画を見る感覚でこの戦闘を見ていた。
すると、そこでようやくこちらに気付いたゴブリンが激昂した様子で、棍棒を振り回しながら走ってきた。
ゴードンはゴブリンの攻撃を盾で防いだ。
そして、ゴブリンが怯んだところを、右手に持っていた剣を振るう。
すると、ゴブリンの胴体がスパッと切れた。
初戦闘は呆気なく終わり、勝利を収めたのだった。
数日前にゴブリンと戦った時は、盾を一瞬で壊され、やられていたゴードンだったが、この数日で余裕で倒せるようになったゴードンの成長速度に驚きを感じた。
その後、俺もゴブリン討伐に混ぜてもらいながら、淡々とゴブリンを倒していった。
そして後日、ゴードンは正式に『赤狼の旅団』に加わる事が決まったのであった。
それからのゴードンの日々は、昼間に『赤狼の旅団』と依頼をこなし、夜は強い魔物と戦うという生活をしていた。
俺はというと、ゴードンが『赤狼の旅団』に入ったことにより、稼ぎが増え、なんとか今の宿に泊まれるようになった。
それでも収入がギリギリだったため、木彫りで作った
フィギュアを製作しては、売ったりしてお小遣い稼ぎをしていた。
そんな生活をしながら1ヶ月が経った……。
今回はとても字数が短くなってしまいました。申し訳ございません。
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