七話 自己紹介
俺達はゴブリン討伐を行いに、街を出発した。
いつもは、Dランク依頼であるオークをメインに狩っているそうだが、今日はゴードンのお試しという事で、ゴブリン討伐を行う事になった。
正直、今のゴードンのステータス的にDランクのオーク討伐は早過ぎるため、ゴブリン討伐はゴードンにとってもちょうど良かった。
出発前にアレンが言っていた通り、道中で自己紹介をすることとなった。
まずは、弓を背負った少年が話しかけてくる。
「俺の名前はフリーエンだ!Eランク冒険者だからゴードンよりは先輩だな、何か分からない事があったら俺に頼りな!」
お調子者感がとてもする少年だが、大丈夫だろうか?
フリーエンは「ステータスも見るか?」と言い、ステータスを開示してくれた。
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名前フリーエン
レベル22
体力220
魔力20
攻撃力200
防御力154
敏捷257
スキル
攻撃力強化レベル3
敏捷力強化レベル3
弓術レベル2
短剣術レベル1
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【攻撃力強化】レベル3
攻撃力が1.3倍になる。レベル10になると、より上位のスキルになる。
【敏捷力強化】レベル3
敏捷が1.3倍になる。レベル10になると、より上位のスキルになる。
【弓術】レベル2
弓の扱いが上手くなる。レベル10に達すると、上位のスキルになる。
【短剣術】レベル1
短剣の扱いが上手くなる。レベル10に達すると、上位のスキルになる。
この世界に来て、初めて他の冒険者のステータスを見たが、俺たちの倍以上あるステータス値を見て驚く。
しかし、まだ俺たちはレベルも高くないし、これからもスキルを得られる事を考えると、このステータスくらいはそう遠くないうちに超えられるかもしれない。
密かにこのステータスを超える事を目標にした。
俺ではなく、ゴードンの目標だ。
ステータスを開示したフリーエンに対し、ローブを着た少女は呆れた声を出した。
「馬鹿でしょ、あんた。ランクも一つしか変わらないし、あんただって2ヶ月前にパーティに入ったばっかじゃない。しかも、会って間もない人にステータスを見せるなんて」
「はぁ」とため息を吐いた後、続けて自己紹介を始めた。
「マリです。Dランク冒険者で、魔法が得意です。よろしく。」
ぶっきらぼうな自己紹介であったが、さっきの少年よりかは利口そうであった。
最後に、先程からちらちらとゴードンの方を見ては、ゴードンと目が合いそうになると顔を逸らすという行動をしていた修道着の美少女が喋り始めた。
「こ、こんにちは。私はエリスといいます。Eランク冒険者で、小さな傷なら癒す事ができます。あの、宜しくお願いします……。」
恐らく、終始無言のゴードンに怖がっているのだろう。
当然だ。誰だって何も話さない大鎧を纏った男がいたら、怖がるだろう。年頃の少女だったら尚更だ。
ゴードンは自分のことを怖がっているエリスを見て、少し寂しそうにしているように見えた。
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