五話 情報収集
実は昨夜、ギルドで報酬金を得た後、ゴードンには一人で再び森に行ってもらった。
その際に一つの命令をした。
『強そうな魔物を見つけたら、戦闘をする』
である。
ゴードンが不憫に思えるかもしれないが、俺とゴードンの強化にもつながるため、許してほしい。
俺は早速、新たに得た強そうなスキルの確認を行った。
【凶爪】レベル4
爪による攻撃をした際に攻撃力が上がる。
【怪力】レベル3
攻撃力が2.3倍になる。レベル10になると、より上位のスキルになる。
【凶爪】に関しては、爪で攻撃する機会は少ないので、ほとんど使う事はないだろう。
しかし、この【怪力】というスキルは、とても使える。初めての通常使用スキルだ。
俺は、取り敢えず街の外に出かけ、人影が少ないところでゴードンを復活させた。
わざわざ街の外に出て復活させるのには理由があり、街外に出る際には正門を通らなければならず、警備隊によって外出記録がされている。
ましてや、ゴードンのような大鎧の男など目立ち、正門を通らずに街に入ったとあらぬ疑いをかけられないためにも、宿で復活させる事はできないのだ。
復活させ、ゴードンもスキルを得ているのか確認のために、ステータスを開いた。
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名前 ゴードン
レベル3
体力25
魔力25
攻撃力57
防御力25
敏捷25
スキル
棍術レベル1
凶爪レベル4
怪力レベル3
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レベルが1つ上がっているのは、道中で魔物を倒したからだろう。
【怪力】の効果で攻撃力が他の能力値の二倍程度まで上がっていた。また、攻撃力が57とあったため、ステータスに小数点以下はないのだろう。
今日からの方針は決まっていた。
俺達は別々行動をする。
まず、ゴードンはこれまで通り冒険者ギルドに行き、冒険者ランクの昇格とお金を稼いでもらう。
これが昨日俺が考えていた秘策である。
ゴードンには俺の分まで働いてもらうというものだ。
そして、俺はこのままではお金が尽き、宿に泊まれなくなってしまうため、よりゴードンが金を稼げるようにギルドで情報収集を行い始めた。
俺が集める情報は、ゴードンが入れるようなパーティを探すことだ。
ランクの昇格と稼ぎを多くするには、パーティに入るのが手っ取り早い。何故なら、パーティリーダーのランクの依頼を受けられるようになり、人数が増える事によって作業効率も上がるからだ。
俺はギルドに行き、受付嬢にパーティ募集をしている冒険者がいるか尋ねる。
すると、前衛職を募集しているパーティが一つだけあるらしい。
受付嬢に頼み、明日そのパーティーリーダーと会えることになった。
俺は暇になったので、冒険者のレベルや、世界に6人しかいないSランク冒険者について聞く事にした。
どうやらSランク冒険者達はとんでもないスキルや、ステータスを持っており、人とは思えない程の力を持っているそうだ。また、それぞれ王を冠する二つ名があり、〈精霊王〉〈龍王〉〈剣王〉〈魔帝王〉〈超越王〉〈拳王〉と呼ばれているそうだ。
しかも、〈精霊王〉と呼ばれる冒険者はエルフで、絶世の美女との噂らしい。
また、冒険者ギルドが推奨するランク毎のレベル目安として、
Fランク冒険者。1レベル〜20レベル
Eランク冒険者。20レベル〜30レベル
Dランク冒険者。30レベル〜50レベル
Cランク冒険者。50レベル〜70レベル
Bランク冒険者。70レベル〜80レベル
Aランク冒険者。80レベル〜100レベル
Sランク冒険者。100レベル〜
という感じになっている。しかし、この目安は同ランクの魔物を安全に狩ることが出来ることを基準にしているため、ステータスやスキル次第ではこの目安は当てはまらない。
また、Bランクからは才能も絡んでくるらしく、強いスキルや高いステータスなど一部の冒険者にしかなれないようだ。
このような色々な情報を集めていると、依頼を終えたゴードンが帰ってきた。
俺は、また節約のため、パンを一つ買い宿に帰った。
【人形ゴードンが破壊されました。】
【スキル【凶爪】レベル4を入手しました。】
【スキル【怪力】レベル3を入手しました。】
【スキルの重複により、スキル【凶爪】がレベル5に上がりました。】
【スキルの重複により、スキル【怪力】がレベル4に上がりました。】
朝起きると、いつものアナウンスが流れる。
どうやら、ゴードンはまた昨日と同じ魔物に負けたようだった。
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