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忘却の彼方  作者: 志具真
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序章6

それから1週間、病院の検査に警察の事情聴取と忙しい時間が過ぎていった。

検査の結果、異常は何もなく、まさに健康体そのものだと医者は笑っていた。

警察の事情聴取も玲慈の記憶が戻らないためか、何か思い出したらご連絡下さい、またお伺いしますと言って

一旦終了となった。


「ん〜っ、これでやっと自由だ〜」

つい最近までは行方不明だった人の言葉とは思えないほど暢気な口調。

検査、事情聴取が一通り終わって今日は霞と繁華街に出掛けていた。


「まったく・・・人にさんざん心配かけといて何言ってんのよ」

少し拗ねた様子で言ってくる霞に玲慈は慌てて弁解をする。

「いや、本当に心配かけて悪かったって、検査だって問題ないって言われたし、もう大丈夫だよ」

「うん・・・そうだね!今日はいっぱい色んな所にいこうね!」

一瞬、気が落ち込んだように見えたが、直後嬉しそうな顔になる霞。

その表情を見て玲慈も嬉しそうに言う。

「今日は色んなことするぞー!」


繁華街でのウィンドウショッピング、ゲームセンターなど一日で色々な場所へ行った2人。

日も傾きはじめ楽しかった日も終わりを迎えようとしている。


「ふぅ〜、さすがに疲れたねぇ」

疲れの色を見せない霞が笑顔で言う。

「おま・・・全然疲れてるようには見えん・・・」

対して玲慈は病人かと思えるほどの表情で疲れの色をあらわにしている。

「なっさけな〜い、それでも男なの?」

茶化すような表情で玲慈を見て、それでも次第に笑顔になる。

「はいはい、お前には敵わないよ」

軽い皮肉交じりの言葉も今の2人には心地よい言葉となるのだろう。

2人が見つめ合いしばしの時が流れる。


「「ぷ・・・あはははははっ」」

沈黙を破ったのは2人同時の笑い声。

今を幸せに生きる人の笑い声。

この時間がずっと続きますように。

そう願うのは玲慈か、霞か、それとも他の誰かなのか?



こうして・・・人々の幸せの日々は終わりの日を迎えた。



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