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南の大国 レガリア

「あちぃ・・・。南の大国って聞いてたから暑いとは思ってたけど、予想以上だな」

「ぬ、主様。大丈夫か?」

「大丈夫大丈夫。にしても、スカーレットは暑いの平気なのか?」

「竜は炎吐くから暑さには平気なのだ。妾が飛んで移動しようか?」

「いや、それはダメだ。この世界における竜は災厄って扱いらしいからな。スカーレットが竜になったところを見られたらこの国で何が起こるか分からない。

 あの国ではレイリアが何とかしてくれたみたいだけど、次からはそうなるとは限らないからな」

「主様は優しいな」

 俺とスカーレットはとりあえず、南に向けて足を進めていた。砂漠が果てしなく続く国 レガリア。暑い暑すぎる! 俺の世界でも確かに南の国は暑かった。分かってたつもりだけど、少し南に行っただけでこんなにも変わるものなのか!?

「主様、レガリアに行ったらどうするのだ?」

「うーん・・・とりあえずは情報収集かな。レガリアを治める王に会うための方法も考えないといけないし」

「なるほど。王に会って戦って勝つ。シンプルでとても分かりやすいな!」

「そうだな。シンプルだけどとても難しい」

 俺とスカーレットは談笑しながら歩みを進める。

 そして、南の大国 レガリアへと到着した。

「検問だとか予想してたけど案外すんなり入れるもんなんだな」

「基本的にこのレガリアでは来るもの拒まずといった感じらしいぞ。主様を拒否しようものなら・・・どうなってかは分からないが」

「いやいや、それだけはダメだから。それしたら嫌いになるから」

「むむむ・・・それだけは死んでもダメだ」

「なら、人に危害を加えずに大人しく、な?」

「うむ。主様に嫌われぬように大人しくしている!」

 スカーレットは可愛いなー。にしても、この暑さで汗一つもかかないなんて竜ってのはどうなってるんだろうな。本当は汗に濡れたスカーレットってのも見てみたかったのになー。

「主様は妾が汗で濡れて服が体にくっつき、ラインがクッキリと出てしまうことを望んでいたのか?」

「そ、そんな訳・・・そうです」

「ぐぬー・・・おしいことをした。妾も暑さを感じれれば主様とエッロエロな展開になったのかもしれぬのに!!」

「女の子がなんてこと言ってるんだよ」

 正直、スカーレットの体のラインがクッキリ出るほど服がピッタリくっ付いた状態とかエロ過ぎてヤバイです。

 そもそも、この暑さの中で何でニーソックスなんだ?

「主様の好みに合わせた服装をするのは妻として当然のこと! 主様の性癖から好みまで全部知っているよ」

「マジかよ・・・ありがとうございます」

 暑さでいろいろとおかしくなりながらも、街のギルドへと到着する。ギルドは様々な人たちが行き交う酒場のようなものだ。

 冒険者にはクエストという仕事、商人には物を売買出来る商会の斡旋、魔法使いには魔法研究所への紹介状の手配。様々なことをやれるのがこのギルドってやつだ。

 当然、この場所には情報も多く出回っている。

「ここはかなり涼しいな。ありがたい」

「空調を魔具で調整しているのか。なるほど。考えている」

 俺とスカーレットはカウンターへと向う。

「いらっしゃい! 情報と武器なら何でも揃えれるギルド 神の戯れへようこそ」

「凄い名前だな」

「そうだろ? だけど、この名前に恥じない仕事っぷりだから安心していいぜ。それで、何の用だ?」

 大柄なスキンヘッドな男がズイっと近付いてきて用件を聞いてくる。近い近い。スカーレットが殺気を込めた目で睨んでるから。

「えっと・・・このレガリアの情報が欲しいんだ。この国に来たばかりで」

「なるほど。情報か。金はあるのか?」

「あーっと・・・無い」

「なら、情報は売れないな。国の情報なら・・・そうだな、1万ビリスといったところか」

「スカーレット。1万ビリスってどれくらいの値段なんだ?」

「主様の世界の貨幣価値で換算するとおよそ10万円といったとろこかな。恐らく、この国のほぼ全ての情報だと考えれば破格すぎるぐらいだと思う」

「そうか。悪い。なら、情報は後回しで、仕事を欲しい」

「いい心がけだ。金が無いなら痛めつけて情報を聞き出そうって奴は腐るほど見てきた。だが、そういった連中は全て返り討ちに合ってる。

 良かったな兄ちゃん。仕事なら山ほどある好きなだけ稼ぐといい!」

「ありがとう。さて、どの仕事をすべきか」

 正直、この世界における仕事は分からない。ゲームでの定番だとお使い系とか討伐系って感じか。さて、どんな感じかな。

「いろいろな仕事があるんだな」

「主様はどれにするのだ?」

「うーん・・・やっぱり、強くなりたいからモンスターを倒す感じの仕事かな」

「兄ちゃん、それならいいのがあるぜ。強くなりつつお金も手に入る」

「うまい話には気を付けろって教えられてるんだが?」

「ガハハハハハハ!! まぁ、普通はそうだろうな。けど、この仕事は本物だ。なにせ国からの依頼だからな」

「国からの依頼? 普通は国から仕事の依頼が来ないのか?」

「その通り。国は国だ。仕事を回す場合、その全てが道路の建設、インフラの整備といった公共の仕事。それ以外の仕事なんてまず依頼しない。

 だが、ここ最近は違う。国から直接、モンスター討伐の仕事が来るようになった。確かにお金はそれほど多くはない。が、国からの信用も得れるとあって腕っぷしの強い連中が集まる。

 つまり、強い連中から強さを盗めるってことだ」

「なるほど。一石二鳥ってことか。分かった。その仕事受けよう」

「了解!! アーレイの神のご加護があらんことを!」

 俺は仕事の内容を聞いてからスカーレットと共に仕事の場所へと向かった。先ほどのアーレイとは何なのかなどスカーレットと話しながらだったため、時間を短く感じれた。


「いらっしゃい! ギルド 神の戯れへようこそ!」

「何をやってるんですか!?」

「おうおうどうした?」

「どうした? じゃありません! あなた様が抜けられたと聞いてまさかと思ってみれば・・・。王であるあなた様はこの国の全てです。自覚をして下さい!」

「バカ言うな。この国の全ては民だ。なら、民の生活をこの目で見なくてどうする。俺は民と共にある王を目指している」

「その考えは素晴らしいです。ですが、今の現状を考えて下さい。王を狙うと言われる人間がこの国に入ったのです。いつ命を狙われるか分からないというのに・・・」

「ふん。その王を狙ってる連中ならさっき会ったぜ。悪くねぇ。素質もある。しっかり叩き上げれば、かなり強くなるだろう」

「なっ!?」

「ついでに面白かったから仕事をくれてやった。国名義での仕事だ。これを通しておいてくれ。この仕事で生き残れないようじゃあいつらに会う価値もない。

 せいぜい這い上がって来いよ。グレン、アーデルハイト」

 受付にいた大柄な男は豪華なマントを羽織って、受付から出る。出口までの道を先ほどまで談笑などしていた人達が並んで道を作る。

「この王である俺、プラマハーを楽しませて欲しいものだ!!」

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