理想のチョコチップクッキー
私は甘いものが好きだ。
その中でも、何よりチョコチップクッキーが好きだ。
コンビニやお菓子屋さんを見つけては、チョコチップクッキーを物色する。
クッキー生地がチョコレートのものや、チョコチップの他にナッツなどが入っているもの、厚いものから薄いものまで、数多ある中でも、理想のチョコチップクッキーというものがある。
それは、幼馴染みのお姉さんの手作りのもので、最後に食べたのはかれこれ二十年以上前という代物。
今でも付き合いのあるお姉さんにそのことを話してみたら、「私が作ったクッキーが理想だなんて嬉しいけど、思い出が美化され過ぎてない?!」と驚かれた。少し引かれたかもしれない。
理想とはまた違うけれど、私の好きなチョコチップクッキーを羅列してみよう。
市販のものなら、プチシリーズのプチチョコチップ。
チョコレートのクッキー生地は少し厚め、食べやすい一口サイズながらチョコチップの存在感がしっかりある。約80円と安価なので、食べ過ぎ注意だ。
地元にある、昔ながらの街のお菓子屋さんのチョコチップクッキーも良い。
直径5センチほどのクッキーが25枚ほど入って400円。チョコチップは大きく、ザクザクした食感。実家に帰るときはよくまとめ買いをする。
変わり種は、近所のパティスリー兼ショコラトリーのカカオニブ入りクッキーだ。
スーパーフードと呼ばれるカカオニブは、カカオ豆をフレーク状に砕いたもので高い栄養価を誇り、ポリフェノールやカテキンが豊富だそう。単品では甘くないのだが、バターの味を感じる薄いクッキー生地と合わさることで、苦味がアクセントとなる。
20枚で750円と気軽に買うには少々高め。貧乏性なので、給料日後にご褒美として一ヶ月に一回購入している。
話は変わるが、実妹の趣味はお菓子作りだ。
それなのに、バニラビーンズとカスタードクリームと生クリームが苦手で、世界で一番プリンが大嫌い。
ちなみに父は世界で一番プリンが大好き。この二人はとても仲良し。不思議だ。
昔から家族の誕生日には、生クリームたっぷりのホールケーキを作ってくれた。妹本人は食べられないのに、だ。
家族思いの年の離れたかわいい妹は、あるときなかなか上手く生クリームを塗れないと嘆いていた。その年の妹のプレゼントは私と実兄と共同で、ケーキの回転台などお菓子道具一式をあげることにした。とても喜んでくれたことが懐かしい。
最近も、私や夫、子供の分のクッキーを焼いてくれた。
何故だかわからないが、妹のクッキーがはとサブレの味がする時期があった。本人もレシピ通りなのにと首を傾げていた。現在も同じレシピで作っているが、普通のクッキーの味である。謎だ。
仕事の合間に手作りクッキーを摘まむ。
適度な厚み、甘さ控えめ、少し固めの生地、相変わらず美味しい。
ふと思う。このクッキーにチョコチップを入れたら?
もしかすると、理想のチョコチップクッキーは身近にあるのかもしれない。まるでチルチルとミチルが探していた青い鳥のようだ。
メーテルリンク原作の「青い鳥」、実は家にいた幸せの青い鳥がまた逃げて、幸せは身近にあるけど気付いたときにはもう遅い、という教訓話だということは知っています。
ちょっときれいにまとめてみたかっただけです(苦笑)
え、台無し?