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執筆のきっかけ、そして本当に書きたいもの

 初めてちゃんと物語を書こうと思ったのは大学生の頃、某イラストレーターさんが主催していた個人SNSのサイトがきっかけでした。

 そこでは、イラストレーターさんが描く世界に沿った物語を写真と共に投稿できました。仲の良い人たちも何人かでき、楽しく交流していました。


 私が載せていた主な作品は、「銅像の男と少女」シリーズ。

 元になった写真は、私が留学していたときにオーストリアのウィーンで見かけた、全身白塗りで銅像のように固まったままの道化師が帽子に付けていた赤い薔薇を一人の少女にふわり差し出しているという、まるで映画のような光景でした。

 石造りの建物が周りを取り囲む小さな広場、突然動き出した道化師と笑顔のかわいらしい金髪の少女、近くで美しい曲を奏でるチェロとバイオリンのカルテット……あまりにも非現実な夢のような世界に、私は夢中でシャッターを切っていました。


 そこから出来たあらすじは以下の通り。


「昔々、ひとりぼっちの魔法使いがいました。生まれてから理不尽な目に合ってきた魔法使いは、世界が憎くてたまりません。


 元々魔法の力が強大だった魔法使いは、ある日人々の制止を振り払い、魔法の力の源となる夜空に浮かぶ月を手に入れて世界を滅ぼそうと、ほうきに乗って高く飛び上がりました。しかし月が内包するあまりにも膨大で凶悪な力に恐れおののき、魔法使いは自分の無力を悟りました。


 月は静かに語りかけます。

『月に近付くという罪を犯した罰に、魔法の力を取り上げ、憎しみはそのまま、ある街の片隅に彫像として置くこととする。無力のまま、世界を見つめ、人々を見つめ、己を見つめ、本当に世界を滅ぼす必要があるのか、よく考えるように』。


 それから魔法使いは、街の片隅の由来はわからない銅像となり、長い間色んな人々を見てきました。

 星の欠片のコンペイトウを配る少女、家族とケンカして家出した少年、亡くなった主人に忠誠を誓う護衛の中年男、恋するチェロ弾きの青年、双子の姉を探す老女……。


 魔法使いは彼らと出会い、憎しみ以外の感情を見つけることができるのでしょうか」。


 大人の童話を意識していました。そして書けたのは三作くらい。どれも気に入っていました。

 しかしSNSが億劫になり、そのうちにSNSサイトは閉鎖してしまいました。バックアップを取っておかなかったので、二度とその作品を読むことはできなくなりました。

 今書き直しても、別の作品になってしまうでしょう。二十歳の私が書いたものですから。


 それから十年以上経って、「小説家になろう」と出会います。

 最初は読み専でした。三国司さんの「北の砦にて」、小鳩子鈴さんの「森のほとりでジャムを煮る」にドはまりし、再び執筆意欲が沸き上がってきたのです。

 そのときの私は、「何か書きたい」、ただそれだけでした。


 最初に書き始めたのは、異世界恋愛でした。ウェブで書く作法もわからず、プロットも設定も作らず、勢いで書いたので、現在エタっています。それでも30件ほどのブックマークがあり、読んでくださったことを本当に嬉しく思いました。


 現在体調不良で活動を縮小しています。それでも、毎日何かしら話のネタを考えていたり、メモ帳に一場面書いてみたり、しています。

 活動を控えているからこそ、「自分が本当は何を書きたいのか」を見つめ直す機会になっています。


 そして気付きました。「自分が面白いと思える物語」だと。まだ読者を意識するところまで到達していないのです。まずは、自分を満足させないと、先へ進めないのです。


 今まで書いてきた作品は、どれも大切です。しかし本当に思い入れのある作品は、正直なところ短編「夢現」と、連載中の「流浪の少女と巡る季節」と、「横浜ジェネレーション・ラプソディ」。

 連載作は今年の完結を目指して、改稿しつつ、更新するつもりです。


 私自身が好きな物語は、登場人物たちの腹の探り合い、魅力的な謎や秘密や伏線、何より現実を忘れてワクワクドキドキ胸を踊らせられること。


 こんな話が書いてみたいのです。まだ技術的にとても未熟ですが、まずは書いてみないと。

 今年は5月以降に落ち着くので、連載作品を完結まで持っていきます。

 特に「横浜ジェネレーション・ラプソディ」は十万文字を越す長編予定なので、本腰を入れます。


 何だか決意表明みたいになってしまいましたが、これからも頑張ります。

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