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7、案内役の必要性について問いたいの回

「皆様、とても素晴らしいステータスをお持ちでしたね。流石は勇者様です! では、突然のことで皆様お疲れでしょうし、このあとは一度各自部屋でご休憩いただき、夕食時にまたお呼び致しますので。それまでごゆるりとお過ごしください」


 長かったステータス鑑定もようやく終わり、次は部屋に戻るように旅館みたいに指示された。

 ていうか、生徒約30人に部屋を割り振れるなんて。

 予想はしてたけどすごく広いんだなー、ヘキサール王城。


 あ、そういえば、俺以外のユニークスキルを持っていない人が判明した。

 周囲の声によると、二人いるらしい。


 一人は三崎(みさき)信介(しんすけ)君というオタクグループにいた男子生徒。

 そしてもう一人はなんと、先生でした。


 先生は俺もユニークスキルがなかったのを確認したけど、三崎君はボーッとしてて見てなかった。

 どうやら相当悔しがってたみたい。

 こちらはまあいいとして、問題は先生の方。

 新任の先生が、初めて担当するクラスで異世界召喚されたうえ、自分の主張は聞いてもらえない挙げ句、役に立たないと言外に言われたんだ。

 これは精神に異常を来さない方がおかしい。


 生気の抜けたような顔をしているし、生徒たちが必死に慰めてもろくに反応していない。

 これは早急に誰かが手を打つ必要があるね。


 とは言え、俺が慰めの言葉を掛けても「役立たず同士頑張ろう」と言っているようにしか聞こえない。

 なので今できることと言えば部屋でユニークスキルの検証をすることくらいだ。


 もしかしたら、二人も俺と同じで鑑定水晶に本当のステータスが表示されていなかっただけかもしれない。

 その場合二人だけには自分の考えを明かして危機を脱するための協力者になってもらう可能性があるので、輝堂君や宮森さん同様細かく監視する必要がある。

 ……なんだか結局、また俺の仕事が増える思考に行き着いてしまった。

 こういうのなんっていうんだっけ。ワーカーホリック?



 ガチのメイドさんに案内されたどり着いた俺の部屋は、王宮の豪華絢爛というイメージに反して質素な感じだった。

 そのかわり広さはワンルームマンションの一室くらいの大きさがあるけど。


 王宮の一部屋一部屋にそんなにお金を掛けられないということなのか、勇者の扱いが思ったより良くないのかは分からない。

 ……まあ、俺や先生だけは役立たずなのでぞんざいな扱いだという可能性もあるね。

 ひねくれすぎ?


「では、ご夕食時にまたお呼び出し致しますのでー」


「ええ、遅れないようにしてくださいね」


「は、はは、またまた~。ちゃんと時間通りに来ますよー。でわー」


 ドタバタと音を立てて去っていくメイドさん。

 

ドターーーン!!


 案の定廊下で転んでしまったようだ。

 ここにつくまでに何度か、道を間違えたり転びそうになったりしていたのでわざわざ遅れないようにと釘を指しておいたのだけど……はあ、この調子だと自分で食堂に行くことになりそう。

 

 ドジっ子メイドは残念ながら、実用性の面では最悪だね。

 というか何故、『ドジ』と『メイド』という正反対の要素を混ぜ合わせることが出来たんだろう?

 初めて来た城なのに、俺の方が道を覚えてるとか、意味が分からないよ。


 閑話休題。

 俺は木製のベッドに倒れ込む。

 てかこれかったい。

 何の素材使ってるんだろう。


 仰向けに寝転がり、ふぅとひとつ溜息をついてから呟く。


「MP変換」


 すると勝手にステータスウィンドウが開く。

 そこにはこう表示されていた。


『MP残量500→SP残量0』


 SPか……。

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