プロローグ
本は好きだ。
中でも異世界ファンタジーと呼ばれるジャンルのものは特に。
現実世界では知り得ない、異世界の住人達の様々な感情や人生を知ること。
いろんな種族の個性的な文化や異世界ならではの生活風景と情緒を楽しむこと。
ページをめくれば、たくさんの面白いことに触れられる。
俺は、そんな物語の魅力に取り憑かれた者の一人だ。
学校の休み時間にライトノベルを読んだりなんかもしてオタクと言われたこともあったけど、ファンタジー小説は俺の生活必需品の中でも上位にちゃっかりランクインしている。
異生活ファンタジー小説の中に、勇者召喚モノと言われる作品がある。
日本人の少年または少年少女達、作品によってはおっさんが異世界を救うための勇者として召喚され、苦難の末に魔王を討ち果たす。などといった内容のものだ。
勇猛果敢に敵に立ち向かい、仲間とともに勝利を掴む、格好いい主人公に憧れ、自分もあんなふうになってみたいと夢想したものは多いはずだ。
でも、俺はそんな例には含まれない。
だって、自分自身全く知らない土地で上手く立ち回れるとは思えないし、躊躇わず敵に突っ込める勇気もない。
そもそも、そんな英雄譚は所詮本の中の出来事であって、実際にはないと割りきっているし。
つまりは、他人事だから面白いのであって自分が体験したいかと問われれば即座にNOと答えるだろうということ。
でも、事ここにいたってはそんなこと言っていられない。
「よし、では勇者達よ、これから訓練を始める!」
本当に召喚されたんだから、そんなこと言えない。
お読みいただきありがとうございました。
この作品、かなーり設定とか適当になると思うので(主にステータスとか)いきなり異常な値がでてきても多めに見てください