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王都出発

日曜を待たずして更新出来るように頑張ります。

 ティアと恋人になってから5日が過ぎた。

 その5日間にやったことといえば、冒険者ギルドに行って魔法の先生の情報をもらった事と必要な買い出し、剣術の修行だけだ。それ以外の時間はひたすら二人でいちゃいちゃしていた。

 お互い初めての恋人であるし、俺もティアもベタ惚れ状態なので仕方のない事だろう。


 魔法の先生の情報だが、どうやらかつて《賢者》と呼ばれた大魔導士がアステルダム王国内の北の外れにあるウェルズ山脈地帯で隠居生活をしていると教えてもらった。馬車で一週間の距離だ。


「さてティア、どうやってウェルズ山脈までいこうか?」


 俺の左手と繋がっているティアに尋ねる。

 因みに今は2人並んでソファに座っている。


「そうねー、やっぱり馬車がいいのかな?でも私達なら走った方が絶対はやいよね」

「まあ、確かにな。全力で走れば3日・・・いや、2日で着けそうだ」


 体力が持てば、だけど。


「でも少しは訓練がてら魔物倒していかない?レベルは高くて困るものでもないし!」

「そうだな、そうしようか。じゃあついでに冒険者ギルドの依頼チェックしてから行こうか。何か手頃なものがあればこなしながら行こう」

「後はお買い物もしなきゃよね。私達旅の道具なにも持ってないよ」

「じゃあ買い物もだ。ティアの準備が良ければ出かけようか」


 まずは冒険者ギルドに来た。受け付けのおっちゃんに挨拶しつつ張り出されてる依頼をチェック。あれから少ししか依頼をこなしてないからまだ俺のランクはE。ティア冒険者となり、同じくEだ。

 依頼は二つ上のランクまで受ける事が出来るが、通常受けても一つ上までで、二つ上の依頼を受ける人は殆ど居ないんだとか。皆死にたくないからね。


「タクミ!これなんかどうかな?」


 ティアが指差した依頼は


『調査依頼』

 ウェルズ山脈中腹からここ数ヶ月、異音がする。

 もしかしたら新種の魔物かもしれないのでその実態を調査せよ。

 との事だった。

 御誂え向きすぎる。


「これにしようか。ちょうど良すぎて怖いくらいだ」

「あはは、本当にね。もしかしてその賢者さんの出す音だったりして」


 なんて軽口を叩きながら商店街に向かう。

 流石は王都と言うべきか、物凄い数の店と人だ。どうやら主要な買い物は全てここで事が済むらしい。

 ティアと2人手を繋ぎながら店を回り必要な物を買い込んでいく。ああ、スベスベとして少し冷たい綺麗な手が心地いい。

 今日のティアは腰まであるふんわりとした金髪をサイドテールにしている。今の所毎日髪型を変えてくれているので色々なティアさんを見れて楽しい。勿論どの髪型でも可愛さは天元突破している。


 食器や食料、水樽や寝袋、ランタン、火打ち石などの旅する上で必要な物を買い全てアイテムボックスへ。

 炎魔法が使えれば火打ち石なんて要らないと思うかも知れないが、俺はまだ細かい魔力の調整が出来ないので、魔法で火を付けようとしたら結構大惨事になってしまう危険があるのだ。


「じゃあ出発しようか」


 旅の準備は粗方終えたので、北へ向けて出発する。王都とウェルズ山脈の間には村は一つしかなく、しかもかなり山脈よりなので通常の旅ならばかなりの大荷物になる筈だが、2人ともほぼ手ぶらだ。

 防具を別にすれば俺もティアも武器しか身に付けていない。アイテムボックス便利過ぎるな。

俺の武器、龍骨の炎刀は背中に背負う形で携帯している。本当は腰に下げたかったのだが長すぎて地面に思いっきりズってしまったので泣く泣く諦めた。

 ティアの武器は恋人2日目に買いに行った、魔力伝導率のいいミスリルで作られたオーソドックスな直剣だ。

 ティアは属性剣という剣に雷魔法を付与して戦うという強力な戦法をとれるので、多少値が張ったが伝導率の高い武器を買い与えたのだ。

 高い買い物だけあって申し訳なさそうな顔をされたが、それでも俺の武器より遥かに安かったので別に気にする必要は無いのだが・・・。

 後は魔法触媒として俺と同じくアクセサリー型の物を買った。魔法威力上昇が付与された謎宝石の装飾がされた指輪だ。まだ結婚しないと言った手前、指輪型はどうかと思ったのだがティアが譲らなかったので良しとしよう。


 まあ、それはそれとして・・・。


「じゃあ出発するか!」

「うん!」


 軽く声をかけて駆け足で進む。駆け足といっても俺とティアのスピードなら馬車よりも早いのだが。


 王都の南には今は亡きセルンの森があり、森含め雄大な自然が広がっていた物だが・・・。


「岩と枯れ木ばっかりだな」


 ウェルズ山脈を目指し北上してすぐに緑はほとんど消え去り、代わりに無骨な岩肌と枯れ木しかない様な荒野が広がっていた。


「そりゃそうね。この辺りはもうバーベスト地帯だもん」

「なにそれ?」

「知らないの?この辺りからウェルズ山脈の反対側位までの範囲の大地は魔力が含まれててね、植物が一切育たない、運良く育ってもすぐ枯れちゃうんだって」

「はーんなるほどね。だからこんなに荒れ果ててるのね」

「それに魔力が含まれてる土地だけあって王都北方の魔物は手強い事で有名なんだよ」

「手強い、ねぇ?」


 俺が疑問を感じるのも当然といえる。

 それもそのはず、話ながら駆けてたわけだが、当然魔物は居るわけだ。目の前の魔物をわざわざ避ける事なんてせずにほとんど一撃で屠って来たのだ。

 たまに防御の構えをとる賢い魔物も居たが、俺が仕留めきれなくても続く第二の刃ティアが確実に一刀両断しているので現状足を止める事なく快適に進めているのだ。


「ま、私達相手じゃ魔大陸の魔物くらいじゃないと相手にならないと思うけどね」


 雑談しつつ魔物を切り倒していたら、いつの間にか辺りが暗くなり始めていた。


「じゃあ今日はこの位にして野営の準備でもしようか」


 ちょうど大岩を発見したのでその下に簡易テントを張って焚き火を作る。

 夜行性の魔物は基本的には火が嫌いなんだそうだ。

 焚き火にかがりながら買ってきた携帯食料を食べる。無味無臭の消しゴムみたいなやつだ。


「うーん、こいつの無味具合どうにかならないのかな〜」

「文句いわない!これ食べるだけで一食分のエネルギーちゃんと取れるんだから!すごいのよ?」


 ティアさんは文句無いようだった。

 因みにアイテムボックスの中も普通に時間が進むので、出来立ての料理を仕舞っておいて旅先で〜なんて事は出来ない。


 ティアと交代で見張りをする事にする。

 俺は索敵スキルを持ってはいるが、レベルが低いので俺より高レベルの隠密スキル持ちの魔物が近寄ってきてもスキルだけじゃ気付けないのだ。結局肉眼が一番安全ってこと。

 特に何事も起こらず、空の端が白んできたのでティアと交代し眠りについた。


 朝になり、歩みを進める。今日のペースで行けば夜になる前に王都ーウェルズ山脈間唯一の村、トゥメル村につけるだろう。一日しか野営してないけど既にベッドが恋しい。現代っ子な日本人はやはりフカフカベッドとあったかいお風呂が必要なのだ。


 途中、魔物を切り倒している時、ある違和感を覚えた。

 ほぼ全ての魔物が俺たちの進行方向、つまりウェルズ山脈から逃げるように移動しているのだ。


「これはあれか?依頼にあった異音が原因なのか?」

「そうなのかも。なんか不思議な光景ね」

「ま、ウェルズ山脈まで行ってみれば分かるさ。ちょっとだけ急ごう」


 少し急ぎ目で駆け出し、夕方になる頃にはトゥメル村についた。あまり大きく無い村の様で、冒険者ギルドは無かった。

 村に入る時に門番のオジさんに道中見てきた魔物の不思議な動きの事を伝えてみたのだが、


「ああ、その事ね。ありがとう、でも大丈夫。この村に何かあると賢者様が助けてくれるんだ。だからこの村の皆んなは誰も何の心配もしてないさ」


 との事だった。

 山奥の賢者の住処まで定期的に物資を運ぶ代わりに有事の際には全力で助けてもらう、そういう契約がされているのだとか。


そんな事はどうでもいい。

 一先ず宿だ。お風呂に入りたい。

 オジさんにお風呂が付いてる宿を教えて貰った。今日はもう休もうと思う。

 それで、明日は食料を少し買い足してから本格的に調査に向かう事にしよう。

 だから。


 明日から本気出す。

花粉症酷くて、車で通勤中クシャミしたら前見てなくて信号待ちしてる車に追突しました。

花粉症の皆様お気をつけくださいね…。

笑えませんよオホホ…。

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