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第一話 憧れの勇者召還!えっ!?間違い!?

処女作なので粗が目立ったり矛盾があったり誤字脱字があったり読み辛かったりして当たり前ですが主人公と共に徐々に成長していきたいです。

「す、すまなかったのじゃああああああああ!!まさか神であるワシがこの様な失敗を〇✕△□…」


「はぁ・・・」


ため息も出るってもんだよ。まだ10代の俺の目の前で還暦なんてとっくに通り過ぎたような爺さんが喚きながら土下座してるんだぜ?

しかもなんだよこの場所。宇宙か?下に見えてるのは地球なのか!?

こんなの色々な感情通り越して…


「やってらんねぇ…」


こんな言葉しか出てこねえよ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



冒頭の説明をするには少し時間を巻き戻さなきゃならない。

そもそも俺、新城しんじょう たくみは放課後の学校に居たんだ。決して宇宙空間などではなく。

その日もいつもの繰り返しだった。朝起きて、学校行って、授業受けて、部活して、家に帰る。そんな無限機構のような繰り返しの毎日に今日という日も組み込まれるのだと思っていたんだ。部活が終わり、荷物を取りに教室に入るまでは。


教室に入ると何人かの生徒が居た。俺と同じように部活終わりの人や授業終了から放課後までずっと談笑してる奴等もいるようだ。

その談笑組の1人、ムカつくくらいや爽やかイケメンで性格も良いとかいう人生勝ち組を体現したような男が早瀬はやせ りょう


「お、匠部活終わりか?おつかれー」

「あっ匠っちじゃーん!おっつー!」


「ああ、サンキュー」


軽く答えつつ手をひらひら振る。早瀬の後の声は微ギャルの川見かわみ 閃花せんかだ。え?なんで微ギャルかって?微妙にギャルだからだ。微妙にギャルってなんだって?俺にもわかりません。

2人とも苗字じゃなく名前で呼んで来たが、別に彼らと特別親しい訳ではない。なぜなら――


「ねえ慎太郎、トイレにしては久美遅くない?」

「あー、確かに。結構時間経ってんなー」


そう、今名前が出た久美。フルネームで新城しんじょう 久美くみ。新城 匠である俺と苗字だだ被りなのである。苗字どころか名前まで酷似している。だから2人を区別する為に2人ともクラス単位で名前呼びなのだ。

あ、今喋った2人も早瀬といつも一緒にいる奴等で、黒髪ロングの清楚のお手本みたいな女が緋藍ひあい 美伽みとぎでその隣の筋肉質な金髪オールバックは遠藤えんどう 慎太郎しんたろう


「私ちょっと様子見てくるね。倒れてたら大変だし」


そう言いながら緋藍が立ち上がった時に、それ(・・)は起った。


まず、視界が真っ白に染められた。だが不思議と眩しさは感じない。突然の事に狼狽えていたら真っ白な視界の正面から何か黒いものが高速で後ろに流れていった。しかもその数は徐々に増えていっている様だった。少しの落ち着きが戻ってきた頃、またしても目の前が白一色に染め上げられた。怒涛の展開に目を回していると唐突に浮遊感、次いで高所から落下してる時の様な感覚が襲ってきた。実際に風の抵抗を感じる。周囲はまだ真っ白だな・・・なんて辺りを見回してたらお尻に強い衝撃が!4つに割れてしまいそうだ・・・。


「いて・・・て・・・?」


あれ?全く痛くない?凄い高い所から落ちた様な感覚があったんだが・・・。

衝撃の際にキツく閉じてしまった目を恐る恐る開けてみるとーーーー


「・・・えっ?」


理解が出来なかった。まず目に入ったのは大量の人。明らかにさっき教室に居た人数よりも多い。しかも全員知らない人だし全員こっちガン見してるし。人だけではなく、今尻餅をついたままの状態で座っている場所もどう見ても教室ではないまず床が石で出来ている(大理石ってやつ?)。天井も馬鹿みたいに高い。そしてめちゃくちゃ広い。あ、キョロキョロしてたら同じ様にキョロキョロしてる早瀬組みを見つけた。どうやらトイレに行ってた久美は居ない様だが。

俺が早瀬に声をかけようと口を開くより前に、大量の人の中の1人、白の修道服?を着た金髪の綺麗な女性の人が一歩こちら側に進み出てこう言い放った。


「ようこそおいで下さいました!勇者(・・)様方!!」


は、はいぃぃぃぃ!?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


その後俺と早瀬組は現在の状態を先ほどの女性ーーユリア・アステルダムという名らしいーーに教えてもらった。簡単に纏めるとこういう事らしい。


「つまりこの世界、エストは大きく分けて人族、魔族、獣族がおり、更に三つ巴の戦争状態であると。しかし近年魔族の力が強まってきていて、このままではあと10年もしない内に人族は滅ぼされてしまうと。でもそれは困るから身体的、魔法的にも潜在的な資質の高い地球から特に資質の高い俺たち5人を召喚したと。この理解であってる?」

「ええ、完璧ですわ。理解が早くて助かりますの」


早瀬の言葉にユリアが返す。つーかですわ口調リアルで初めて見たな・・・ラノベの中だけの物かと・・・。

ついで川見が口を開く。


「それで?召喚された私たちは何をしたらいいの?」

「はい勇者であるーー「ちょっと待った」・・・なんでしょう?」


俺は堪らず声をあげてしまった。


「ごめんな口を挟んで。でもユリアさんの話を信じる前に確認すべき事があるんじゃないのか?・・・・・・まず何よりも先にここが本当に地球じゃなくて、本当に異世界なのか確かめるのが先決じゃないのか?」


途中間をおいで早瀬組の顔を見渡したが言葉が帰ってこなかったので続けた。


「確かにその通りですわね。勇者様の懸念は最もですわ。・・・クロード」


ユリアは俺の言葉を受けると自分の左後ろに控えていた壮年の男に声をかけた。


「はっ」


クロードと呼ばれた男は短く返事をすると一歩前に出て右手を前に出し、目を瞑り、何やら集中している。そして数秒後、集中が終わったのかカッと目を見開き右手を床に打ち付ける。その瞬間にはもう右手の前方から天井に向かって高さ2m程の氷柱が出現していた・・・。


「「す、すげえ・・・」」


早瀬と遠藤が声を漏らしていた。


「どうです?信じていただけましたか?勇者様方の世界には魔法は無かった筈ですわ」

「あ、ああ・・・信じる、信じるよ・・・」


なんとか絞り出すようにこれだけ言う。俺は冷静を装っていたが内心はパレード状態だった。だって憧れていた、でも決して叶わないと思っていた剣と魔法のファンタジー世界だぜ!?正直魔族だなんだのくだりから心の高ぶりを抑えるのが大変だったよ!


「では先ほどの話の続きをさせて頂きますの。勇者である早瀬 涼様、遠藤 慎太郎様、川見 閃花様、緋藍 美伽様、新城 久美様には近々復活すると考えられている魔王を討伐して頂きたいのです。」


ん?


「ちょっと待って、今なんて言った?」

「?魔王を討伐して頂きたいのです?」

「いやその前」

「近々復活すると考えられている?」

「いやもっと前。勇者である?」

「勇者である早瀬 涼様、遠藤 慎太郎様、川見 閃花様、緋藍 美伽様、新城 久美様には?」


あぁ、やっぱり・・・。


「あ、あのな・・・こいつら4人が早瀬、遠藤、川見、緋藍だ。んで俺の名前は新城 匠。しんじょう たくみであって、しんじょう くみではないんだけど・・・」

「えっ・・・」


時間が止まった。・・・いや比喩じゃなくて。本当に時間が止まってるみたいだ。俺の呼吸音以外なにも聞こえない。しかもどうやら色彩も同時に消えてしまったようでどこを見渡しても白黒写真のようだった。

まさかの2回目の謎現象に顎を落としてると今度は空間にヒビが入った。ヒビはドンドン大きくなっているようで、次第に大きくなるヒビに空間が耐えられなかったのか、けたたましい音を立てて割れた。割れた向こう側には深淵の如き闇が見える。


「なんだあれ・・・・・・うおっ!?」


異様な光景に目を奪われていたらその深淵に向かって凄い勢いで吸い込まれてしまった!


「あぁあぁあぁあぁあぁあぁー・・・」


ドップラー効果まで発生させながら俺は闇に飲まれていき、気が付いた時には冒頭の状態だったって訳さ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「それで?なんでそんなに謝ってるんだ?」


爺さんを何度か宥め、漸く落ち着いたので話を聞く。

いや、状態考えたら大体想像は付くんだけどね・・・とても嬉しくない想像が・・・。


「それがのぅ・・・」


爺さんの話は大体こんな感じだった。

曰く、爺さんは神様で、生と転生を司っている。

曰く、人間からの願いを聞くこともある。

曰く、偶には得意じゃなくとも世界転移の願いも叶えてやろうと思った。

曰く、名前が紛らわしいから間違えた。


「・・・・・・」

「間違えちゃった★」

「おいじじい死にたいのか?」


キレちまったよ俺はよぉ・・・久しぶりによぉ・・・.



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