energy29:スモーク
ガガガゥン!!
「チィッ!!」
6人はジュゲンのガトリング弾をかろうじてかわしていた。
「栄己!どうするんだ!」
アイゴイルは叫んだ。
「小暗黒世界は範囲が狭いから無理だ!」
「・・・鉄のカーテン」
バチィッ バチィッ
「ふん。これならどうだ。」
ジュガシヴのバリアが全員の前方に張られた。
「[列強]になれたのも、その絶対防御の能力ですか?」
「生憎だがそれだけじゃねえんだよ九条。」
「誰かいるぞ!」
ボナパルトは屋上を指差した。5人は誰かいることを確認した。
「3人のうちの1人か、撃っていたのは・・・」
真華学園屋上―
「バリアか・・・まいったな・・・」
「気を落とすな少田!大したこたねぇ!!」
「気づかれたようですが」
「登まで・・・案ずるな。策はある。」
ガチャ バシュゥ・・・
ジュゲンはガトリングの真ん中にある大きな銃口からミサイルらしき物を発射した。
「このミサイルは煙幕弾でハッタリだ。バリアに当たったところをお前ら二人で攻撃したら6人でも勝てるんじゃねえか?」
「なるほど。面白い作戦だな。ただ・・・」
「何だ?」
「お前は自分の手を汚さないつもりか?」
真華学園1km―
「何だありゃ?ミサイル?」
ロスノフは慌てだした。
「おい、大丈夫なのかよ!?座原!?」
「ビビりすぎだろ。フフフ・・・」
「ここはオレが出る。いいな、座原」
前に出たのはボナパルトだった。
「ああ。あんたが適任だ。」
ヴァン・・・
ボナパルトの腹部が闇に変わり、そして・・・
「小暗黒世界!!」
ミサイルは闇に包まれた。
「開放だ・・・」
ヴァン・・・
ブラックホールが屋上の真上に現れた。
屋上―
「バカな・・・林!!」
「すまねえ!へっ、ある意味煙幕弾でよかったかもな。」
ボシュゥ・・・ ミサイルが地面に突き刺さり、あたりは煙に覆われた。
「どうすんだよ少田!オレは下に戻るぜ!」
「・・・ふん。勝手にしろ。」
ジュゲンは階段で下に降りた。
「俺らも変身しておくか」
ピッピッピッ
「サブラント」
「シャオピン」
カァァァッ ジャキーン
二人は変身した。
真華学園前―
ミサイルが屋上を包んでいる間に、6人は門前まで走った。
「どうしますか?敵は屋上と校内の二手に分かれているようですよ。」
「九条、おそらく校内にはさっきの奴よりもっと強い奴がいるはずだ。お前とオレと座原は校内行き確定だろ」
ボナパルトは[列強]とそうでない者で二手に別れて行動するという作戦を考えた。
「屋上行きの奴も校舎を通るんじゃないのか?」
「まあ、そうだな・・・」
ここで、ジュガシヴが何かをひらめいたようだ。
「岩国、いいことを言ったな。お前は俺らと来い。」
「どういうことだ?」
屋上―
「ゲホッ、ゲホッ、この煙、いつまで続くんだ?」
「とりあえずは煙が晴れるのを待ちましょう。」
「ああ、そうだな。あいつらは階段からでしか来れないはず・・・」
「シャァ!!」
ズバァン! 突然、何かがサブラントを切り裂いた。
「隊長!大丈夫ですか!?」
「ああ、だが何処から・・・」
「ヒヒヒ・・・地上から屋上には届かないとでもおもったか?」
切り裂いたのはエグゼスであった。彼には跳躍力があった。
「貴様・・・よくも隊長を」
シャオピンがエグゼスに向かったその時・・・
「ウォラァァッ!!」
ザンッ! またもや何者かがやってきた。
「今度は誰だ!?」
「ああ〜怖かった・・・」
二人目はロスノフだった。
「あれ?二人になってる。」
「ちょうど良いな。ヒヒヒ・・・」
座原が編み出した作戦は跳躍力のある二人が地上から屋上に奇襲をしかけるというものであった。
やっと煙が晴れてきた。
「隊長、してやられましたね・・・」
「ふん。たいしたことはない。さっさと倒すぞ。」
「連谷、ここまできたからにはやるしかねえぞ!」
「・・・足が震えてるぜ。ヒヒヒ・・・」
「う、うるせぇな!」
(ふっ、どうやら[列強]ではないようだな・・・)
ロスノフのビビりようを見たサブラントは、笑みを浮かべながら口を開いた。
「どうやら、戦い慣れしてないようですね。」
「え?」
「いやあ、でも良かった。ちょうど私、出世したかったんですよ。」
「だからなんなんだよ!?」
「異名とか持ってます!?」
「そんなもんねえよ!」
「[列強]ではないようですね。残念ながら私にはあるんですよ。」
「お前、[列強]なのか!?」
「ええ、これでも[毒蛇]って呼ばれてるんですよ」
最初の激突が始まった。
終
どうも、ラスプーチンです。
やっと、戦いらしい戦いが展開できそうで、どういう風にしようか考え中です。
さて、今回の悪役的存在『真華学園』なんですが、実は、そのキャラクターには一つの共通点があるんです。読者の皆さんも探してみてください。