energy27:ルーム
特別室前―
ボナパルトは気絶した弓香を抱えて、特別室の前に来ていた。
ボナパルト「ここから先は国家機密だ、[列強]以外入ることはできんのでな。ま、尾津は特別だがな。」
ボナパルトは弓香の目が覚めるまで、特別室に連れて行くことにした。
茂琉「あ、ああ・・・そんじゃ俺は・・・」
2人はここで別れた。
パッポッピッ プシュー グォンッ
ボナパルトは入り口の横にある機械に暗証番号を打つと、入り口が開いた。
???「お前・・・変身したままなのか。」
ボナパルト「あれ・・・?」
部屋には王史がいた。
王史「というより、なぜ栄己が尾津を抱えているのだ?」
ボナパルト「ま、とりあえず・・・」
ピッ カァァァッ バァァァン!
ボナパルトは変身を解いた。そして、これまでの事情について王史に話した。
興「てなわけなんだ・・・」
王史「そうか・・・」
興「お前・・・何か知ってるのか?」
王史「ああ、明日にでも話そうと思っていたことなんだが・・・」
王史はこう話した。
この世代が高校生になれば、この大阪で一番の高校を日本政府は決めようとしているのだ。今回の[模範戦闘]はそのプロトタイプのようなものだ。そして、そのことを知らなかったのは自分たちだけで、他の学校は知っているらしい。
興「だからか・・・」
王史「何かあったのか?」
興「おう。実は『真華学園』の奴らが尾津を誘拐しようと襲ってきやがった。」
王史「何で尾津なんだ?」
興「変身した俺と喋っているところ『真華』の生徒が見てたのさ。本当の目的は・・・俺を誘い出すことだったわけよ。」
王史「そうまでして勝ちたいわけか・・・」
弓香「ん・・・えっ」
目を覚ました弓香は特別室を見て驚いた。
興「マズイッ!!インバルト!」
カァァァッ ジャキーン!
弓香「あ・・・あなた・・・」
ボナパルト「お・・・おう・・・」(あぶね〜・・・)
どうやら弓香はインバルトの正体には気付いてないようだ。
弓香「ここ・・・どこ?」
王史「[列強]だけが入ることができる特別室だが、お前の場合は特別だ。」
弓香「え?」
ボナパルト「お前が『真華』の奴らにやられてたところを、たまたま通りかかった俺が助けたんだろうが。」(宇田のことは伏せておくか・・・)
数分前―特別室に来る途中
茂琉「あのさ・・・」
ボナパルト「ん?どうした??」
茂琉「俺が助けたことは・・・尾津に言わないでくれ。」
ボナパルト「何でだよ?」
茂琉「だって・・・」
ボナパルト「襲い掛かったことのあるお前には助ける義理がない・・・って言いたいのか??」
茂琉「ああ・・・」
ボナパルト「・・・ま、いいだろう。黙っておいてやるよ。」
弓香「で、あの人たちは?」
王史「『真華学園』の連中はもういない。安心するんだな。」
弓香「真華・・・学園・・・」
ボナパルト「まあ、あんたには関係ないことだ。それより、ファクション入るか?」
ボナパルトはこんなときでもファクションへの勧誘を忘れない。
弓香「え、あの・・・」
当然、弓香は戸惑う。二回も危険から助けてもらった人の誘いを断るというのは、あまりにもおこがましいのでは・・・そう考えた。
王史「おい、何軽々しくファクションに誘っている。」
ボナパルト「味方は多いに限るだろ。」
王史「ファクションはそうやって誘うものではない。ましてや、恩義をかさにして・・・尾津さん、本気で考える必要はない。」
ボナパルトは開いた口が塞がらなかった。
弓香「・・・じゃあ、そろそろ帰りますね。」
弓香は学校から去っていった。ここでボナパルトは再び変身を解いた。
興「ある意味変身しててよかったぁ・・・」
王史「自分は『模範戦闘』のことだけを考えておくんだな。」
『模範戦闘』開始
終
エナジースーツ紹介
デュナーク
装着者 尾津弓香
武器 エアムーバー