日常4
「ふふふ」
「どうしたの?そんな怖い笑いかたして」
怒りで握りしめた拳が震える。
あの男はまったくもってけしからん。
「あの童貞やろうは許さん」
「どうしたの?」
珍しくれいこさんが狼狽えている。
「あいつ今日守護霊診断にいったんだ!そしたらなんていわれてたと思う?」
「ええ~と…」
「守護霊はいませんね。まれにいるんでよ、そういう方」
「まさか…」
れいこさんが驚愕に目を見開く。
「そうなんですか、やっぱりな」
思い出しただけで腹が立つ。守護霊をみてもらいにいくと聞いて、少し期待したもんだ。必死にどんな苦労をしているか占い師に話しかけたというのに、あのインチキ占い師と童貞やろうはこんな会話をしやがった!
れいこさんが息をのむ。
何をいいたいのかがわかったのだろう。
「やっぱりなじゃねぇよ!!!」
「誰のためにこっちは苦労して苦労して苦労してるとおもってるんだぁ!やっぱりなってなんなの?お前がそんなんなのは守護霊がついてないとおもってたからなの?ついててもついてないと思われるくらいの守護霊なの?」
「そんなことはないわよ、あなたは頑張ってるわ。」
れいこさんの手が頭を撫でる。
不甲斐なさに泣けてきたよ、
「ご主人にはわからないわよ。それは仕方のないことでしょ?だから私もいられるわけだし。」
「でも…」
「大丈夫よ。あなたは頑張ってるわ。」
俯いたままの頭に優しい言葉がふってくる。
最初にれいこさんに会ったときも彼女は優しかった。
「ご主人も寝てるわ?あなたも少しおやすみなさい」
「…うん」