表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/35

手料理と決意表明

 《日曜日・夕》

 頭にあったクラクラはしっかりと寝れていたのか少し治まってきていた。


「買い物に行くか…」


 ドアを開けると何かにぶつかる。


「痛っ!!」


 そろそろっと下を覗くとそこには俺をガン見する美彩がいた。


「先生に言われた……今日海お兄ちゃんの所に泊めて」


「は?何が?起きてんの?」


「それは…未寄子が中々手強くて居づらいし」


 それで察した。


「ごめん」


「海お兄ちゃんは悪くないからっ!」


「ありがとう…美彩」


「ん?ん〜海お兄ちゃん体調悪い?」


「そんな事はないと思うけど…」


 昨日も面倒掛けたけどお陰で元気になった気がする。


「用事あったの?海お兄ちゃんは人がインターホン鳴らしても3時間も放置してましたけど…」


「え…」


 俺ってそんなに気付いてないで寝続けてたのか?


「海お兄ちゃん……辛い??」


「別にそんな事無いぞ?」


「でも今の海お兄ちゃん見てると懐かしんだよ?私」


「私?」


「海お兄ちゃんに会う前の私とそっくりな顔してるの」


 そっと言われてからゆっくりと頬を触る。

 違和感は感じ無い。


「結子の話って予想してるより多分大問題でしょ?」


「美彩…お前結子って名前で呼んで」


「結子お姉ちゃんは海お兄ちゃんを奪うライバル1だから基本は女狐って呼ぶもん」


「って夜飯買おうと思ったんだよ」


 俺を退けて侵入して来る。


「ちょっと入るよ〜海お兄ちゃん」


 え?


 バタンっと音を鳴らしながら冷蔵庫を物色する美彩。


「海お兄ちゃん寝てたの?」


「そうだけど?」


 そしてそれを聞いて美彩は確信する。

 海斗は基本的に昼寝はしないのだ。

 そもそも学校の後、昼の時間帯は孤児院の手伝いをしてる海斗が昼寝してる事がそもそも異常だと美彩は考えた。


「海お兄ちゃん最近何食べた?」


「昨日はシーフードカレー食べたかな」


「外食?」


「違うけど?」


 何でこんな事聞かれてるんだ?


「海お兄ちゃん……嘘つかないでよ」


「は?」


 美彩は凄い怒っていた。


「昨日食べてないんでしょ!!」


「食べたよっ!!」


「これから通い妻しようかな…外堀から埋めてく?」


「通い妻とか変な事言うな」


「決めた。これから私が作る」


 美彩の発言を聞いて美彩は元々結子に教えて貰っていたから料理も出来る。

 こちらからしたら助かる申し出だ。


「良いのか?」


 作るから待ってて。

 適当に冷蔵庫を覗いてテキパキ材料を引っ張り出す美彩。

 鶏むね肉を取り出す。

 味付けをする為に肉を揉み込む美彩。

 ササッと揉み込むとそれを片栗粉で包む。

 油を熱して揚げる用意をしてる美彩と準備が出来たのか揚げ始めた。

 ジュワジュワパチパチ音を鳴らしながら衣の色が変わっていく。

 きつね色になった所で完成したのか美彩はタイミング良く引き上げ作業をしていた。


「唐揚げか美彩?」


「うん…海お兄ちゃんさご飯ってここどうしてるの?」


 あー美彩は余り来ないからそこら辺は分からないな。


「それは俺がやるよ」


「うん。ありがとうね」


「こちらこそ」


 その間に手早く野菜を切り添え物のサラダを美彩は作っていた。


「本当はレモンも起きたかったけど無かったから仕方ないね…へへ」


「全然助かったよありがとう美彩」


「これからも作ってあげても良いんだよ?」


 申し出は非常に助かるが流石に結子の事を聞かれそうだしな。


「それは大丈夫だ。心配してくれてありがとな」


「別にそんな事より女狐がいない間に海お兄ちゃんの胃袋掴みたかっただけだし」


「それ本人の前で言ってて良いのかよ」


「だって流石に海お兄ちゃんだって私の気持ちは分かりきってるし」


 頬が引き攣る…


(美彩自身が悪い子じゃないから一緒に居て楽しいと思えるからこそ突き放せないんだよな)


「女狐が居ないなら遠慮しないから覚悟してね?海お兄ちゃん」


 初めて会った頃では全く想像もつかない。

 1人絶望して先の見えなかった少女が今目の前で満面の笑みを浮かべていたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ