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説明と変化

 《土曜日・昼》

「楓さん……今いいですか?」


「はい?何ですか?」


「その…改めて助けてくれてありがとうございました」


「無事で良かったです…その海斗君が」


 全く照れてない海斗と必要以上に意識してしまう楓の2人は拙いながらも言葉を交わす。


「あ!あれは忘れてくださいね!」


「あれ?ですか?」


 顔を真っ赤にして今にも消えそうな声で言う楓さんと全くあれが思い付かない俺。


「写真です!写真!!」


「……あぁ」


 その時初めて楓さんの態度の違和感に気づいた。


「あれを広めたりなんてしませんから大丈夫ですよ」


「あれ?軽い?」


「そもそもデータ持ってるの楓さんのお母さんで俺は無いですし」


「でも……」


「俺が学校で膝枕されたなんて証拠無しに言ったら逆に浮きますよ…」


「そうですね」


 安心したのか胸を撫で下ろす楓。

 そして起きて泊まる事になったが実際やる事が無い。

 言いづらそうに本題に触れる楓。


「あの?何で未寄子ちゃんに本当の事を教えないんですか?」


「気になりますよね…」


「えっと……はい」


 ここで嘘は駄目だと素直に頷く。

 海斗も助けてもらった事も有り少しは教えようと思っていた。


「未寄子は俺で言う美彩何です」


「と言うと?」


 いまいち理解してない楓。


「美彩が俺を優先して物事を捉え気味ですが、未寄子はそれの結子版です」


「えっとそれが?」


「美彩は元から酷かったと言え今の方が幸せです」


「ただ1度幸せを知って失った。未寄子の両親の次に柱になっているのは結子です」


 過去の話と予測を合わせて説明する海斗。


「未寄子は初めてあった当時は凄い塞ぎ込んでました」


「そうなんだ」


 楓の知らない話が目の前に明かされていく。


「多分だけど今の未寄子の中で結子は両親と同じ位に大切な人になっています」


「……」


 無言でしっかりと話を聞き続ける楓。


「そんな開きかけている未寄子の心が今回の事を知った時、また傷が開きかねないと考えて未寄子には教えないと言う結論に至りました」


「…私も海斗君が言うまでは未寄子ちゃんには悪いけど言わない様にします」


「……良いの?」


 その答えはとても綺麗で吸い込まれるような黒目と黒髪に整った髪型を再認識させた。

 海斗の心を動かす程に衝撃を与える笑顔だった。

 海斗は改めてこんな少女の家に泊まると理解して来て今更緊張しだす海斗だった。

 海斗の中で好きになる女の子の基準がとても高かった。

 それが何故か……海斗の近くに何時も結子がいたからだ。

 良くも悪くも結子は家事万能で勉強も教えてくれて一緒に居て苦痛にならなかった。

 そんな子と一緒にいる事に慣れたら他の女の子と付き合う発想がそもそも海斗からは抜けていた。

 しかし、結子が離脱した今海斗の心は今まで無かった筈の感情の芽が生えて来たのだった。


「ありがとう」


 楓の中では色々合ったがそれでもやはり好意とも呼ばれる気持ちを心に持っていた。

 そして今日の彼の様に1人で倒れるまで抱え込んでしまう姿を見て思った。


「海斗君はほっとけないなぁ……」


 と楓の中でも少し変化が起きていた。


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