合流と悪夢
更新しました。
低文字数ですが読んでもらえると嬉しいです。
楓は電話して紅葉に伝えたのは良いがそれから海斗をどうするかは何も決まっていなかった。
「どうしようかな…」
今も横にして膝の上で眠っている少年。
母親に頼まれたからといってもその男の子を膝に頭を乗せて寝かせる事になるなんて思わなかったな…
黒く長い髪が月の光に照らされている。
黒いその目には1人の少年が映る。
そして見ていたから気付いたのだ。
「あ……」
彼の目から眠っているはずなのに涙が流れていた。
自分よりも全然強く頼りになりそうな少年が今だけはとてもか弱く見えた。
昼間の彼が緊張感や罪悪感で全ての自分の意志を塗り固めた姿だとしたらこれは塗装が剥がれた無垢な海斗自身なのではないだろうか?
「もしかしたらさっきの事も関係あるのかな?」
楓は見ていた。
海斗と未寄子の喧嘩…にもならない想いのぶつけ合い。
結果は彼は未寄子ちゃんの恨み辛みを聞き自らの責任とした。
理由は分からないけど彼自身も会ってないと言う話だから本当は会いたいんじゃないの?
そんな事を思案していると車が来た。
そしてその車はクラクションを鳴らした。
そこから紅葉が出てきた。
「涙……」
紅葉は来て最初にそれを呟いた。
そして確信した。
こんな眠り方でしっかりと睡眠が取れていると思えない事だ。
「お母さんはこの後どうする?」
「この後家に届けたいけど彼1人暮しでしょ?それで安全か分からないから1度家に連れてく事にするわ」
「分かった」
今の楓には否定する理由は無かった。
紅葉と一緒に海斗を車に乗せた楓。
そしたら車は再び走り出す。
それから数分して家に到着した。
自宅に自分のベットもあるけど流石に恥ずかしい。
「押し入れにある来客用の布団出してくれる?」
紅葉から指示が来て思い出した。
普段から来客が来ないから布団の存在は覚えてなかった。
「これで良し」
大変だが無理矢理布団の中に海斗を詰め込んだ楓。
でも……
「本当に何があったの?」
そして居なくなった事でここまで周りに与える影響の大きい結子さんは愛されていたのだと思い知らされる。
「会ってみたかったな」
「ゔ……」
考え事をしてたら海斗が魘され出した。
楓は優しく海斗の手を握る。
しかし…改善される事は無かった。
止める事が出来ないと分かった楓はとりあえず傍から離れなかった。
そして目を覚まさない間に1日が過ぎ去っていた。
流石に暗くなってきていたので楓も寝る準備をして自室に向かったのだった。




