方針と覚悟
遅くなりました。
低文字数更新で申し訳ありません。
少しずつ読んで貰えると嬉しいです。
「どうするかな……確かに真実を教えない事で未寄子の希望は途切れていない。しかし、このまま過ごしていたらこの孤児院の人間関係はバラバラになる…」
恐らく俺は未寄子に話をしようとしても聞いてくれない。
俺は立河さんと高校で出会って散々世話になった結子をポイ捨てした男だと思われてるからな。
美彩が俺を軸に思考するなら未寄子は完全なる結子軸……それがある以上接触何度は桁違いだ。
――どうすれば良かった?――
そう心に問い掛ける。
しかし答えは無い。
「これは結子の事を伝えた方が良いのではとも考えた。だが未寄子が生きている軸が結子だ。もし最悪の事態に陥れば未寄子は……命を」
……てあれ?そんな事よりも俺って
「仕事無い?」
今まで結子が洗濯とかしてたからそれを運ぶ基本結子の手伝いをしてたけど俺は美彩と未寄子の下着とかを洗濯出来ないぞ。
「そこは立河さんに任せれば良いのか?」
でも俺じゃ教えられない……
これじゃ暫くは孤児院に来るだけ無駄か
少し孤児院から距離置くかな。
「今後の方針決まりっ!!」
と声を出すと後ろに居たのは美彩だった。
「海お兄ちゃんも居なくなるの?」
「今ここには居ない方が良さそうだからな」
美彩は頬を膨らませて抗議して来るが実際他の職員達に気を使わせてしまうだろう。
「ごめん……美彩」
「ゔん……」
少し目が潤み赤く腫れていたが俺は意志を貫いた。
そして美彩は1人で戻って行った。
そしたら前から別の人が来る。
「余りうちの子を泣かせないでくれると嬉しいんだけどね?海斗」
院長だった。
「好きで泣かせてる訳じゃない……」
「分かってるよ。お前が悪くない事もな」
「あの時俺が一緒に出ていれば!!」
「それは結果論だ!!」
「あの子達は家に残る最後の2人だ……出来れば笑顔でいて欲しいんだけどね」
俺はあらん限りの力で手を握る。
そして院長が去る。
悔しい……自分が結子を守れていればこんな事にはならなかった。
何時も結子は助けてくれてたのに……
「俺は何もしてやれなかったなごめん結子……早く笑顔を見せてくれよ」
そしてその嘆きを1人の少女は目撃していた。
楓は悔恨と涙満ち溢れた顔が月明かりに照らし出されてる姿を1人見守るのだった。
「私には……何も出来ないんだよ」
楓もまた自分の無力差に嘆いたのだった。
そうすると彼は唐突に顔をぐしぐしと拭く。
「辛いのは俺だけじゃない……俺が諦める訳にはいかないんだ」
またいつか共に笑える事を信じて1人の少年はまた前を向く。
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