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結子の妹分

遅くなりました。

申し訳ありません。

仕事をしながらでも頑張ります。

「美彩…まだ?」


 後ろからポニーテールの中学生が来る。


「未寄子!!」


「こんにちは未寄子ちゃん」


「こんにちは楓さん」


 その3人の反応を見て未寄子が目を研ぎ澄ました。


「海斗さん…結子お姉ちゃんに何したの?」


「何って…」


「今までこんなに結子お姉ちゃんが海斗さんと一緒に居ない事は無かった」


「…………」


「答えてよっ!!!!」


 あえて言うとするなら未寄子は美彩の逆だ。

 美彩が俺に懐くなら未寄子は結子を自分の無くした両親に重ね合わせるかの様に大切に思っている。


「てっきり結子お姉ちゃんも来てくれると思ってたのに…楓さんだけ何で!」


「それはっ!!」


 言えなかった…

 両親を他界で幼い頃に無くした未寄子はとても傷付いた。

 それを少しずつ癒して来たのが結子だ。

 そしてその結子が意識不明何て誰が言える。

 少なくとも俺には出来ない…


「ごめん…全部俺の責任だ」


「嘘つき」


「「……」」


 俺は何で分かったのか聞こうとするすると。


「海お兄ちゃん…後悔してるって顔見ればわかる」


「五十嵐君…全て顔に出てます」


 何よりも驚いた。

 2年と言うの間共に居た美彩と未寄子には当てられても可笑しくないと思った。

 でも…昨日あったばかりの立河さんにまで読まれるとは相当顔に出ていたのだろう。


「海斗さん…早く教えてください」


「えぇっと…」


「待ちなさい!!未寄子っ!!」


 唐突にストップをかけられる。

 その声の主は院長先生だった。


「結子ちゃんの事に関しては私から海斗に教えない様に言っています…特に未寄子には」


「何でっ!」


 大好きな人が来ない理由を教えて貰えなくて嘆く未寄子。


「お姉ちゃん…置いてかないでよ」


「大丈夫!未寄子っあたしが居る!」


「美彩には海斗さんがいるじゃん!!」


 感情の制御をし切れていない未寄子。


「散々結子お姉ちゃんに助けて貰って可愛い女の子いたらポイしたんだ」


「違っ…」


「はぁ…」


 話の流れに流されるままに立ち尽くす楓。

 こうなる事を分かっていたと言いたいが如く溜め息を吐く院長。


「兆候はありました。昨日は海斗が帰った後からです。不安感が芽生えたのか未寄子は少し感情が昂っていました」


 予想してた理由を話し出す。


「それが今日も来なかった事で許容量を超えたのでしょう…しかしこれはだけにも止められない問題なのです」


 と立河さんに説明する院長。

 そんな中でも嘆き続ける未寄子に俺は何も出来なかった。


「未寄子聞きなさい…海斗は悪くない。八つ当たりするのは辞めなさい!そもそも海斗も結子ちゃんとはずっと話して居ないのですから」


「何…それ」


「言い過ぎじゃ!!」


「何したの海斗さん!!ねぇってばぁ」


 未寄子の精神は負荷のかかり過ぎで少し幼体化していた。


「お姉ちゃん…何処に居るの?早く来てよ」


 その場で顔に両手を当てて啜り泣く未寄子に初日の自分を重ねて見てると泣いてしまいそうだからその場を後にした。

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