孤児院の孤児達《美彩》
今回初登場!
孤児院の住人の1人美彩初登場!!
楓か結子がヒロインに見えますが海斗と出会ったのが中1の美彩は当時海斗が中2。
海斗が高1の今頃中3の美彩はこの作品のヒロイン候補の1人です。
海斗攻略の鍵は如何に海斗の固定概念を打ち破るのか?これによってはメインヒロインに飛び抜けるかも?
立河さんと話して居ると後ろから走る足音が聞こえる。
「海お兄ちゃん!」
俺を見るや抱きついてきた。
引っ付いた中学生は周りをキョロキョロを観察しだす。
立河さんを見た瞬間に地雷を踏んで行く。
「海お兄ちゃん…乗り換えたの?」
この中学生…元の親の影響で普通は中学生が使わない言葉を覚えてしまっている。
「そんな事して無いから少し離れて美彩」
「やっ!!」
幼い頃の結子を連想させる綺麗な黒髪にツインテール。
美彩曰くツインテールが良いなら変えるから美彩とお付き合いして欲しいだとか…
どうしてこんなに懐かれているかと言うとの理由を説明しようか。
「懐かしいな」
「なに?」
「美彩って会ってから2年位なのに良く懐いてると思ってな」
「恋は時間じゃないの…愛の重さなのよってあの人が言ってた。時間ならあの女狐に勝てない…」
…美彩曰く女狐は結子の事だ。
あの人とは美彩の母親だ。
彼女は恋人や愛人に良く見られる為に時間を費やしていた。親としての責務を果たして居ない所を俺が遭遇した。
美彩に愛情を伝えるべき人が与えない事でその時に優しく??接してたらしい俺に好意を持ったらしい。
それからは院長に相談すると育児能力が不足していると結果が出て美彩はこの孤児院に来た。
「母親と引き離した本人なのにな」
それからは院長先生や孤児院の職員が愛情を持って接してる。
その孤児院に来る事になった要因が俺だから予想以上に懐かれて居るのが現在だ。
そして美彩は立河さんと話していた。
「海お兄ちゃんは王子さまなの!!」
「美彩ちゃんは五十嵐君に会えて良かったね」
「うん!!」
美彩の90%脚色エピソードが広まった…王子さまって辞めてくれないかなぁ〜
頼んでもそこはヤダの一点張りだ。
確かに懐いてくれるのは嬉しいんだが、初めて会った人等しく脚色増し増しの出会いエピソードで俺と美彩の間違いだらけの関係性を広めないで欲しい…
「たまに不審者を見る目されるんだよ…」
横から美彩が立河さんと話し終えたらしい。
「海お兄ちゃん…女狐何処?捨てた?」
「そんな訳あるかっ!!」
「え……ごめん…なさい」
つい感情的に声を張り上げてしまった。
その過程を見ていた立河さんも目を見開いていた。
孤児院の子供達に結子の事を教えられる訳が無い…知らないんだから怒っても意味が無い。
「その…ごめん美彩」
「美彩もごめんなさい」
俺も基本すぐ許すし美彩も俺に関してはすぐ許すのでまともな喧嘩はした事が無い。
と言うよりも俺に嫌われる事を怖がっている。
美彩に取って俺は愛情を初めてくれた人で。
美彩にとって大切な事なんだろう。
そんな美彩を妹の様に見ては居るがそれ以上の関係という物が想像出来ない。
「これは初めて会った時に保護対象と判断した事が大きいのかな?」
保護する対象=娘or妹って考えになってるのか。
出来るなら美彩とはこのまま仲良く居たいな。
「好きだよ…美彩」
家族としてと言う言葉は抜けてるが好きなのは確かだ。
「どうか美彩の人生が美しい愛に彩られる事を願うよ」
あの時初めてした質問で名前を聞いて褒めたんだっけ?
懐かしいな…結子には誘拐して来たとか騒がれたっけ懐かしいなぁ
「ってあれ?」
美彩と立河さんがこっちを見てる。
「海お兄ちゃん泣いてる?」
「五十嵐君?」
頬に触れると雫が線を引いて零れていた。
乱雑に拭うと強がる。
「泣いていよ…目にゴミが入っただけだ」
「うん…」
「なら良かった…お母さんに報告するけど」
海斗の強がりは誰にも通じて居なかったのだった。
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