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想いと誘い…天秤が傾くのは

 朝に起きて制服の用意と昨日と同じくパンにジャムを塗る。


「ん…」


 口にパンを放り込む。

 孤児院の仕事でやるから洗濯物だけは干している。

 財布を取る。

 携帯を取る。

 制服に着替えてカバンと一緒に出かける用意をする。


「行こうかな…」


 特に早い訳でも無いが登校する。

 朝の日差しが照らす中同じ制服を来た生徒達が通学している。

 皆心から楽しいのか笑顔で笑っている。

 そんな人間観察で時間を潰しながら歩いていると学校に到着してしまった。

 昨日知った下駄箱に靴を入れて履き替える。

 そして教室に向かった。

 そして1-1の扉を開く。


 ガララララ


 そして視線が俺に向く。

 クラスメイト達から話し掛けられる。

 その中には勿論立河さんも…


「五十嵐君…おはようございます」


「おはよう立河さん」


「はよ〜!五十嵐君」


 俺、楓さん、千恵さんは挨拶を済ませる。

 そして疑問に思ったのか千恵さんが楓さんに質問する。


「楓さ?何かあった??」


「何で?」


「昨日の感じだと楓から五十嵐君に話しかける事は無いと思ってたんだけどねぇ〜」


「そ…それは」


「色々あったんだよ」


「ふ〜ん」


 予想を発表する輪島さんに言いづらい立河さんの代わりに俺が話を濁した。


「詮索は良してくれ」


 笑顔になった輪島さんは言った。


「ふんふん…詮索される何かがあるのは認めるという事だね」


「あ……あぁそうだよ」


「その潔さに免じて今は見逃そうかな?い・ま・は!」


 1時凌ぎでしかない。

 生活していればいつかはバレる…


「楓も楓で五十嵐君とデートを用事何て恥ずかしがり屋さんだなぁ〜」


 ドンドン彼女の中で膨れ上がる妄想に着いていけていない立河さん。

 ここからは男が立ち入らない方が良いだろ…俺は自分の席に足を伸ばす。


 ガララララ


 開いた扉からは松宮先生が入って来た。


「皆さんおはようございます」


「「「おはようございます」」」


 先生の合図から皆既に着席していた。

 巫山戯ていた輪島さんも既にキリっと座っていた。


「では今日も一日頑張りましょう」


「「「はい!!」」」


 何も連絡は無くホームルームは終わった。

 それからは流れ作業の様に授業を受けた。


「はぁ…疲れた」


 授業が始まりお昼になった。

 今日はしっかりとパンを買う事が出来た。

 何故か購買の販売員さんは俺を覚えていた。

「今日は買えたな…おめでとう」と言ってくれた。


「来た人皆覚えてるのか?」


 とりあえず今日はチョコメロンパンとあんぱんといちご牛乳にしてみた。

 美味い…パンの耳と比べると今日は凄い贅沢してる気がする。

 俺1人で食べ待てるけど誰にも誘われない…


「あれ?孤立してる??」


 こんな時に結子が居たらなぁ〜


「無理だ…結子居ても女子に誘われて食べてそう…結局独りじゃん」


 考える程虚しくなるから思考を放棄した。

 結局パンを食べ終えてゴミを捨てるといちご牛乳を空にする。

 全てのゴミを捨てると教室に戻る。

 そして午後になり授業は終わり帰り支度をする。


「今日こそ遊ぼうぜ!五十嵐!!」


「ごめん…今日も用事あるから遠慮するよ」


 誘いを断る。


「そうか…」


 誘ってくれたクラスメイトの声が最後の方は聞こえなかった。


「誘ってくれてありがとう…また明日」


 俺は教室を出た。

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