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騎士候補生少女譚  作者: 柳生 劣情(文章)&春畑 晴燕(設定)
序章 紅花
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紅花

 紅い花が、咲いていた。

 わたしの目の前に紅い花が、咲いていた。

 秋の月夜の下に咲く紅い花は、哭きたくなるほど、鮮やかで、美しく思えてしまって、わたしは瞼を閉じる。

「お姉ちゃん」

 目を閉じながら、わたしはただひとり、小さく呟いた。

 返事はない。答えはない。わたしの声以外は、風の音しか聞こえない。

「これで、よかったんだよね?」

 愚問だった。

 だってこれは、わたしが望んだことなのだから――

「ねえ、お姉ちゃん――」

 目を開き、顔を上げ空を見る。

 そこには、皓々と照らす満月だけが変わらず在り続けていた。


(序章 了)

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