表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/123

不思議なお爺さん(番外編)

〈番外編〉

2019年9月19日木曜日


知り合いから不思議なお爺さんがいると聞いて

藁にもすがる思いで紹介してもらった。


約束は13時だった

東京都心の私鉄の駅からすぐのマンションで

迷うことなく到着できた


呼び鈴を押すと小さな声が聞こえたが

何て言われたかわからない

もう一回呼び鈴を押そうかどうしようか

迷っていたら玄関の扉が開いた


動きのまったりとした80は超えていそうな

お爺さんだった

案内され家の中に入る

1LDKの小さなマンションだ


奥の部屋に通されると

ベットの横に小さなガラステーブルがあり

向かい合わせに椅子が置いてあった

ベッドに無造作に置かれたタオルケットがあり

部屋の中はお世辞にも綺麗とは言えない


回りを眺めると

壁には何やら文字が書かれた紙が

びっしりと貼られている

神という文字がやたら目につく


紙を渡され記入するようにお爺さんから

指示される

名前、住所、生年月日

そして悩みの相談内容を書く欄があった


記入したものをお爺さんに渡すと

大きな虫眼鏡で読んでいる


紙の白紙の部分に僕の名前を

縦書きに書き、その横に数値を書き込んでいる

名前の画数を書いているようだ

支柱推命で何かを診断いるのだろうか

お爺さんは何も話さない


そしてお爺さんがボソボソと話し始める


「中学校しか出ていない28歳の若い方がいました。目標を紙に書いて壁に貼るように言いました。その28歳の若い方は何年後かに会社を起業しました。そしてその何年後かに家を建てました、そしてもうすぐ会社のビルを建てるそうです。」


お爺さんは唐突にそんな話を始める。


「小学生の子供が勉強もしないで遊んでばっかりで困ってるという母親が来ました。お子さんの何か目標を紙に書いて壁に貼るように言いました。

中学校に入ると学年で1番成績の良い子になりました。高校へ入ると東大を目指しているそうです。壁には東大合格の目標を書いた紙を貼ってるそうです。」

この2つの話をした後に

もう一度大きな虫眼鏡で僕の名前を見て

「全身の血流があまり良くないですね」

と言われる


そして椅子の後ろに壁に向かって立つように

指示される


お爺さんはボソボソと何か呪文のような

言葉を発し、僕の回りを回り始める

「じゃーじゃーじゃー

まーまーまー、じゃーじゃーじゃー、まーまーまー、、、、、、」

意味不明な言葉

たまに僕のフルネームも出てくる

その後、お爺さんは僕の後をついてきなさいと

狭い1LDKの部屋の中をグルグル回り始める


僕は不思議な感じや奇妙な感じより

不謹慎ながらなんか吹き出しそうに

なってしまった


それでも、苦しんでいる右目が良くなるのであればという思いの方が強く

お爺さんの指示に素直に従った


マンションに来てから約30分くらい経過していた

だろうか

はい、終わりましたというお爺さんの言葉で

その変な儀式みたいなものも終わった


知り合いから聞いていた金額のお金を入れた

白い封筒を棚に納める


玄関を出るとき、つい

「あのう、僕の右目は治りますか?」

とら聞くとお爺さんは頷きながら

「治ると思います」

とぼそっと小さな声で答えた


駅まで歩いて約2分


不思議な体験は終了

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ