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水月51 詩:陽光 詩:暴風雨みたいに 詩:画廊のくじら
~ 陽光 ~
写真を一枚 手に取る
アルバムは閉じられた
陽の光に照らされて 君はどこか誇らしげに笑っている
季節は秋の頃 冬にはまだまだ遠い日差しのなかで
その一瞬を誇らしげに
~ 暴風雨みたいに ~
暴風雨みたいに と少女が言う
この地域では暴風雨警報が発令されている
わかるといいのになぁ と少女が言う
少女の部屋は荒れ放題だ
間もなくここら一帯は大荒れの天気となる
~ 画廊のくじら ~
画廊の奥に 青い絵画が飾られている
少女と小さな鯨が揺らめく青一面の中で 淡く日の差す方を向いている
浮上を試みているのか 留まろうとしているのか
恐らく 小さな鯨には 仲間の呼ぶ声が聞こえているのだろうが