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水月34 詩:青いこいのぼり 詩:季節はずれのゆき
2019年5月5日 日曜日
~ 青いこいのぼり ~
あれは空に泳ぐこいのぼりと誰もが思う
あれは空になったこいのぼりと誰かが思う
青色の風にたなびいた雲は 河の早瀬のように 駆けていったその軌跡を残す
空を泳ぐこいのぼり
誰かが 名前を呼んだ 手を大きく振りながら 誰かの名前を呼んだ
透き通るほどの大空だった
人は多いだろうか 疎らだろうか
青いこいのぼり
きみたちは誰を 見つけただろうか
~ 季節はずれのゆき ~
ゆきを
ゆきをみているのです
青く晴れわたった空だから ゆきがよくみえるのです
ご存じですか
ゆきはいちどだけ浮かぶのですよ たったいちどだけ浮かんで そして ゆきとして降り注ぐ
落ちる先もわからずに いっせいに降り注ぐのです
この場所に落ちてくるそんなゆきを
みているのです