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水月33 詩:木漏れ日
2019年3月9日 土曜日
~ 木漏れ日 ~
ある朝 新緑の葉が茂る木漏れ日の道に 青い風船が迷い込んだ
風に吹かれて あっちへ こっちへ 枝や葉に引っかかっても 身じろぎするだけ
気づいた人は大勢いた でも 手が届かないから どうしようもない
憐れに思った烏が その鋭い嘴で えいっと突くと 青い風船は ありがとう とだけ言って 去って行った
木漏れ日の世界に 何も残さず 波紋のように去って行った
▽
君と僕 横たわる影に 今日もまた 静寂の蛍光灯 何処かのサイレン