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水月31 詩:落ち葉もよう
2019年2月1日 金曜日
▽ただの石なのに
鈍色の冬鳥遠く羽ばたけば見えぬ地蔵も過去より出る
▽日の入り
暮れ時の色は染み入る過去現在混ざり合って
~ 視座 ~
空には藤の花が咲き誇り
垂れ込める白の花弁が小さき手に収まる
はるか昔から
空には水神が住まうという
雨音のように
小さくたゆたう水神が住まうという
~ 落ち葉もよう ~
ここはどこですか と落ち葉は問う
風に運ばれて 人の靴に張り付いて よく分からぬ所へ来てしまったらしい
ここはどこですか と人に問う
かつて住んでいた場所も きっと見えぬだろう ずいぶんと遠くへ来たのだ
あの木はここから見えますか と落ち葉は訊いた
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