水月27 詩:百日花
2019年1月2日 水曜日
▽空き家
人心地のうちに人は巡りて空屋には古き時だけが巡る ぐるぐると
▽振り返ってみて
過ぎ去りし年を見返しあれが居たこれが居たと独り記憶を捲る 猫背になりながら
~ 百日花 ~
百日花を知っているかい 百日に花と書いて なに 違うよ サルスベリじゃない ひるかばな、さ
こいつは百日の間も花を それも鮮やかな紅と白の花をつけるらしい 俺はこいつを持っているんだがね 花をつけた事がないんだ
知人によればそれはそれは鮮やかな花だそうだ 俺には信じられん 俺のは丹念に育てているってのに全く咲きやしない 何だか可愛げがなくなってきたよ
も一人の知人もおんなじのを持っているんだがね こいつのは一月だけ咲いたそうだよ とても綺麗な白の花だったそうだ 今も懐かしくてよく思い出すって 俺には信じられんね そんなに名残惜しいもんかね
蕾はつけるのに さっさと枯れちまう ひと花も咲かせずに枯れちまうのさ
だから 俺はこいつの花を見た事が一度もないんだ たったの一度くらい見てみたいもんさ
百日花ってのはそんなに良いもんなのかねぇ なぁ