初めての- NowLoading -
検証は順調だった。
思いつきで行動したのだが、これがまた上手くいく。
攻撃スキル『蛇眼』を取得
攻撃スキル『威圧』を取得
ユニークスキル『星食い』を取得
『蛇眼』については概ね予想通りであったが。
『威圧』については何度かにらみつけている間に取得した
そして予想の斜め上を超え、さらなるチートスキルである
『星食い』を会得したのは驚きを通り越して恐怖した。
ユニークスキルとやらは簡単に手に入るものなのだろうか?
守護者に聞いてみたが、さらにその答えで身震いする事になるとは。
―――確認
ユニークスキルの習得難易度についての説明は出来ません
しかしユニークスキルを持つ もしくは取得する
個体の割合は100万分の1と言われています
尚、守護者についてはその限りではありません
つまり、100万分の1とやらを数個持ってしまっているのが自分。
ついでに守護者は別にレアでもなんでもないと。
―――確認
この世界にやってきた異世界の者が望むのであれば
取得するスキルが私です
さらに言うなればアナタは異常です だそうです
怒らせてしまったのか異常呼ばわりされてしまったが。
その後に付け加える言葉がなんとも不思議である。
だそうです。つまり良く分かってないという事?
誰かに聞いた? ふむ。しかしそれ以上話して貰える訳でもなし。
機嫌を直してもらうべくでもないが、スキルの確認だ。
・『蛇眼』相手の神経を麻痺させ、自由を奪うスキル
・『威圧』相手を脅し、戦意を失わせるスキル
そしてユニークスキルとやらの『星食い』なのだが
・『星食い』自らの魔法力を使用し魂に隙が生じた全てのものを食らい尽くすスキル
勿論試してみました。
結果どうなったかというと。
ステータス表記に勝るものなし。という訳で。
―――Lv:100 HP250/250 MP620/620
攻撃:128
防御:110
魔法:256
速度:254
スキルは割愛するが。
称号が手に入ったんだな、これがまた…
―――称号『森の主』を得ました
―――称号『悪食』を得ました
何もかもが怖くなくなってしまい。
呆然と佇んだままに、時が過ぎてしまった。
そうそう、順序は逆になるのだが『悪食』を得た経緯であるが。
そうして検証中に出会った魔物の一匹に。
例のアンデッド系と思わしき魔物を見つけてしまったのだ。
自分の姿と見比べれば、相手は肉が剥き出し、細っこい体。
そして自分は鱗に覆われ、意外とガッチリしている体格であり。
相手は骨が飛び出て理性の欠片も無さそうな…目玉は血走り、
もう片方の目であったあろう場所には穴が開いている。
無論自分には両目が備わり、尚且つ熱源を感知するであろう器官も取り揃っている。
さらに相手の動きは鈍く、臭いも酷い。
勿論自分は素早く動けるし、
臭いなんて風呂は無いものの水浴びはしっかりとしているのでそこまでの臭い等する筈がない。
うむうむ、さらに見れば相手は蛇のような姿をしているではないか。
となると、導き出される答えは自分はごく普通の一般的な蛇の魔物という事になる。
名前も『解析』スキルによれば。
ランクD-
『アンデッド・スネーク』
許容量を超えた魔法の力を受け。体が崩壊してしまったリトルスネーク種。
しかしその膨大な魔力の影響にて、逆に身体能力の向上を得ている。
肉体を完全に浄化する事により新たな魔物が誕生する可能性がある。
そして、のそのそ動くそのアンデッドをじっくりと観察していた自分であったが
此方の姿を確認するなり、今までの、鈍亀スタイルはどこへやら。
身体能力の向上を得ている!との一文があったがそういう事かぁー!
猛スピードで突っ込んでくるアンデッド魔物を前に最早逃げるも適わず。
こうなってしまえば致し方なし。相手をしてやろうぞ!
そんな流れで、過程を少しに手早く経過を語ろう。
身体能力的には完全に負けていたが良い勝負だったよ。
相手側に直線的な攻撃しか無かったのが救いであり。
痛みを感じる事無く、恐れず最短で最速で突っ込んでくるのが脅威であった。
対して此方は、一度噛まれたら何かに感染しそうだったので必死に避けるも。
自分のスタミナは無限ではない。
タイミングを合わせ、叩く!叩く!叩き付ける!
尻尾で叩く!とにかく叩く!決して噛まれぬように必死に叩く!
どうにもこうにも自分のダメージが反動で溜まってきたので。
戦法を変え、すれ違いざまに噛み付いたのだが。
今に思えば、相手が噛んでも此方が噛んでも同じではないか。
結果は別に、体調は変わらずなので、深くは考えない事にした。
そんなこんなで、噛み付きあいの、絡み付き合いになった時点で、手詰まりとなった訳で。
その時点で既に覚えていた『星食い』を発動。
捕食したのだった。
味は、なんとも言えず…酸っぱかったとだけ。
腹を壊したり、なんて今の所は無いが心配である。
これが『悪食』が付いてしまった理由だと思う。
そんなこんなで、ただただ、ぼーっと呆け空を仰ぐ自分の脳内で
守護者からのアナウンスが響き渡った
―――確認
『進化』レベルに達しました
『進化』先は選択が可能
『進化』の為の決意が確認され次第
『進化』を開始します
待ちに待った進化の瞬間である
しかしながら、今でさえこんな能力を持つ自分が進化してしまえばどうなるのか。
先があるのは楽しみではあるが、どこか恐怖感が心のどこかにある。
何かが引っかかるのだが今は思い出す事は出来ない。
何か、何か忘れている事は無かったか?
―――スキル『危険察知』にて反応あり!強制!ロード開始!
突如鳴り響く警報。
心に直接響くその音と共に目の前の光景が爆ぜた。
閉ざされた視界の外で、あわただしく久しく見なかった人影が多数現れる。
「今のが例の標的で間違いないか?」
「復活する様子は?」
「今の所無い。呪いの発動も確認されず。成功か?」
「なんとも言えない。別の蛇かもしれないが。異常な奴である事だけは確かだった。」
「マーキングの消失を確認。仕事は終わりのようだ」
「警戒だけは怠るなよ?呪いで死ぬのだけはごめんだからな!」
「このまま何も無しで済めば…………け…………ね………」
―――ユニークスキル『ロード』成功 セーブ地点へロードします
ザッという一瞬の雑音が頭に響く。
全てが消えた。知覚出来る全ての物が感じられなくなった。
体感にすれば長かった。何も感じられない時が流れる時間であり。
それでも尚、何かが起こっていると理解だけはしていた。
ふと、こんな単語を思い浮かべていた。
- NowLoading -
* * *
この辺で、山場的なノリを。調整に調整していたのですが。
調整した結果にハブられました。蛇だけに。