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アジダハーカ

 エルドラド最奥部に鎮座していたモノ。

 それはエルドラドの守護神として作られた、3つ首の竜の形を持ったモノ。

 アジダハーカと呼ばれるソレは言うなれば、中に乗り込んで動かせる巨大なロボットのようなモノ。


 動かす為には人間換算で数千人~万単位か、それ以上に多大な魔法の力が必要であり、

 単純な所で戦闘能力はと言えば、ソレ一体で人間世界を滅ぼせる程の能力を持っている、

 TRPGには良くある、お手軽世界の危機と呼べる程のスペックを持つ、危ないモノであるとの守護者ペディア情報がある。

 とりあえず、そのアジダハーカと呼ばれるモノの守護者情報を少し抜き出せば、こんな感じに書いてあった。



 『アジダハーカ』情報


 黄金迷宮エルドラドにおける最上位戦力の一つ

 3つ首の竜の姿を模した姿は邪竜と間違われる事もあり

 人間界に残される歴史的な資料では、此方が邪竜と扱っている物もあるが

 それは間違いで、アジダハーカは別に邪竜とは何の関係もない備品である

 起動後の単純な戦闘能力だけを見るならば、不完全な邪竜を圧倒する程度の威力を持つが

 自立して動く事は無く、操る者が必要という、区分としては魔装竜と呼ばれる装備の一つ

 異世界人のスキルより作られた、この類の装備は今ではもう同じ物を作る事は出来ず

 所有していた国も全てが滅びており、修理の技術も人間勢力には残っていない

 アジダハーカについてはザハークが作成したので、魔装竜とは別物になっているかもしれないが

 その辺りの事情については、口を出す者は誰も存在しないので何も問題は無い



 追記:これより先は秘密です


 魔装竜起動の為には多大な魔力と専用の鍵が必要とされている

 アジダハーカについてはその限りではなく、別に鍵は無くても動かせる

 使用出来る鍵の全ては自爆装置で、いかにも重要そうな物として、そこそこ厳重に保管してある

 なのでアジダハーカに鍵を使い、奪おうとする者は全て爆破処理される事となる

 尚、アジダハーカの起動の為には21文字のパスワードを使用

 1文字入力する為にMPにして約5,000が必要


   ヒント:はははは そなたは ふしちょうのごとく よみがえる



 という訳でヨルンは、アジダハーカのブレス攻撃に蛇のこの身を炙られながら情報収集を終えました。

 美味しそうな匂いが漂ってそうな湯気を体中から噴き出していますが、そんな事はない。

 脱皮行為にて一皮剥けば、ブレス攻撃によるダメージは抜けきって、ヨルンは完全復活。

 ヨルンの抜け殻は、そのまま盾に使っても良いですし、なんならそのまま食べちゃっても構いません。

 なのでもしゃりもしゃりと、自身の抜け殻に噛みついてみたのですが、

 なんともかんとも無味でゴムを噛んでる感覚を覚えたので、そのままペッと吐き出してしまう。

 ほんのり焼けているのに不味かったな~、と思いながら吐き出したソレは、

 飛び道具の一種として扱っても問題ない程の威力の攻撃となり、

 ヨルンに向かってブレス攻撃を続けていた3つ首竜に向かってレーザービームの如しに飛んで行く。

 ペチっと蛇皮が竜の首に張り付いたが、その竜の姿はヨルンにはやっぱり覚えがありますね。


 そうなんです。目の前の強大な竜はアジダハーカなのです。

 さらには情報通りに、アジダハーカは魔装竜と呼ばれる装備であり、中には何かがいます。

 その中身なんですが、始祖竜であるレヴァンテインさんらしいんですよね。

 とりあえず、始祖竜なのは間違いなし。他の可能性は一切思いつかず。

 ユミルやフィンブル、そしてギヌンガではなさそうですし、

 9割9分9厘ぐらいの確率でレヴァンテインだと思われます。


 ですが不思議である。疑問符が頭に浮かびます。

 浮かび上がった疑問符が、竜の口より再び放たれたアジダハーカのブレスにより消滅していますが、

 攻撃され続けて考える暇が無いのだから致し方なし。

 なんでこんな状況になってるんですかねという思考が無限ループ中で先に進めません。


 流石はエルドラド最上位戦力であり、世界を滅ぼせるぐらいな能力を持つドラゴンブレスは、

 今のヨルンでも笑って耐え抜くレベルを超えていました。

 とはいえ抵抗できずに死ぬ程なレベルではないですし、

 何もしないで受けるのであれば相当に痛い。気を抜けば死ぬといったレベルです。

 死んだらどうなるか。久しく使っていなかった蛇の呪いが発動してしまうのか?


 不意に炸裂音が鳴り響き、少し前に飛ばしていたヨルンの抜け殻が飛散する。

 その爆発は、ヨルンの脱皮した皮が、魔力を溜めて暴発した事により起きた爆発なのだったが、

 意識の外に放り出しておいた現象は、互いの不意を打つのに十分な効果を発揮していた。

 核爆発を思わせるかのような、キノコ雲が3つ首の竜を中心に巻き起こり、

 衝撃波により、ヨルンの体は大地よりふわりと舞い上がる。

 その隙を目掛けてだろうか、再びアジダハーカのブレス攻撃がヨルンを包み込んだ。


 脳裏に死を感じさせる単語が次々と湧きあがって来るが、こんな状況は慣れっこのヨルンは特に動じる事はない。

 尻尾を盾にし当たる面積を最小にする事で、余裕を作り上げ。

 その尻尾を電動ドリルのように回転させつつ、扇風機の羽のような部位を取りつける事により、

 3つ首竜のブレス攻撃のダメージを軽減させる事に成功したのだった。


 しかしこのまま続けても、打開策は無く防御の一手のみなこの状況。

 視界一面に広がる攻撃判定は、一部のRPG要素の混じったアクション系なゲームでは良くある回避不能の類。

 ターン制なRPGであっても、対策無しなら最大HPを超えたダメージを軽く叩きだしてくるエンドコンテンツなレベルだろう。

 現在進行で続いているブレス攻撃は、それっぽく例えてみるならあらゆるモノを消滅させる滅びの光か、全てを焼き尽くす煉獄の炎か。

 …まあ、それっぽく例えた所で耐え抜けるのならば名前負けだ。

 何かヨルンとは別のモノがこの場に居れば比較も出来たのですが、

 ヨルンならば、まだまだ大丈夫。元気に屈伸運動も可能です。


 しかし、大丈夫とは言っても動く事が出来ずに膠着状態が続き、

 そういえばと、アジダハーカの攻撃手段は豊富に取り揃えられていたなあと脳裏に浮かび、

 何も出来ないならその記憶を探ってみようと模索すれば、幾つもの武装がチュートリアル形式で脳内動画再生余裕でした。

 そうして得られたアジダハーカの攻撃方法だが、殴る蹴るの暴行以外に使われる武装はそこそこにありますね。


 クールタイムを置いて何度でも放てるドラゴンブレス攻撃。

 威力は残存HPに依存しており、開幕で放つのは基本的にブレス一択。

 その他、刺突や爆発性のある物を投射するミサイル攻撃。

 あらゆる攻撃を防ぎ、そのまま突撃も可能な魔法エネルギー的なシールド。

 属性付きのビームも一応持ってるようだけど、コレは作成当時から一切使われた覚えが無い。

 あとは周囲の重力を操り、触れずに対象を押し潰してしまう初見殺しまで完備していて、

 他にも各種の役割を持ったドローンを生成する能力もあり、とりあえず出しておけな能力持ちだ。


 なんて面倒なモノを作ってしまったんだろうね~、ザハークって奴は。


 困ったもんだな~と思いつつ、ブレスの合間を縫って、色彩豊かな魔法飴を本気でぶっ放した所。

 やっぱり無傷であり、シールドを張りながら高速で体当たりしてきたではありませんか。

 まあ…、何をやってくるかは知ってるんで当たりませんけど。


 ひょいっと、ひらりっと、効果音を口で鳴らしながらに考える。

 続けて飛んでくる飛来物は、全てを蛇流に恰好を付けてポージングをしながら避けて行く。

 こんなもん、ネーサンの針弾幕に比べりゃ可愛いもんよ。

 針と言っても重火器をイメージする程の物量で、あらゆる方向から計画的にぶっぱなしてくるチートなんだもん。

 あんなもん避けろって言われても無理なの分かってるでしょうにね~。


 そう思考がズレるのも、アジダハーカの飛び道具は威力こそあれど、ネーサンと比べりゃまだまだという事だ。

 このまま避け続けても、受け続けても、ヨルンとしては余裕かもしれません。


 しかし困った。守護者との記憶が共有されて、アジダハーカについては中途半端に知っているので、

 アレには敵わないとヨルンは頭で理解してしまっているのだ。

 それに加えて、アレは自分の物であるからと、壊したくもないという思いもあり、

 本気で戦う気も起きず、やる気が一切出ない。


 その感情が相手側にも伝わったのか、

 それともヨルンは全然余裕です、と見てとられたのだろうか?

 攻撃の手が止むと、3つ首の竜はその全ての首をヨルンに向けて、睨み付けながらに話始める。


「成程、この程度では動じないか。多少なりとも驚かせれば、見えるものもあるかと思ったのだが

 己が力の及ばぬ強大な相手を前にしても、揺るぐ事の無い意思を持っているのか

 無知なだけの蛮勇か、何も感じられぬ単なる愚か者なのか」


 どうやら、ヨルンの反応が思ったよりも薄い所為で、向こう様も困ってらっしゃるようでした。

 3つ首がそれぞれで話をするもんだから、何となく聞き専に回ってしまいそうでしたよ。

 どう考えても今が話しをするチャンスですし、割って入るには丁度良いタイミングでしょう。


「あるいは先を見据えて考えすぎて、目の前の事に気が向いていないようだ」


「ならば、そのヨルンは、何を、見ているのだ?」 


 蛇を見下ろす機械竜は、その三つ首を下げて話をする姿勢となっていた。

 となればもう、無駄に攻撃が飛んでくる事は無いだろう。

 落ち着いて思考を整理すれば、ヨルンは何をしようとしていたのだったかと思い出し。


「この後に控える、蛇さん100匹とパパさんも混ぜて、みんな一緒に蛇風呂を考えてた」


「成程。それは、聞いてみるまで考えもしなかった

 先までの、攻防も、心、此処に在らず、だったという事か」


 ある意味で、目の前の事は眼中に無いと捉えられそうな発言だったが、

 感心したかのような返答に、考え込むかのような間はどう捉えれば良いのやら。


「本当なら分かり易く、レヴァンテインさんに会って、

 菓子折りもって挨拶して、お話を聞いての流れになると思ってたのに」


 という訳で考えていても仕方がない。

 同じ始祖竜である、フィンブルに対して好評だったお菓子攻撃をチラつかせ、

 今回は饅頭やカステラ、羊羹等の和菓子詰め合わせを追加した、

 作成レベルの上がった豪華セットを用意していたんだけどなぁと、心の中だけで呟きつつ。 

 

「別のダンジョンに入れられて、ある程度の過去を知る事になったらしくて、

 色々と知ろうと動き回るのはごく自然な流れである。

 そして理由がありそうなのに分からないままの戦闘は、ヨルン困ってしまいました」


 素直に思っていた事を口に出して、相手側の反応を伺ってみる事すると。

 竜の3つ首は絡まり合い、無意味な動作とも思える行動をした後にヨルンの前に顔を近づける。


「守護者とやらに話は通しておいた筈なのだが何も聞いていないのか?」


 相手側の口からは守護者という単語が出てきて、話をしていたと言うではないか?

 つまりはアレか。ヨルンは何かを間違えていた、というよりも。


「その守護者に会いに行こうと思ったら、何故かこの場にやってきていた」


 道を間違えて、迷った挙句に守護者達をスルーしてしまったという事なのか?

 気まずい空気が流れてしまいそうなこの状況。

 アジダハーカの3つ首が、なんとなく垂れてしまったような気がするが、気のせいでは無いだろう。


「そうか、手違いが、あったようだな」

「なので今呼び出してみようかと思う」


 少し迷ってしまったが、こういう場合は即行動。

 守護者とヨルンは存在レベルで繋がっているので連絡も容易である。

 脳内パスを繋げれば、思考するより先に情報は共有されて、次の瞬間にはあら不思議。


 いよっと…という掛け声一つと共に、ヨルンの背中より飛び出してくる、ヨルンの守護者様。

 ぐるりと周囲を確認し、一礼の後に両者を見やる守護者は早速口を開きました。


「私達をスルーして先に進むなんて、全くの予想外でした。

 道に迷った挙句に、最深部にまでやってこられるなんて、不思議でなりません。

 最下層の扉の鍵を私が持っていても、何も考えずに通り抜けてしまうマスターには、

 一定距離を離れると、近くに転移させる首輪でも付けておく必要があったようです」



 という訳で、現れた守護者を交えてヨルンとレヴァンテインは情報交換を行う。

 


「以上がネタばらしでした。

 マスターに楽しんで貰えるようにと、即興で作ったイベントだったのですが失敗した訳です」


 その内容を簡単に説明するならば、ヨルン流でこうなった。

 ヨルンより先に、守護者側で始祖竜に会っていて、現在地であるダンジョン。

 黄金迷宮のエルドラドを、始祖竜のダンジョンから切り離す…といった事をしていたらしい。

 そして守護者と始祖竜が協力し、準備を整えて残る工程は一つ。

 何かしらの膨大なエネルギーが必要という事で考えた結果。

 時間を掛けて練り上げるでも良いけど、戦闘行為でもそのエネルギーは溜まっていくと言う訳で。


 ヨルンと始祖竜で戦うように仕向ければ、流れとしてはそれっぽい。


 後は演技を交えてヨルンを楽しませような思いから、バランス調整を重ねた守護者は、

 アジダハーカを始祖竜に貸し与え、これなら始祖竜側も本気出しても大丈夫だよって事だったのだが、

 ヨルンが来る順番を間違えた所為でご破算となった訳だ。

 ちなみに始祖竜側は、アジダハーカを操り、自分が始祖竜だとバレてないと思っていたようだった。 


「つまりはヨルンへのサプライズついでに、

 始祖竜のレヴァンテインさんも、ノリノリで演技していたと」


 なので改めて分かってますよアピールをしつつに、上目遣いで見上げてみれば、あら不思議。

 露骨に目を逸らす3つ首竜が発生しましたね。


「何時から、我が始祖竜、だと分かっていた?」


 恥ずかしがっているのか、はたまた別の理由なのか。

 少なくとも、戦闘に関しては、完全に興が削がれてしまっているのは間違いない。

 そんな事を感じつつ、始祖竜だと分かった理由を口に出すとすれば何が一番しっくり来るだろう?

 言葉に出して説明出来る理由なんて、感覚的な事でしか分かっていないし、

 納得出来るような答えを出すのは難しい。

 それでも何とか言葉をひねり出そうと、他の始祖竜の姿を思い浮かべれば、

 幾つかの形になりそうな言葉が湧いて出て来る。


「ユミルにフィンブルに会ってるので、同じ事してりゃ分かっちゃう。

 なんというか、仮初の体を使うのに慣れているというか、そうしないとならない理由があるとか」


 ヨルンが相対した始祖竜達の共通点は、一言で言ってしまえば本体じゃなかったんですよ。

 山と例えて良い程の、巨大な竜の姿は目にしていますが、ソレすらもが分身体というべきか。

 今の段階では想像する事しかできませんが、集められた情報を推測するに、

 答えに近い所までヨルンは近づいていると思われます。

 そんな思いを胸に、ある程度の意思を込めて見つめた視線が交り数秒後。

 言葉以外のモノも感じ取られてしまっているのだなと、ヨルンは動けずに視線を泳がせてしまう。


「そうか、我等の事は、それなりに、理解しているようだな。

 ヨルンの感じている事は、間違えてはないが…ふむ、フィンブルにも、会ったのだったな」


 そう言いつつ、頭を撫でに掛かってくるレヴァンテインだったが、仮初の体だと分かって触れ合うというのも不思議な気分である。

 感覚はあるんですかねと思いつつ、ユミルやフィンブルは問題無く、飲み食い可能で楽しんでいましたね。

 ヨルンもヨルンで、今の体は始祖竜達と同じようなモノだったなと思い返せば、守護者なんて姿形自体が決まってない。

 つまりは考えるだけ時間が潰れる案件なので、そういうもんだと止めておき、

 思考を始祖竜関連に戻せば、その挨拶巡りも残りは1体に会うだけだ。

 ここまで来たら、残りの1体も手早く済ませたい所だったが、ここでヨルンは思い出した。


「うん、残りはギヌンガさんにだけ会って無いのだ。

 ちょっと前に、空からその、ギヌンガな鱗が降ってきて驚いたけれど、

 ユミルに話してみたら様子を見に行ってくると、星になる勢いで飛んで行ったかな」


 今になって思えば、後回しにして良かったのだろうか。

 気の長そうなレヴァンテインは後回しにして良かったのではとも思ってしまうが、

 そんな過ぎた事を今更考えていても仕方がない。

 ユミルが良いと言ったのだからヨルンとしては信じるのみ。


「…詳しく、聞かせて貰おうか」


 だけどレヴァンテイン側はなんとも神妙な面持ちで顔を近づけて来たではないですか。

 このままの姿で話すのもなんだからと、奥の部屋まで来てくれと促される。

 重苦しい音を立て、所定の位置まで歩みを進めたアジダハーカは機能を停止。

 だだっ広く、壁すら見えない程に広かった部屋だった場所は、

 まるで幻覚を見ていたかのように消え去ってしまう。


 そして消え去ったままに、足場が真っ黒。壁も真っ黒。

 奥の部屋は何処なのかと目星を付ければ、光を纏っているようにも見える白い扉を発見する。

 逆方向にはまた違った外へ通じる穴があるので、ソレが入り口だった場所のようだ。

 移動を始めた所で守護者も追従して来てくれているので間違い無いでしょう。


 それでは扉を開けて、ヨルンは先に進もうとするが、守護者がそのヨルンを制してその扉を開ける。

 そうしてお先にどうぞと脇に避ける守護者は、蛇の体では扉を開け辛い事を知っている。

 細かな気遣いに感謝しつつ、顔を出し中を覗き、何となく確認作業を済ませてヨルンは侵入する訳だが。


 宝物庫の中なんですかね、この場所って。


 目も眩まんばかりの金銀財宝、光沢鮮やかな貴金属やら宝石が溢れる宝箱。

 何かを模した像やら、武器に防具に、絵画まで。

 そして金貨の山をベッド代わりに横たわる、巨大な竜姿。

 落ち着いた所で話をしたいとの事だったが、ヨルンは特に何も突っ込まない。


 何はともあれ、この場には他には誰もやってこないという事で、

 ヨルンも体を巻いて、どっしりと構えるのだった。



    *   *   *

12月7日からはさらに、目に見えて更新が落ちそうだなと思うこの頃

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