検証作業と強さは比例しない現実
身体能力。体の動かし方を慣す動作を一通り終え
次なるステップに進む為、自らの姿を確認する事にした
進化の度に毎度熱くなる体と、瞬時に『セーブ&ロード』にて戻る体。
3度も繰り返したが為に感覚がおかしくなっている節もあるのでいつもより慎重に行動をする。
そうしてやって来たのが自分のみぞ知る小さいながらも落ち着ける、綺麗で幻想的なこの泉。
まさに秘境! と呼ぶも名前など無く、ただ故郷の泉とだけ呼んでいる。
やってきた理由は、自分の泉に映し出された姿を確認する為であり、
今の自分には水に関するスキルが多数存在する故にだ。
どれどれ、『エビルパイソン』とやらの外見はと。
………うわぁ、泉を覗き込めばその姿はどす黒い紫色、ゴツイ顔つき。
さらにはなんだろうか、この背中の円形なモノ?
禍々しくも感じられ、神々しくも感じるこの背中に付属する謎の器官。
自分の姿はもはや蛇ではない、魔物だ。まごう事無く魔物である。
少なくとも中ボスクラス。
もしくは名前が付いて固有BGMでも持っていそうなぐらいの姿だ。
ともあれ、今までの自分に比べればとっても強くて目立つ魔物となったので、
正直にかなりテンションが上がっている。
ふぅ…自分が人間だったなら、絶対にお近づきになりたくない御姿である。
今まではただちょっと大きめの蛇であったのに。
今はもう全然可愛くない…けどコレはコレで。
魔物っぽくもあり、実感が沸いた。ああ、魔物だったんだな。
でもある意味、見惚れていた。自らの姿にである。
別にナルシストだかそんな意味ではないのだが。
自分が好きすぎて堪らない!
という意味でとるのならナルシストでは間違いないか。
自分が好きで無ければ、この世界で生きる意味は無いのだし。
自己愛だけが今の所の心の支えであり。
この世界での生きる意味なのだ。
さて、検証だ。何が何でも検証だ。兎にも角にも検証だ。
自分に何が出来るのかの検証だ。守護者よ、数が多いから今から念じるスキルの説明を頼む!
―――特性
『触手』×4本
自由自在に動かせる体の部位
スキルと併用し様々な行動に利用出来る
単純な作りの為、再生も容易
魔物浪漫。その一つに触手が挙げられる。
やらしい意味で取るのならそれは心が汚れている証拠である。
勿論自分は汎用性の高さという点を取り上げている。
蛇の体だった事もあり、手の代わりになる部位が欲しかったという点も大きい。
色々試してみたが、特に触手の先っちょが開きさらに小さい触手が出てきたりだとか。
怪しい液体を噴出するみたいな事は出来ないようだ、ちょっと残念。
ただ、硬くしたり柔らかくしたり等は可能のようだ、これは嬉しい。
いや、別にやらしい意味で使う訳ではない。相手も居ないし、ぼっちだし。
こうなれば脳内守護者のビジョンを妄想し。
―――確認 以後の対話の一切を 切り捨てる 覚悟があるのであれば
ゴメンなさい。申し訳ありません。謝りますから許して下さい。
やっぱり自我あるよね、この子。
―――確認 許しました 続けてどうぞ
はい、続けますので、守護者からも何かあればどうぞ。
ともあれ…以後の生存競争において、触手はとても有用な部位なのは確かだ。
何気に『アサシンヴァイパー』だけじゃなく
『エビルパイソン』も触手持ちだったなんて。
蛇系の魔物は触手が欲しかったらしい。
まあ考えるだけむなしいので次を願います。
・特性
『液化』
自らの体を自由自在に液状化し周囲の景色に溶け込ませる特性
何らかの外的要因が発生する事により
解除。もしくは死亡する可能性がある
こりゃあ便利だ、というのが感想だが。
外的要因というのは、液状化した部分を固めたり蒸発させられたり等の事だろう。
飲み干されたりなんてのもあるかもしれない。
単純な考えだがメリットの方が大きい。有効な使い方を模索しよう。
・特性
『魔法適正』
魔法を扱う適正をアナタは持っています
魔法に関係する全ての行為に上方修正がかかります
『精霊干渉』
精霊との干渉が許可されています
精霊はアナタに好意をもって接してくれる事でしょう
割りとあっさりした説明だが単純明快である。
精霊とやらには会った事はないが、
もしかするとコミュニケーションの相手となってくれるかもしれない。
魔法も適正が出来たようだし、楽しみがまた増えたのじゃ。
そして気になる特性の一つだが。
・特性
『隠蔽』
触手や翼等、体の部位を体内へ隠すスキル
他人に開示出来るスキルを隠す事も可能となる
その他。他の生物。物質を隠蔽する事も出来る
自分自身が隠れるようなニュアンスで捉えていたが。
実は隠せるものはなんでも隠せる系の特性だったか。
しかもスキル自体も隠せるとは…どういう意味だろうか。
他人にスキルを見られる事を隠し通せるという事か?
それならば戦闘において、大きなアドバンテージとなるような。
正直に他の面を見ても優秀なスキルだ。間違いない。
さてさて、急ぐぞ次だ次。
・通常スキル
『植物操作』
植物の構造を理解し操作する事が可能
成長を促進もしくは性質を変換
さらには自らを植物に擬態する事も出来る
ほえー、これはまたけったいな能力を。
植物は特に興味は無かったが、木でも花でも植物な訳だろう。
成長を促進させるという事はだ、農作物を効率よく育てたりも出来ると。
色々と試してみる価値はありそうだ。
特に食料問題に狩りをしなくて良いという選択肢が出来たのかもしれない。
何気に擬態が出来るという点も見逃せない。
よし、次!
・通常スキル
『液体操作』
触れえる液体を意のままに操作する事が可能となる
時間をかければ対象生物の血液を操作し殺傷する事も可能
スキルを併用し液体の質を変化させる事も出来る
その他、自らを『液化』した場合。その操作を補助出来る。
うむ、物騒なメッセージが聞こえたが何も問題は無い。
攻撃面では別のものがあるので必要ないし。
対象物が濡れてた場合とか、水気だけとっぱらったり出来るのだろうか。
予想外の使い方もあるかもしれないし、幅があるかもしれない。
まだまだ行くぞー、次次ー。
・攻撃スキル
『回転乱舞』
高速で回転しても方向感覚を失わず
尚且つ狙う場所へ正確な攻撃を可能とするスキル
『スケイルシュート』
自らの鱗を切り離し、または切り取って、打ち出すスキル
打ち出した鱗は容易に再生可能
打ち出した部位はその間、防御力が低下する
『魔法弾』
現状では頭部もしくは触手からのみ打ち出せる魔法の塊
練度が高まると威力が上がるだけでなく
様々な形へ変化させて放つ事も可能
『毒霧散布』
周囲無差別に毒性の強い霧を散布するスキル
精密度には期待できない
『体液注入』
牙。もしくは触手から体液を注入できるスキル
他のスキルと連動して真価を発揮する
ほっほぅ~、攻撃手段も増えたものだ。
回転乱舞は単純な攻撃以外でも使えそうで。
スケイルシュートは全方位飛び道具といった所だろう。
魔法弾は是非鍛えたい。
毒霧散布は…ノーコメント。今の所使い道が見えない。
体液注入はどことなくエロスを感じる。
触手から体液注入ね。ほうほう。
何気に触手からの液体飛ばしは可能だったと。
―――確認 守護者への応答は禁止します
おい、ちょっと待って下さいな。待って!許して下さい!
守護者に見捨てられるのだけは不味い、途方に暮れる!
―――確認 幾つかの称号の取得が確認されています
へ?エロ蛇とか触手好きーとかやーよ?
―――称号
『蛇の王』
スキル『蛇王の象徴』を得た者に与えられる称号
進化の過程に大きな影響を与える
『フェチズム:触手 - Lv1』
触手の扱いに長けた者に与えられる称号
あぁ…うん。なんとなくそんな気はしていたんだ。
『蛇の王』はともかくとして。
ついに触手のフェチズムまで貰ってしまった。
どこまでレベル上がるんだろコレ。
被食フェチとやらはレベル3で止まってるし。
―――確認
フェチズムのレベルについては上限はありません
守護者権限にて際限無く上昇する事でしょう
………はい。それでお許し頂けるのなら。甘んじて。
では気分を切り替えましょう。
残りのスキルも少ないがとりあえずコレだけ聞きたいんだが。この毒生成とは?
―――確認
体内器官にて安全に毒性の物質を生成出来ます
生成した毒はスキル『液体注入』にて
『触手』『悪魔の牙』等で使用可能
へぇ、際ですか、この毒性の物質についてだけど。
自分には効かないのかな?
ついでに解毒作用のある物質については作れる?
―――確認
耐性スキル『毒無効』『麻痺無効』により
アナタに影響を及ぼす毒は ほぼありません
解毒作用のある物質については現時点では作成不可能です
うーむ、そうか。毒については使いたくないというのが本音ではあるが。
使えるものはなんでも使っておきたい。
別に善とか悪とか考えている訳でもないが、
どうにも使い方が頭に浮かばないのだ。
苦しめぇ!どぉ~だー、動けないだるぉ~?
的な感じで使えば良いのだろうか。
ぬぬぬ。。。いずれ有効的な使い方を模索しよう。
とりあえず欲しい情報は一通り得た。
残りは実践あるのみ。
それでは基本ステータスの確認とまいろうぞ。
――――――――――――――――――――――――
ランクC 種族名『エビルパイソン』
Lv:1 HP512/512 MP256/256
攻撃:481
防御:384
魔法:443
速度:299
特性
『不死の肉体』『ユニーク:蛇王の呪い』
『魔法適正』『精霊干渉』『魔分採集』
『液化』『触手』『硬質化』『熱源感知』『蛇王の象徴』
『ユニーク守護者 - Lv2』
通常スキル
『ユニーク セーブ&ロード』
『触手 - Lv1』『危険感知 - Lv3』『追跡能力 - Lv2』
『暗殺者 - Lv1』『毒生成 - Lv1』『悪魔の牙 - Lv1』
『急所狙い - Lv1』『解析 - Lv2』『鑑定 - Lv2』
『受身 - Lv2』『魔力操作 - Lv1』『魔力増幅 - Lv1』
『植物操作 - Lv1』『水分操作 - Lv1』『隠蔽 - Lv1』
攻撃スキル
『ユニーク 星食い』
『まきつき - Lv3』『かみつき - Lv2』『テールスピア - Lv3』
『スケイルシュート - Lv1』『回転乱舞 - Lv1』『捕食 - Lv3』
『蛇眼 - Lv2』『威圧 - Lv2』『魔法弾 - Lv1』
『毒霧散布 - Lv1』『体液注入 - Lv1』
耐性スキル
『属性耐性 - Lv1』
『毒無効』『麻痺無効』
『魔法耐性 - Lv1』
『精神保護 - Lv1』
『呪術耐性 - Lv1』
『肉体変化 - Lv1』
称号
『フェチズム:被食者 - Lv3』
『決意を得た者』『魔物の探究心』
『森の主』『蛇の王』『悪食』
――――――――――――――――――――――――
ステータスの能力値を思わず2度見した。
比較対象が進化前と、Fランクの魔物達だけという事から。
相当強くなったんだなぁと思いつつ
守護者よ、スキルが多くなって確認の手間がある。
何か良い方法はないか?
―――確認
スキルの分類を区分けし『統合』する事が可能です
普段使わないスキルを『封印』する事が可能です
それならヨロシク頼む。『統合』とやらはどうすれば?
『封印』は今は特に考えてはいないから後回しだ。
―――確認 アナタは許可のみお願いします
あー、つまりは守護者側で勝手に判断してくれる訳ね?
―――確認
新たな特性スキルとして『蛇王の権威』を新規に作成
『魔法適正』『精霊干渉』『魔分採集』『液化』
『触手』『隠蔽』『硬質化』『熱源感知』
以下のスキルが『蛇王の権威』に統合されます
むむっ…確かにスキルレベルがやたら均一だった所為で煩わしかった部分が取り払われたな。
少々詰め込みすぎのようだが、これは助かる。
だが、一つだけ、一つだけ修正を求む。
―――確認
では『触手』のみ別の特性として扱い。その他全てを統合します。
なんだ、分かってるじゃないか、むしろなんで分かった。
だが良いぞ、高評価だ。守護者君、ではお次を頼む。
―――確認
『触手』をユニーク特性へ分類。性能は変わりません。
通常特性との違いは無し。
………違う!そうじゃない!
いや、ちょっと分かりやすくなったかもしれないがそうじゃない!
いやいや、うれしい気もするがやっぱりそうじゃない…
でも特に変わらないみたいだし次の統合も求む。
お願いしますッ。なんでもしますから。次を…次を………
―――確認
新たな通常スキルとして『蛇王の嗜み』を新規に作成
『危険感知』『追跡能力』『暗殺者』『毒生成』
『悪魔の牙』『急所狙い』『解析』『鑑定』
『受身』『魔力操作』『魔力増幅』『植物操作』『液体操作』
称号『フェチズム:触手』
以下のスキルが『蛇王の嗜み』に統合されます
おい、コラ、さくっと何を混ぜてるんですか。
数が多いから一瞬見逃しそうになったけど。触手だけは見逃しません…
やめてください…守護者にまで弄られたら私泣いちゃいますよ?
―――確認 心からの喜びを感じました
ああ…やっぱり絶対コイツ自我が芽生えているだろう。むしろ最初から持っていた感はしていたが。
ともあれ、否定してもまた何かとつけて弄ってくるに違いない。
自分は心の中で、許可を選択した。
―――確認
新たな攻撃スキルとして『蛇王の戦技』を新規に作成
『まきつき』『かみつき』『テールスピア』
『スケイルシューター』『回転乱舞』
『捕食』『蛇眼』『威圧』『魔法弾』『毒霧散布』『体液注入』
以下のスキルが『蛇王の戦技』に統合されます
ふむ、大分すっきりしたな、封印するスキルは選ばなくて良さそうだ。
見直してもこの程度なら、前のと比べればずいぶんとマシになった。
しかし改めて見て思う。
ランクCでこれならランクBやランクAはどうなっているのだろうと。
不安になるも、とりあえず、アレだ。実践経験を積まねば。
まだまだ自分はエビルパイソンとしてはLv1。
各上の相手がまだまだ存在するのだ。
ここは一つ、身の危険を感じるような相手でも恐れず立ち向かう。
魔物的な気質を身に着けねば。
という訳で守護者よ、自動ロードの条件を解除願う
―――確認 自動ロードを解除します
準備は出来た。覚悟も完了。これより狩りのお時間だ。
体調万全、体は重いが時期に慣れる。
気の向くままに、本能に任せ、いざ咆哮!
ルゥゥゥオオオ"ォォォオオオオーーーン!
おぉ、声帯が変わっている。
人語を話すには無理だろうけれど。
楽器のような音を出すには練習さえすれば出来そうではある。
ともあれ、自らの居場所を教えながら森を闊歩する様はまさに『森の主』
ほーれほれ、私はここに居るぞ!
完全に調子に乗っていると自負している。
一度痛い目を見なければ分からないようだから性質が悪い。
浮き足立って足元をすくわれ、命が無くなるような目に遭う前に誰か。
誰かこの自分に鉄槌を!
「うるせーぞ馬鹿やろぉー!」
ドゴォ!!!
―――(HP463/512)
といった感じの怒声と文字通りの鉄槌が自分の体を吹き飛ばす
ほぇ?っと何の危機感も抱かなかった自分を叱咤すると目の前には
自分よりも大きな熊が立ち塞がっていた。
熊と呼んだが緑色の毛むくじゃらの。なんというか、やっぱり緑の熊である。
ただ横にデカイ、とにかくデカイ、自分の体躯の倍はある。
いやぁ、ホントに身の危険を感じるような相手がやってくるとは。
スキル『危険感知』もほど程良く警告を慣らしている。
この程度の警告であれば、存在の消滅の危険性は無いであろう。
気が付けば『危険感知』も意識をすればどの程度の反応を示すのか、
ある程度の指標となるぐらいには使えるようになっていた。
心に余裕の出来てた自分はじっくりと相手を見据える。
お互いにその姿を観察し値踏みし。
見つめあい、少し気まずくなってしまった雰囲気がある。
勿論気のせいだが、なんとも不味い。
正面切って殴りあいたい!
そんな事を考え堂々と構えたりしていたのだが、正直に言えば蛇に手は無い。
なので触手が出来たばかりの今、この時この姿で殴りあうのが初めてである。
そんな今の自分と比べて、相手はその道で突き進み生き残ってきたであろう、
明らかな物理的強者な猛者の風格を漂わせている。
こんな触手4本であの太腕と殴り合えと?
考えるのは無しだ。売られた喧嘩は買わねばならぬ。
此方から殴り返し、流れを掴まねばならん。
一切の魔法を切り捨て、物理的な勝利を収める!
それが今回の戦闘にての縛り要素だ!
――――――――――――――――――――――――
ランクC 種族名『エビルパイソン』
Lv:1 HP512/512 MP256/256
攻撃:481
防御:384
魔法:443
速度:399
ランクC+ 種族名『ワイルドベアー』
Lv88 HP340/340 MP122/122
攻撃:350
防御:355
魔法:282
速度:212
――――――――――――――――――――――――
ほおれ、見ろ。ステータスは此方が全部上だ!
覚悟は決めた!決意を固めいざ勝負!
相手も受ける気は満々のようで構えている!
行くぞ!進化後の初戦闘だ!華麗に白星を挙げて勝鬨だ!
ルゥゥゥォォォオオオーーーン!?
目の前の巨体が一瞬で地を這ったと思えば。次の瞬間腕を振り上げていた。
あっさりと、実にあっさりと、自分の体は宙を舞ったのであった。
* * *
嗚呼…お星様。
なんで私はこうも愚かなのでしょう。
今はゆったりと夜空のお散歩です。
この背中で輝く『蛇王の象徴』は飾りです。
空を飛べるとは全く持って思っていなかったのでうれしいのですが。
『森の主』の称号を持つ身としても、そんな称号はただの飾りです。
『蛇の王』も、そこい等の蛇の王なだけで別段強くもありません。
いわゆる地元最強って奴です。世界はまだまだ広いのです。
まるで昔々に良く漫画やアニメ等で見受けられたアレをその身に受けるとは思わなかったよ。
正直やみくもに突っ込んで殴りかかる程度じゃ負けるとは思ってたんだよね。
ただね、自分よりステータスが全て劣る相手を前に一撃必殺されるたぁ、情けない。
あれは、カウンター気味の右拳から繰り出された、いわゆるアッパーカット系の技。
綺麗に宙を舞ったよ。地面が遠くなる感覚を感じたよ。
そのまま星になる勢いで吹っ飛ばされるハメになった自分は『蛇王の象徴』の効果により
空を飛べるという事に気付き、戦闘など無かったと、そのまま空の散歩へと逃げ帰った訳だ。
いやぁ、空を飛べるって良いねぇ。
新天地を探すにはとても便利だ。世界の見え方が変わったよ。
まあ上手には飛べないから空中でジャンプしてから滑空してるようなもんだけど。
それでも、このまま何処へでも飛んでいけそうだ。
森の終着点は見えない所を観測するに、相当広いぞこの森。
あの緑の熊にはいずれリベンジしよう。何処から飛ばされたかなんて覚えてないし。
やるからには勿論物理的に、絶対に殴り倒す。ついでに関節技を決めてヒィヒィ言わせてやる。
そうなれば今後の方針は、とりあえず強くなれる的なスキルの強化を目指し
その他の方針は何も考えず本能の赴くままに過ごしてみようと思う。
兎にも角にも修行だ!山篭りじゃあ。いかに自分という存在が魔物となれるか。
今のこの姿で試してくれようぞ!
ルウゥゥゥォォォォォオオオオーーーン!!!
―――確認 『危険感知』が周囲の怒りを感知 敵意を向けています。
あ、、、夜分遅くにスイマセンでした。
ってうか何あれ?ドラゴン?
マジですか。雰囲気的にBとかAとか行ってそうなんですがね。
――――――――――――――――――――――――
ランクC 種族名『エビルパイソン』
Lv:1 HP512/512 MP256/256
攻撃:481
防御:384
魔法:443
速度:399
ランクC+ 種族名『ワイバーン・アリア』
Lv42 HP220/220 MP85/85
攻撃:320
防御:335
魔法:180
速度:259
――――――――――――――――――――――――
う、お、ヤバイ。マジデスカ。
いやいや、ここで引くには魔物が廃る。
ランクはC+。見ればワイバーン。多分ドラゴンではないのだろう。
うむ、能力全てで勝っているというのにビビッてはイカん。
自らが強者であるという事を頭に入れておけば、あの程度のドラゴンもどき等に後れを取る筈が無い。
何故かランクでは負けていて、能力値は勝っているという謎はあるのだが。
ともあれ戦闘開始である。衝突までまだ少し時間があので少々様子見。
………さて、問題点は初の空中戦という事にあるが
………そうそう続けて負けるわけにはイカんのだ、蛇生初の飛行中であってしてもだ。
………思えば飛び道具も検証のみで対象物に当てた事すらない。
………しかし、泣き言を言ってられないのだ。当てるしかない。
前回の敗北が脳裏に過ぎるが。
検証結果を試す良い機会だ。
先ずは先手の『魔法弾』を試す時!
距離は離れているが能力に任せたゴリ押しスタイル!
では守護者よ、ナレーションを頼む。
―――『エビルパイソン』の先制攻撃
―――『魔法弾』回避されました
―――『エビルパイソン』の攻撃
―――『魔法弾』がまた回避されました
―――『ワイバーン・アリア』の攻撃
―――『爪』『爪』『爪』『爪』『牙』『牙』
―――全て命中しました
―――『エビルパイソン』の攻撃
―――『魔法弾』当たりません
―――『ワイバーン・アリア』の攻撃
―――『ウインド』『バックスタブ』『火球』
―――綺麗に命中しました
―――『エビルパイン』の攻撃
―――『魔法弾』は自分にヒットしました
………ルゥゥゥォォォオアアアアー!!!
―――(HP117/512)
やってられるかぁ!!!
―――『エビルパイソン』の攻撃
―――『星食い』が発動
―――『ワイバーン・アリア』は抵抗に失敗
―――『ワイバーン・アリア』は捕食された
―――『エビルパイソン』の勝利を確認
我が勝利。揺るぎなし!
勝てばよかろうなのだ…
許せ、自分は勝たねばならないのだ…
―――確認 『危険感知』にて『ワイバーン・アリア』の群れを発見
………マジっすか。1匹で疲れたんですけど。
『危険感知』にて感じるままにその様子を伺えば先ほどの魔物が3体ほどやってくるではないか。
仕方ないので自分は覚悟を決め、心の中と触手を使い合掌を徐にすると。
ユニークスキルの『星食い』を再び発動するのであった。
Lv:13 HP(337/512)MP(340/340)
…ふぅ、満腹になってしまった事だし、今日は泉に戻るとしよう。
空を飛べるとはなんて便利なんだろう。
今宵も良い月だ。
今の自分は弱すぎる。
もっと実践経験が必要なんだなと再認識させられる一日だった。
『星食い』も見ての通り。MPを消費する技といっても成功さえすれば、
回復量が上回っている所為で通用する相手であればこんなもん。
そういえばHPの最大値が上がってないな、この姿でカンストしてるのだろうか。
ううーむ、基準が分からん。
ともあれ明日は『蛇王の呪い』に関する気になる事を調べるとするかな。
自分のステータスが高くても相手の方が格上の場合が多い。
痛めつけられるのを覚悟でガンガン向かっていこう。
能力は高い筈なのだから。使い手が悪いだけなんだ。
明日からがんばる…そう決意を胸に秘め一日は終わるのだった。
* * *
1話1話。何文字以内に収めればいいのか分からないのが現状です。




