本題
カキモノって難しい、けど考えるのは楽しいですなぁ。
「ありえんだろう、普通・・・。」
着信番号が#%&#$%&’()OIH・・・などという訳のわからないことになっているのは有り得ない。
だが実際に有り得ない状況が続いているので、そろそろ少し感覚が麻痺してきた。状況を確認する為に、この電話に出るしかないのであろう、きっと。
恐る恐る通話ボタンを押し、スマートフォンを耳へと近づける。
「も、もしもし?」
「あ、もしもしー、やっとでたでた、遅いよキミー。」
こちらは勇気を出して電話に出たのにも関わらず、返ってきた声は物凄く軽かった。だが、会話をして状況を確認しなければ始まらない。
「えー、ど、どちらさまですか?」
「あ、ゴメンゴメン、名乗ってなかったねー。ボカァ世渡りの神でアストレイドっていうんだー。以後よろしくねん。」
神様。え、なんで神様から?相変わらず状況がわからない。
「その神様がオレに一体何の用事が・・・。」
「そうだね、んじゃ単刀直入にスパっと言ってしまおうかー。キミにはボクに仕事の手伝いをして欲しくてねー。それで今回電話したんだよー。」
「ころころと世界が変わったのは何故?」
「いやー、実際に世界を移動してもらって、移動した先でお願いと説明をしようと思ってたんだよねー、でもキミなかなかこないからさー、あはは。」
「いやぁ、普通あんなに怪しかったら行かないでしょう・・・。それで仕事の手伝いっていうのは何をすれば、というか世渡りの神様って一体何を・・・?」
29年生きてきて、サブカルチャーは貪りまくったが、そんな神様は聞いた事がない。世渡りというくらいだから、他者と円滑に生活出来るようにするための縁結び的な何かの神様だろうか。とにかくあまり予想が出来ない。
「ああ、世渡りって言うのはね、キミの世界でいうところの異世界っていうのを行ったり来たりしてね、創造神にどんな状況になってるか報告するんだー。異物が紛れ込んだりしたり、世界の境界線があやふやになっていた場合には対処するー。まぁなんだろう、プロジェクトマネージャーとか現場監督とか、そういう感じ、って言えば伝わるのかなぁ・・・。」
「はぁ・・・?」
「でもボクは新米なんだよね、世渡りの神の。だから色々バックアップなりフォローなりができるように手伝いが欲しかったのさー。で、キミな訳だ、誇りたまえー。はっはっは。」
「はぁ・・・はぁ?!なんで!?ただのおっさんだよオレ!!何が良くて選んだんすかね!?」
「うーん、なんだろう。適当ー。そんなに周囲の影響がなくて向いてる人を無作為に選んだから。だから適当!」
え、えぇー・・・?