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あーかい部! 〜部室棟 乙女の干物 集まりて 怠惰を極め 綴るは実績 電子の海へ あゝあーかい部〜 39話 知り合いの知り合い

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図(いけず)女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。


あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図(いけず)女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。


あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。






池図女学院部室棟、あーかい部部室。


今日は、よく煮たかんぴょうのようにくったくたになったあさぎが部室に1番乗り




「ふへぇ〜疲れ


「いらっしゃいあさぎさん♪」




……と思ったらみどり先輩に出迎えられた。




「みどり先輩?……今日は1人なんですか?」


「はい。」


「すみません、今日はひいろもきはだも用事があって……。」


「いえ、今日はあさぎさんに会いに来ました♪」


「私に?」


「はい。……ほら、私とあさぎさんって共通の知り合いは沢山いますけど、今までこうして、じっくりと腰を据えてサシでお話をする機会ってなかったじゃないですか。」


「そうでしたっけ……?」


「そういうことにしておいてください。……とりあえずきはださん直伝の昆布茶でもどうぞ♪」


「ありがとうございます……。」




差し出されたあったか〜い昆布茶を一口。




「……なんかこう、机を挟んで飲み物とか出されると取り調べみたいですね。」


「尋問とかお好きですか?」


「好きな人いる……いや、みどり先輩の尋問ならひいろは悦ぶ……のか?」


「さすがあさぎさんですね。ひいろさんのことをよくわかっています♪」


「みどり先輩には負けますよ。」


「はい♪」


「……謙遜とかしないんですね。」


「事実ですので♪」




みどり先輩は上品に微笑んだ。




「……って、そうじゃなくて!」


「はい?」


「今はあさぎさんと親交を深めに来てるんです……ッ!」


「…………、それで一人で。」


「そういうことです♪」


「なるほど。……ならまずは共通の話題でも話します?」


「確かに、仲良くなるには定石ですよね。」


「「共通の話題かあ……。」」




みどり先輩とあさぎは少し黙って考え込むと、




「ひいろとかきはだとか、


「お姉様とか白久(しろひさ)先生とか……、


「思いつきはするし盛り上がるとは思いますが、果たしてそれで仲良くなれるのでしょうか……。」


「知人以外でってなると…………、好きな食べ物……とかですかね?」


「私は基本なんでも美味しくいただきますけど……、


「でしょうね。」


「『でしょうね』って何ですか!?///」


「あ……。すみません言葉のあやです。」


「ま、まあ……私が大喰らいなのはそうなんですけど……そうなんですけどぉ……!///」


「そうだ。」




あさぎは何かを思い出したかのように、ハッとして掌に拳を置いた。




「みどり先輩って雪さんのマブダチなんですよね?」




雪は白ちゃんの母でありみどり先輩のマブダチである。




「そうですが……。どっちの方が大食いとか言うのは無しですよ……!?///」


「そんな怪獣のお祭り映画みたいなことしませんって。」


「あさぎさんの中で私の食べっぷりって怪獣並みなんですか……!?」


「『なんでも美味しくいただく』と聞いたもので。」


「……………………、この話は終わりにしましょう。」


「そうですか……。」


「残念そうにしてもダメです……ッ!///」


「せっかく共通の話題で盛り上がれると思ったんですけど……。」


「共通の話題といえばさっきあさぎさん、『雪さん』が大喰らいって言ってましたけど……、何で知ってるんですか?」


「ああ、牡丹(ぼたん)さんに紹介されたんです。」


「『牡丹(ぼたん)さん』って……下の名前で呼ぶなんて、教頭先生とも随分親しげなんですね。」




あさぎの右襟足が微かに揺れた。




「あれ?ひいろから聞いてませんか?私はひいろの当て馬として牡丹さんに目をかけられているんです♪」


「なんですかそれ……?」


「マッサージとか、ひいろが得意なことをちょっと上回るように修行つけられてるんですよ。」


「なんか、バトル漫画のライバルキャラみたいですね……。」


「恋人にはできない役回りですね。」


「なんですか勝ち誇って……!」


「すみません、みどり先輩からかうのちょっと面白くて。」


「なんなんですか面白いって!せっかく仲良くなろうとしてるのに……!」




みどり先輩はほっぺを膨らまして抗議した。




「でも『からかう』なんて、他人の距離感じゃできないことだと思いませんか?」


「それは……そうですね。あさぎさん!仲良くなれてますよ私たち!」




みどり先輩はあさぎの手を両手で包み込むように握った。






「ひいろさんの当て馬って、マッサージ以外にはどんな指南を?」


「最近はお米炊いてます。」


「お米……?」


「美味しい塩むすびができたら具の作り方を教えてくれるみたいです。」


「ほんとの意味の精進料理ですね……。」


「食べてみます?」




あさぎは塩むすびが入ったタッパーを机に出した。




「いいんですか?あさぎさんのお昼では……。」


「はい。ひいろ風に言うなら……、




あさぎは咳払いした。




「牡丹さんが言っていた……『美味しいおにぎりは菓子にも勝る別腹だ』と。」


「おお……!」


「……ってことでどうぞ///」


「恥ずかしがるくらいならやらなければいいのに。」




あさぎがタッパーを開けると、あさぎの襟足がピョコピョコと揺れた。




「…………。」


「みどり先輩?」


「あ、いやその……。あさぎさんって……、


「はい?」


「いいややっぱり何でもありませんいただきます!」




みどり先輩はあさぎの塩むすびを頬張った。




「……ッ!!??」




一口頬張ると、みどり先輩はカッと目を見開き、その瞳は炊き立ての白米のようにツヤツヤと輝いた。




「え、なんですかそのリアクション……。」


「美味しいですっ!…………教頭先生のご飯の次に……ッ!!」




みどり先輩は夢中でおにぎりをまた頬張った。




「やっぱまだ勝てないかあ。……私も一個食べよ。」




あさぎも塩むすびを頬張り、二人で一つ残らず平らげた。




「ごちそうさまでした♪」

「お粗末さまです。」




「しかしこれよりもさらに圧倒的なご飯を作ってしまう教頭先生は一体どんな修行を……。」


「親友への嫌がらせで始めたらいつの間にか極めてたみたいです。」


「雪さんに……?」


「あ……。ま、まあそんなとこですよ……たぶん。」




あさぎの左襟足が微かに揺れた。




「……。」


「みどり先輩?」


「あ、いや何でもないです!?」


「……もしかしてみどり先輩、私のおにぎりに恐れ(おのの)いちゃいました?」


「いや慄きませんけど……。あさぎさんって指南される前は何か料理を?」


「するように見えます?」


「ですよね♪」


「やり返されてるなあ……。」


「からかうのは仲良しの証、ですもんね♪」


「そう……なのかなあ。まあ別にいいですけど。」


「この塩むすび、お姉様には食べさせたことあるんですか?」




みどり先輩の言う『お姉様』はあさぎのお隣さんのことである。




「食べさせたら毎日作らされそうだからまだです。」


「え?お姉様料理全然できる人でしたけど……。」


「みどり先輩。お隣が私の部屋だったらどうします?」


「毎日お邪魔しても……ッ!?」


「ほらあ……。」


「……なるほど。」


「っていうかみどり先輩的にOKなんですか?ひいろ以外の人の家に入り浸るのは。」


「ひいろさんだって教頭先生の家にしょっちゅうお泊まりしていますので。……わたしを差し置いて。」


「怖あ……。」


「……今のは秘密でお願いします。」


「まあ別にいいですけど。」




「みどりさ


「ひいろさん♪♪」




ひいろが部室のドアを開け現れるや否や、みどり先輩はひいろの元へ駆け寄った。




「……、」




あさぎはぬるくなった昆布茶を飲み干し、大きなため息をついた。




「……あっつ。」








あーかい部!(4)




あさぎ:連続だけど投稿


白ちゃん:やる気いっぱいね!


あさぎ:やる気というか惚気いっぱいでした


ひいろ:誰が惚気いっぱいだ


きはだ:名乗り出てて草ァ!




きはだ:昆布茶美味しかったぁ?


あさぎ:きはだのには負けるよ


ひいろ:なんだと……?


あさぎ:みどり先輩本人がそう言ってるんだし


ひいろ:ならよしっ!


きはだ:めんどくせ


白ちゃん:アツアツね


きはだ:二番煎じは面白くないよぉ〜?


ひいろ:お茶だけに……


白ちゃん:うるさいわね!?


ひいろ:最近お泊まりを断られていたが、あさぎにおにぎりの修行なんてつけてたんだな


あさぎ:私が極めた後でひいろにも伝授するでしょ


きはだ:当て馬というよりモルモットだねぇ


あさぎ:違いない


白ちゃん:あさぎちゃんはひいろちゃんを打ち負かそうとか思ったりしないの?


あさぎ:華々しく散るまでが役所(やくどころ)ですので


白ちゃん:散るの……?


きはだ:刀で斬られてうわーーっ!?みたいなぁ?


あさぎ:そうそう、トゲトゲの鎧着て拳法家に素手で爆散させられる感じ


白ちゃん:あんまり生き急がないでね……?


きはだ:白ちゃんはお料理しようね?


白ちゃん:してるわよ?

白ちゃん:[画像を送信しました]


あさぎ:コンビニ弁当……


白ちゃん:カレーかけてる

白ちゃん:よく見て


ひいろ:からあげ弁当にカレー……


白ちゃん:カレーは料理よ


きはだ:お鍋見せてぇ?


白ちゃん:そんなもの無いッッ!!


ひいろ:レトルトか


白ちゃん:加熱したらもうcookなのよみんなは知らないと思うけど


きはだ:ねえねえあさぎちゃん、あれなぁに?


あさぎ:私たちには救えぬものじゃ……


白ちゃん:うるせえ加熱調理すんぞ


きはだ:クーーックックック!アツアツにしてやるぜえ!


ひいろ:Cookだなあ


あさぎ:うわあ爆散しそう

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