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第17話:嵐の前の静けさ
翌日の午前中、学園は一見いつも通りの穏やかな雰囲気だった。
しかし、三人はどこか落ち着かない気配を感じていた。
「昨日の共鳴、順調だったはずなのに……」
柊が眉をひそめる。
心の奥に、まだ完全に解消されていない不安が潜んでいた。
「そうね……でも、今日は何かが違う気がする」
澪も同じ感覚を抱いていた。
空気が静かすぎる――嵐の前の静けさのように、緊張感だけが漂っている。
新しい仲間も、少し離れた場所で周囲を警戒するように見回していた。
「……気を抜けないな」
三人の心は無言のうちに結びつく。
昨日の成功があるからこそ、油断が命取りになることを知っていた。
放課後の共鳴練習も、少しずつその影を意識して始まる。
静けさの中で、互いの呼吸を合わせ、心の波を慎重にリンクさせる。
光の波が校庭や教室を微かに照らし、互いの表情を映す。
笑顔の裏に隠れた緊張感――三人はそれを見逃さなかった。
「何が来ても……乗り越えられる」
柊が心の中で繰り返す。
澪も頷き、少年も拳を握りしめる。
――嵐はまだ来ない。
けれど、静寂は次なる試練の前触れであることを、三人は本能で理解していた。
共鳴の光が揺れ、影が伸びる。
嵐の前の静けさは、彼らにさらなる成長の準備を促していた。




