第16話:絆を試す夜の共鳴
夜の学園。
街灯に照らされる校庭で、三人は再び集まっていた。
昨日の挫折を経て、共鳴の修正を試みるためだ。
「夜なら、少し集中しやすいかも」
澪が静かに言う。
雨上がりの涼しい風が、沈んだ心をそっと撫でる。
「よし……今度は、もっと深く繋がろう」
柊が全体把握の力を慎重に展開する。
新しい仲間も息を整え、心の波を重ねる。
――共鳴開始。
三人の鼓動が互いに重なる。
しかし、昨日の失敗の影響か、微妙なズレが生じる。
少年の孤独感がまだ完全には解けていなかった。
「落ち着け……焦るな……」
柊が心の中で自分に言い聞かせる。
澪の声が少年の動揺を和らげ、三人の共鳴の波が徐々に整う。
光の波が校庭を淡く照らす。
昨日の挫折があるからこそ、今日は慎重に、そして確実に進めることができる。
「いい感じ……!」
澪が微笑み、三人の心がより強く結びつく。
初めて互いを完全に信頼できる瞬間が訪れた。
しかし、その心地よい波の中で、少年が一瞬、迷いの影を見せる。
「……怖い……でも、逃げたくない」
柊は手を差し伸べ、澪も手を握る。
共鳴は力の発現だけでなく、支え合いの証でもあった。
三人が再び繋がると、光の波が穏やかに膨らみ、夜の校庭を温かく染める。
闇の中でこそ、互いの存在が心を照らす――
それが、夜の共鳴の真価だった。
「これなら……昨日の壁も、きっと越えられる」
柊が微かに笑うと、澪も少年も頷く。
夜の共鳴は、三人の絆をさらに深め、明日の挑戦に向けての力を育てた。




