第15話:共鳴の壁、初めての挫折
校庭に響く足音と呼吸。
三人の心は、まだライバルとの激しい共鳴バトルに揺れていた。
「くっ……やっぱり、ズレが出る!」
柊が歯を食いしばる。
全体把握で補正しようとするも、ライバルの圧倒的な集中力が波を乱す。
「柊くん……!」
澪が慌てて声をかける。
しかし、ライバルの強い意志が三人の心を押し返す。
「ごめん……俺だけじゃ……」
新しい仲間も苦しそうに肩を揺らす。
初めて味わう“共鳴の壁”。
それは、ただの力不足ではなく、互いの心を完全に合わせる難しさだった。
柊は深く息を吸い込み、自分を落ち着かせる。
しかし、心の奥底に潜む不安が、抑えきれずに顔を出す。
「俺……力が足りないのか……」
澪は柊の肩に手を置き、力強く握る。
「そんなことないよ。柊くんがいてくれるから、私たちは繋がれるんだ」
その言葉に柊は少しだけ心を落ち着けるが、ライバルの冷静さは変わらない。
ライバル少年は、圧倒的な集中力で三人の共鳴をさらに追い詰める。
「まだまだだな……」
その言葉に、新しい仲間の瞳が揺れる。
初めて、心が折れかけた瞬間だった。
柊は焦りを押し殺し、澪と少年を見つめる。
「大丈夫……諦めなければ、壁は乗り越えられる!」
言葉だけでなく、全力の心で伝える。
しかし、共鳴の波はまだ不安定で、三人の呼吸がかみ合わない。
――初めての挫折。
三人は力を合わせても、まだ壁を超えることはできなかった。
足元の土が蹴られる音が、まるで敗北を告げるように響く。
それでも、柊は心を閉ざさなかった。
「この壁は……乗り越えられる。絶対に」
澪も、少年も、顔を上げる。
挫折の痛みを知ることで、三人の絆はさらに強くなる予感がした。
共鳴の光が揺れ、夕陽が校庭を赤く染める。
初めての敗北は、確かな成長への序章に過ぎなかった。




