第12話:雨上がりの約束
翌日の朝、校庭には雨の名残がまだ残っていた。
水たまりに映る空は青く澄み、昨日の嵐が嘘のように感じられる。
「昨日はありがとう」
澪の声に、柊は微笑みを返す。
初めて三人での共鳴を成功させた後、彼女はまだ少し照れているようだった。
「こっちこそ、助かったよ。君の声がなかったら、俺も暴走してたかもしれない」
澪は軽く俯き、両手をそっと握った。
「でも、昨日のことで思ったんだ。
誰かと心を重ねるって怖いけど……それ以上に、嬉しいこともあるんだなって」
柊も同意する。
共鳴は、単なる力の発現ではなく、互いの心を知る手段だと実感した瞬間だった。
「だから……これからも、一緒にやろう。
共鳴の練習も、学園生活も」
澪の瞳が、少し輝いた。
「うん。約束だよ、柊くん」
その時、校庭の端から少年が走ってきた。
濡れた髪が太陽の光に反射してキラリと光る。
「俺も……昨日のこと、忘れない。
約束しよう、二人と一緒に成長するって」
三人は笑顔でうなずき合う。
雨の匂いがまだ残る空気の中で、確かな絆を感じた。
柊は空を見上げる。
青空の下、三人の鼓動が重なり合い、希望の光が微かに差し込む。
「これから……どんな困難が来ても、乗り越えられる」
澪も同じ想いでうなずき、少年も拳を軽く握った。
三人の約束は、雨上がりの光に包まれ、静かに、しかし確かに未来への力となった。




