ひとのおもい 2025/07/06 11:41 タマ
以前に、ここに居たひとをおもいつつ
『ひとのおもい』 -人への想い、人からの想い-
或いは、
きみはどう生きるか、それともどう死ぬか
---
あるひのことだった。
あたし、猫又タマは友だちでもあり、腐れ縁でもある相手の、稲荷狐の絢葉に、ふと思いついた、こんなことを尋ねたのだった。
「稲荷ちゃん、あなたのすきなひとが、
『一緒に死んでくれ』って言ったらどうする?」
そんなことを稲荷ちゃん、稲荷狐の絢葉に訊ねたのは、ある梅雨の終わりの近づいた日のことだ。
ちょっとした気の迷い。
昼夜や毎日の気温差が、その日によってころころ変わる、厳しいこの頃の陽気のせいだね(笑) たぶん……
---☆---
「稲荷ちゃん、好きな人居るよね」
「な、何でそんなことを言うの!?」
「わたしわ言ってないでしょっ!」
-バレバレだって(笑)-
「じゃあさ~、稲荷ちゃんが昔に話してくれた話で、好きな人が居たって言ったじゃない。あの裏切られた人。
その人を好きだった頃に、その人がね……」
「猫又ちゃん、それはやめてもらえる。
あの相手のことはもう忘れたから!」
-めんどくさいな~、もう-
「じゃあさ!
仮に稲荷ちゃんが、今の主であるつかさのことを好きだと仮定して……」
「なな、何でわたしがつかさくんのことを好きだってことになってるの!!」
-ほんとめんどくさい(笑)
でも、いつまで続くか試したくなってきたな♪-
「それなら、
仮にあいつが好きな相手だとしてさ、
稲荷ちゃんと相思相愛だとして……
稲荷ちゃんは、あいつが一緒に死んでくれって言ったら、一緒に死ぬ?」
「あたしは好きな相手がもしそう言ってきたのなら、死んであげてもいいかなって思うんだけどさ」
稲荷ちゃんは口を噤み、少し考えたあと、
あたしにこう答えたのだ。
「わたしわね……、わたしなら好きな人と一緒に逝ってあげたいな。
でもやっぱり好きな人を助けたい、その気持ちのほうが強いの」
「だからあの人を説得して、絶対に助けて、
天寿を全うするようにする。彼を、ずっとあの人を助けてゆくのよ♪」
-ああ、やっぱりね-
稲荷ちゃんなら、きっとそう言うとおもった。信じてたよ♪
あの子は前に傷ついたことがあっても、一直線に突き進めるんだよね。あたしと違って……
余計な感情を、抑えるとか考えないようにするとかではなくて、想いや感情が真っ直ぐなんだ。
たいしたもんだね♪
すごいよ。ほんと♪
「なぁーによ! にやにやしてさ」
あたしの様子を勘違いしたのか、
すこし不機嫌に文句を言ってくる稲荷ちゃん。
彼女の真っ直ぐな気持ちに感心してただけなんだけどね(笑)
いつもからかってるから、勘違いしたかな?
「わるいわるい♪
感心してたんだよ、ほんとに」
-さすが男前の稲荷ちゃん♪って(笑)-
「もうっ!」
「ごめんってば♪」
そう言いながら、あたしは稲荷ちゃんをなだめる。
そんないつもの日々。
あたしと彼女のおしゃべりの一幕。
--☆☆--
ぐねぐねと、そして網の目のように不規則に入り組んだあたしの進む道。
稲荷ちゃんのためになら死んでもいいかな。
ふとそう思った日のことだった。
遠くでセミがないている。
-つぶやき-
読んでいただきまして、どうもありがとうございます♪(*^^*)
こちらの元ネタは、
だいぶ前、ここなろうに居た、交流していた方の書いた質問状バトン的なものをいただき、キャラの成長訓練というかスパーリングに使わせていただいたものなのですね(*^^*)←自分的なキャラ構築のイメージトレーニングのようなものです。
猫又はよくそうした遊び相手に使ったりもするので、
今回その時のネタから膨らましたものを核に、稲荷狐とのたわいもない日常会話として書いてみたというわけです(^人^)♪
猫又と稲荷狐とは、自分の世界の中で近づいたり離れたりしながらも、過去から未来までの時間を、長い間ともに過ごすのですね。
長い時間のあいだ、人との別れが多く想うことの多い彼女らの関係は、
そうした意味で得がたい相手として映っているものなのかもしれません(●´ω`●)
猫又の発言についての補足的なことですが、
相手が望むのなら一緒に死んでやる的なことを言っていますが、
実際にそうした場面に作中で猫又が行き遭うことは先ずないでしょう(^_^;)
なぜならば、猫又はそうしたことを言う相手のことを、先ず好きにはなりませんから(笑)
猫又は自らのことで、そうしたことに気がついていながら、そう言うことが話せるのです(^_^;)
猫又はそうした人を食った言い方で、人の機嫌を損ねたりですが、稲荷狐のように、長くつき合いを続ける相手のことはとても好きです(●´ω`●)
良くも悪くも、猫又はそう言う人物ですね。
そう感じています(*^^*)