第四章 仮面と指輪 四
ー 仮面と指輪 四 ー
マリーは泉に素足を浸し、パシャパシャと気持ちよさそうにしている。休憩をしながら、自分が坑道へ入った理由を、隣に座っているバリーへ説明しているところだ。マリーは説明をしながら、それとなくバリーの顔を見て、彼が記憶の中にないかと思い出そうとしていた。バリーは引き締まった顔つきをしており、眉は逆ハの字型、目はやや大きめで意外にもまつ毛が長く、女性的な目をしている。だがその目つきは針の先端のように鋭い。鷲鼻の下にある口は固く閉ざされ、あご周りには少々無精ひげが生えている。
マリーは何度その顔を見ても、やはり見覚えが無く、初対面だとしか思えなかった。一方男は坑道の奥へ注意を向け、キノコ型の生物が来ないかを確認している。そして男が呼びかけ、三人はこれからどうするか話すことにした。坑道に入ってからというもの、予想外の出来事ばかりが起き、思うように先に進むことが出来ていない。
「まずはそうだな。おれは名乗ったほうがいいよな」
「へ?別にいいけど」
「おまえら二人の名前聞いちまったし、おれだけ名前不明はどうかと思ってな。それに二人とも、洗脳系じゃないだろ?」
「……あれ、ちょっとまって。あたし……。うわあぁ!」
「どうかしたか?」
「び、ビンタしていい?ていうかするね、おりゃあ!」
マリーはバリーに問答無用でビンタした。びしゃんと強烈な音が坑道内に響いたが、、バリーは何事もなくすました顔をしている。
「で、出来た……!」
「ビンタがか?」
「人に、攻撃できた!」
「……あぁ、そうだな。それがどうした?」
「洗脳が解けた!クラリスの洗脳が解けたぁあ!」
マリーは「うわあ、解けたぁ!」と何度も繰り返し、その度にバリーの顔をひっぱたいている。バリーは全く動じることなく「そのクラリスという奴に、洗脳されていたのか?」と冷静にマリーに質問した。
「そう!そうなの!洗脳されてたの!ああぁ、どうしよう、とんでもないことされちゃった……」
「何をされた?復讐するなら俺に言え」
「いっぱい、ちゅーされた……」
「……女じゃないのか?クラリスは女の名だろう」
「女だよ。女にすごいちゅーされた……。すっごい激しいのされた……」
マリーは若干顔を赤らめ、もじもじとしている。バリーと男は怪訝な顔で「そうか……」と同時に言った。
「……俺の非常識で、さっきお前の時間を巻き戻した。とっさに三日分ほど戻したが、洗脳をかけられる前まで戻ったんだろう」
「時間を戻す非常識かぁ。便利そうな力だね」
「お前の為の力だ」
「そ、そう……?あ、いっぱい叩いてごめんね」
「おまえ、ビンタされまくったのに、やたら冷静だな」
「マリーになら何をされても構わん」
「お、おう……」
男は坑道の奥へ注意を向けたまま、これからどうするつもりかとマリーに聞いた。鉱石を採りに行くのはあまりに危険で、もうやめた方がいいというのが、男の考えだったが、マリーは鉱石を諦める気は毛頭ないようだった。
「あたしは行くよ。バリーに協力してもらえば、進めそうだし!」
「殺しなら任せろ。あのキノコの化け物は俺がやる」
「おれは抜けさせてもらうぞ。集落まで行って、異変を伝えたい。あの化け物がもしここから出たらやべぇからな」
「分かった!ここまでありがと!」
男は集落へと戻ることにした。この異常事態を伝え、そこの住人達がすぐに逃げられるように、準備を整えておかないといけない。
「おまえら、本当に行くのか?なにがあるか分かんねぇぞ」
「行くよ。あたしは」
「マリーの為になるなら、俺も行く」
「……分かったよ。でもこのルートをまた行くのはやめとけ。道が複雑で迷っちまう。もっと簡単に進めるルートがあるからよ、戻りがてら、そこまで案内するぞ」
三人は菌糸が張り巡らされたルートへやって来た。バリーは菌糸に左手を当て、成長前の状態まで、時間を戻していく。マリーとバリーは坑道の奥へ向かって歩き始めたが、男がそれを止めた。まだ二人に伝えていないことがあったからだ。
「おれはジェイムズな。ジェイって呼んでくれ」
「昨日からお前には世話をかけているな。ぼんやりとだが記憶は残っている」
「気にすんなよ。おまえが正気に戻れてよかった。後でおまえのこと、ちゃんと聞かせてくれよな」
「あぁ、分かった」
「このルートなら少し遠くなるが、最奥まで一本道だ。あと鉱石は真っ黒な石炭みたいな見た目だ。見ればわかるはずだぞ」
「ありがと!行ってきます!」
マリーとバリーはジェイと別れ、坑道の最奥へと進み始めた。バリーは坑道の奥を凝視し、キノコの怪物が現れないか、警戒している。マリーも怪物の威嚇音が聞こえないかと、耳を澄ましていると、バリーの足音が一切聞こえないことに気付いた。音の響きやすいこの坑道の中で、物音を立てずに歩くこの男は、何者なのだろうか。
「ねぇ、ほんとにいいの?」
「なにがだ?」
「あたしやっぱり、キミのこと分からない。それでも協力してくれるの?」
「お前の為なら、俺はなんでもする」
「そ、そう……。そこまで言われるとちょっと引いちゃうけど……。でもありがとう」
マリーがバリーの顔を見上げると、彼もマリーの顔を見返した。マリーはその眼差しに、自分への愛情が込められていることが分かった。マリーは少し照れて顔をそらすと、バリーへさらに質問を続けた。
「キミの知ってるマリーって、ほんとにあたしなの?」
「別人のわけがない」
「他人の空似かもよ?」
「……お前は、日本とドイツのハーフだろう」
「え?」
バリーは淡々とした口調で、マリーの情報を話し始めた。
「父親がドイツへ医学研修に行き、そこで母親と出会った。産まれはドイツだが、十歳ごろ日本に戻ったと聞いた」
「……」
「生まれつき特殊な病の影響で、奇形児だったと聞いた。声を出すことが出来ず、病が他人に伝染することと、自分の姿を見られることを嫌い、自らの意志で家の土蔵にこもっていたこともな。病が治って今の姿を得た後のことは、聞いても教えてくれなかったが」
「……嘘でしょ……」
「土蔵の窓から見える華麗な女性達に憧れ、生まれ変わったら、誰よりも華麗な女になりたいと、ずっと願い続けていたのだったな」
「まって、まってよ!なんで……。なんで知って……」
「お前が教えてくれた。お前から聞いたんだ」
マリーの顔は青ざめ、思わず足を止めた。バリーに言われたことは全て本当のことであり、デザイアに来て以来、自分の過去を誰かに話したことなどなかった。だとすればバリーの言う通り、彼とは地球にいた頃に、なんらかの形で会っていたのだろうが、マリーの記憶の中に、バリーという人物は存在しないのだ。全く知らないはずの人物が、自分の過去を詳細に知っている。マリーの感情は驚きを飛び越え、恐怖を感じていた。
「……あたしの友達、窓から入って来た鳥さんだけだったんだよね。まさかその生まれ変わりとか言わないよね?」
「あぁ、それも聞いた。目玉がたくさんある鳥だったか。一応言っておくが、その鳥から生まれ変わったりはしていない」
「……ほんとに全部知ってるじゃん。……あれ、ちょっとまって」
「どうした?」
「足、怪我してるじゃん!大丈夫!?」
バリーが自分の右足を見てみると、マリーが言った通り、ふくらはぎに大きな切り傷があった。
「さっきキノコの化け物を殺している時だろうな。勢い余って岩肌にぶつけたのだろう」
「ぱ、ぱっくり裂けてるじゃん……。早く治しなよ。痛いでしょ?」
「いや、痛くない。……俺はお前を失ってから、痛みを感じなくなったからな」
「え?」
「どういうわけか、触覚が消えてしまった。怪我をしても違和感を感じるだけで、痛みはない」
「で、でも痛々しいよ。痛みがなくても、治しておいたほうが良くない?」
「そうだな。……ここに、デザイアに来て長いのか?俺はどれほど正気を失っていたか分からん」
マリーは「あぁー」と口から漏らしながら、自分の記憶を辿って話し始めた。
「確か十年とか、二十年とか、三十年とか……」
「……要は気にしていなかったということか」
「そういうこと!」
「……おかしなことを聞くが、俺達は本当に死んだのか?」
「へ、死んだじゃん。覚えてるでしょ?」
「ここはどうにも、地球とあまりに同じに思える。肉体が無いことは確かだが……」
「まあねー。魂だけの世界って、もっと自由になんでも出来そうだけどね」
「……後でゆっくり話したい。今は集中して鉱石とやらを見つけるか」
「だね!よし、集中!」
二人はキノコ型の生物がいつ現れてもいいように、警戒しながら歩を進めたのだが、不思議なことにあの生物は一切現れなかった。それどころか、生えているキノコの数は減っていき、光源が減ったことで坑道は薄暗くなった。そして呆気ないことに、二人は鉱石のある、坑道の最奥まで到着してしまった。鉱石は坑道の突き当りの壁の中に、はっきり目視で確認できる。たとえるならチョコチップクッキーのチョコのように、鉱石は真っ黒で重厚な存在感を放っていた。
「これだ、鉱石!いっぱいあるじゃん!」
「どれほど必要なんだ?」
「……聞いてなかった。持てるだけ持つ!」
マリーは髪の毛を一気に伸ばし、それは一瞬で器用に編み込まれ、即席のバッグになった。バリーは力任せに壁を砕き、掘り出した鉱石をそのバッグの中に次々と放り込んでいく。
「重くないか?」
「だいじょーぶ!五キロくらいかな。これだけあれば足りるでしょ!」
「帰りが安全とは限らん。警戒を解くな」
「了解!帰ろう!」
バリーはあえて鉱石を持とうとはしなかった。自分の役割は戦闘であり、体に”重り”をくくりつけることを避けようという判断だった。帰り道にもキノコ型の生物は現れず、二人はまたしても呆気なく、目的地へと到着した。坑道の入り口まで戻って来たのだ。するとそのタイミングで、ジェイが遠くから駆け寄ってくるのが二人には見えた。ジェイは二人に気付くと、大きく手を振って「大変だ!」と叫んだ。
「おまえら、中の様子はどうなってる!?」
「平和だったよ。あのキノコも襲ってこなかったし、ほら、鉱石も採って来れた!」
「外は大変なことになってんだ!ついて来い!」
マリーとバリーはジェイに言われるまま彼の後を追い、鉱山から少し離れた場所まで移動する。移動の最中に、マリーは森の様子が変わっていることにすぐ気付いた。やけに道が暗く走りづらい。この森には青白く光る巨大なキノコが何本も生えていたはずなのに、それらが消えてしまっていたのだ。マリーは嫌な予感に襲われ、走りながらジェイに何があったのかを聞いた。
「まさかキノコが動き始めたの!?森に生えてたでっかいの!」
「逆だ、動くどころか消えちまった!」
「消えた!?」
「いきなりしぼんでいって、跡形もなく消えちまったんだ!空気がぬけた風船みたいに、一気に縮んでそのまま消滅した!」
ジェイは急停止して、後ろを振り向いた。そして「あれだ、あれがやべぇ!」と言って、鉱山の頂上を指差した。そこには、人型の”なにか”があった。マリーの記憶が正しければ、鉱山の頂上にあったのは、巨大なキノコだったはず。それが姿を消し、女性の形をした、巨大な彫像のようなものが代わりに立っていたのだ。
「いきなりてっぺんに生えてたキノコが形を変え始めて、人間みたいになりやがった。しかもあれ、体全体から胞子をばらまいてやがる。見えるか?煙みたいなのが体から出てるだろ?」
「やばいじゃん!毒ばらまいてんの!?」
「……俺があれを殺しに行くか?」
「無茶だろ!あんなでかいもの!」
「あの人型はおそらく本体じゃない。核が坑道の奥にある。それを殺す」
「キノコに核なんてものは無いぞ。菌糸全部がキノコの本体だ。動物みたいに、心臓だとか脳みたいな器官はねぇよ」
「言い方はなんでもいい。『核』でも『弱点』でも同じことだ」
バリーは人型の何かではなく、坑道を見ていた。マリーはどうしてそう考えるに至ったのかと、バリーに質問した。
「キノコというものは、伸ばした菌糸から、一気に栄養を吸って成長するものだ。昔図鑑で読んだ」
「あ、それはジェイから坑道の中で聞いたよ」
「森に生えていたキノコが消えたのは、あの人型に吸収されたからだと推測できる。中に蓄えられていた栄養を、一気に全部吸い取られ、しぼんで消えた」
「森のキノコはエネルギーを保存するタンクだったってことか?ラクダのコブみてぇに」
バリーの言う通りだとすれば、突然キノコが消えてしまったことの理屈はつく。バリーは続けて、自分の推測の根拠を話した。
「だがそうすると、不可解な点が一つある」
「なんだ?」
「坑道内のキノコは、消えるどころか増えていた。マリーがキノコの化け物に襲われたルートだ」
「そっか、確かに!」
「坑道の奥に行かせたくなかった。その先に守らないといけないものがあった。俺はそう推測した」
「それがおまえの言う、あの人型の『核』ってわけか。なるほど……」
マリーはバリーの腕を掴み、坑道へ戻ろうと促した。彼女は一刻も早く、あの人型を止めるべきだと考えていた。しかしバリーはその手を優しく払った。彼はマリーを坑道へ戻らせる気はなかったのだ。
「毒を無効に出来るのか?俺なら可能だが、お前は出来ないだろう」
「出来るよ。もう抗体を作ったから」
「……抗体?どうやって?」
「あたしの非常識なら出来るの!あの毒が効かないように、もう体を作り変えたから!」
「そんなことが出来るのか?……そうか、それはよかった。もう毒で苦しむことはないのか」
マリーは持っていた鉱石をその場に全て落とし、有無を言わさずにバリーの手を取って走り始めた。そしてジェイに向かって「集落の人達に逃げるように言って!」と大きな声で呼びかけ、ジェイは手を振ってそれに応えた。二人は坑道へ入り、マリーがキノコ型の生物に襲われた地点を目指した。おそらくこのルートの先に、バリーの言った『核』があるはずだ。
そして泉がある地点まで戻って来たところで、二人の前にキノコ型の生物が現れた。ヴゥーンと警告音を発し威嚇してくるが、二人はそんなことを一切気にせずに、それを突っ切り坑道の奥へと向かう。
「俺が道を開く。こいつらは毒をまくだけで、それ以外になにも出来ん」
「無茶しないでよ!あたしだって、戦えるんだから!」
「無理はしない。殴り飛ばすだけで十分だ」
バリーの言う通り、キノコ型の生物は殴られただけで砕けて吹き飛び、その体は脆いものだった。二人は坑道の構造を知らなかったが、このキノコ型の生物が、進むべき道を教える道しるべになった。この生物はあからさまに、あるルートからのみ、大量に湧いて出てくるのだ。それは「このルートの先に進まないでくれ」と二人に教えているようなものだった。坑道が分かれ道になったとしても、この生物が現れるルートを進めば、最奥までいけるはずだ。
そしてついに、二人はキノコ型の生物を振り切り、坑道の最奥まで到着した。そこにあったのは、巨大な心臓のようなものだった。赤黒く、クジラよりも大きく、ドクンドクンと鼓動している。バリーの推測通り、これがあの人型の核とみて間違いなさそうだ。
「こんな大きいもの、どうやって壊すの!?」
「成長前まで時間を戻すか……。いや、少しづつでも殴って砕いた方が早いか」
「後ろからキノコの化け物も迫って来るし!あたしが化け物をやるから、核をなんとか出来そう?」
「任せろ」
「……あれ、まって。化け物達の様子がおかしいよ」
マリーの目の前で、キノコ型の生物達は動きを止め、次々と倒れ始めた。そして体がボロボロと崩れ落ち、砂のようになって、そのまま姿を消してしまった。マリーとバリーは、ほぼ同時にその意味を理解した。あの化け物達は、この核を守るためのもの。それが姿を消したということは、もう核を守る必要もなくなったということ。つまり……。
同時刻、ジェイは集落へ行き、住民全員の避難を完了させていた。人型のばらまく毒が集落を蝕む前に、全員が森の外へ脱出したが、ジェイはマリーとバリーの帰りを待つため、一人で集落に残っていた。そして彼は、これから起こる出来事を詳細に目撃した、ただ一人の人物となる。鉱山の頂に構える人型は、ゆっくりと妊婦の様に腹部が膨らみ、それはやがて破裂寸前の風船のようになった。そして彼は、恐ろしい悲鳴を聞いた。それは人型が発した、断末魔のような叫び。鼓膜が破裂しそうな、甲高く不快な音を放ちながら、人型の腹は破裂し、その中から、なにかが飛び出した。
人型は”出産”を終えると、キノコ型の生物と同じように、体が崩れ落ち、砂となって消えた。ジェイはそれをただ見つめていた。一体何が起きたのか。これからなにが起きようとしているのか、彼にはまるで理解できなかった。一つだけ分かることは”二体いる”ということ。人型の腹から飛び出たなにかは、二体いる。月を背景に、二体の翅の生えたなにかが、じゃれあうようにして飛んでいた。
ジェイは選択を迫られていた。選択肢は二つ。「森の外へ逃げる」か、「坑道へ行きマリーとバリーに今起きたことを伝える」か。だが彼には悩む時間など与えられなかった。なにかの内の一体が、ジェイの存在に気付いた。そしてそれは高速でジェイの元へ飛翔してくる。そのあまりの速さに、ジェイには「逃げよう」と考える時間すらなかった。ほんの一瞬の内に、なにかはジェイの目の前まで接近し、彼の顔をじろじろと物色するように見ていたのだ。
なにかの姿は、人間に見えた。なにかは人間そっくりの生き物だった。その見た目は十才前後の少年で、一見すると女の子のようにも見える顔つきをしている。黄色人種のような肌の色、服など着ていなくて全裸であるが、哺乳類のような性器や乳首は無い。黒髪を短髪にしていて、背中から蝶のような翅が生えている。なにかはしばらくジェイの顔を眺めた後、にこりと微笑みながら、言葉を発した。
「あそぼう?」
「……なに……?」
「いっしょに、あそぼう?」
ジェイは何も答えなかった。このなにかは無害なのか、危険なのか、判断のつけようがない。なにかは再び微笑むと、ひらりとジェイを見下ろすように宙に飛び、遊びの催促を続けた。
「ねえ、あそぼう?」
「……」
「あそばせてよ、ねえねえ?」
「……なにで、遊びたいんだ?」
ジェイはなにかへ言葉を投げかけた。なにかはこちらへ危害を加えず、言葉でコミュニケーションを取ることが出来ている。それを無視し続けるより、対話を選択すべきだとジェイは判断した。
「あそびたいの」
「……あぁ、いいぜ。なんの遊びがしたいんだ?」
「おまえであそぶ」
次回へ続く……