3、支度する準備の用意の始め
1週間に1回とか言いながら1週間過ぎてました。すいません
読んでいただきありがどうございます
ステータスが8歳というショックが抜けない勇者です。
…落ち込んでばっかじゃいられない。
「セレシアさんこれからどうするんです?」
本当にどうするんだろ。このまま魔王の軍と戦っても無駄に命を散らすことになる事だけは確実だ。
「そうですね~。まずはレベル上げですね!レベルがないと何も始まりません。
早速この建物の武器屋で使用する武器を選んでしまいましょう!」
セレシアさんが提案をくれる。
「おおっ、初武器だ!…あれ、あれあれ?武器って無料で配っていたりします…?」
初心者応援キャンペーン、みたいな感じで。
「大丈夫です!私がいますから。」
「あ、ありがとうございます!でもなんかすっごく申しわけない気分…」
さっきヒモをってことを否定したけど、ヒモっていうのはあながち間違いではないのでは?
「気にしないでください。召喚してしまったのはこちら事情なんです。装備や生活の費用を私たちが持つのは当たり前のことですよ。」
まぶしいっ。優しさがっ!優しさがあふれ出してキラキラエフェクトが見える。ほあ~~
…なんて感動も束の間、意識は武器は何にしようかという思考に。そう、武~器っ武~器っ!テンションが爆上がりぃ。武器屋さんは建物の2階だ。ひゃっほーい!
チリンチリンというベルの音と共に武器屋さんの扉を開ける。
「らっしゃい。求める武器はなんだ。ってぇ、おぉ巫女様じゃねーか。どうしたんだこんな所に来て?武器屋に用なんてないと思っていたがなぁ。」
「ええとですね、今日はこの方に武器をお願いしたいと思いまして。」
セレシアさんが手をこっちにシュビッっと向ける。武器屋さんもこっちに気づいて
「おおっ!そうか、そうか。よい!それじゃあ坊主、どんな武器がいいか言ってみろ。」
声のする下の方に視線が行く
「あれ、子供?ていうか今俺子供にさらに年下の子供って扱われた気がする。」
なんてことを言ってしまった。
「ちょ、翔祐さ…」
「アア?今、子供って言ったか?テメェ何言ってやがる!!俺ァ80年以上、鉄を打ち続けてんだぞ。見らぁ分かんだろうがクソ坊主ぅぅぅ!!喧嘩売ってんのか、おういい度胸してんなぁワレェェェッ!」
ガチギレされ、とてもドスの利いた声で怒鳴られた。
「ひいっ、み、見ればって、ええぇ!?」
こ、怖っ!見た目小柄で爽やかそうなのに。ショタっ子になのに!
「翔祐さん翔祐さん。この方は寿命が長い特殊な種族の方なんですよ。というかそれで納得してください。命が惜しかったら。ほら、耳と角に特徴があるでしょう。同じ種族の皆さんも同じ様なものですからしっかりと覚えておいてくださいね」
「な、なるほど」
いきなり異世界文化の地雷を踏み抜いてしまったようだ。行く先の不安が絶えない。
「と、いうことで翔祐さん早く武器を決めてください。怒らせた状態であんまり時間かけるとどうなってしまう事か」
ど、どうなってしまうんだ!?たくさん聞きたいことはあったが言葉を飲み込んだ。
とりあえず納得、というよりかは思考の保留。新しく学んだことだけは頭に叩き込んだ。
何故かって?もちろん怖いからだ。
思考を切り替え武器を吟味する。。
「うーん、ナイフに弓、槍もいいし斧もありだなー」
変形するロマン武器もありかもしれない。あるかは分からないが。
「おうクソ坊主、武器を持つのが初めてか?それなら剣の類がおすすめだぞ」
とても不機嫌そうだが親切に教えてくれた。あれ、意外と優しい?
「そうなのセレシアさん?」
「まあそうですね。ほうきを持つ感覚で振り回せますし一番慣れやすいかと。極めようとすると奥が深すぎて無理だとは思いますが」
「おいクソ坊主なぜ聞き直した。チッ、まあいい1万オカネェイだ」
「はいはーい、私から1万オカネェイちょうどです」
「ん?クソ坊主が払うんじゃねぇのか」
「えっ、ええっと」
怪訝な視線をもらってしまった。まずい、情けない俺の今がバレちゃう。
「この方はなんやかんや記憶がないらしくて、うちの教会で保護してあげてるんですよ~。
なのでこれは支援です。お金がある程度たまったら返してもらうことになてるんです」
えっ?ちょまっ、何その設定。聞いてない!
「そうなのか?」
ぎゃあああ、俺に確認しないでぇ。頭がこんがらがるぅ。
こんな時のための、必殺!!
「ハイ、ソノトオリデス。」
思考停止のカタコト返しぃ~~。ふっ、効果は話が円滑に進むようになることだ。
「そうか、大変だな。なに、強く生きろよ。」
きまった~ぁ。でもなんだか元気づけられて武器を渡されたぁ。心にダメェージ!!
結局刃渡り50センチくらいの両刃剣を買ってもらいました。
これは早く稼がなくては。目指せ自立!!
「ありがとうございますセレシアさん」
「いえいえ、気にしないでいいですよー」
「でも買って貰っておいて言うのもあれなんですけど、いきなり記憶が無いっていう新設定出さないでくださいよ。びっくりするじゃないですか」
焦って違いますなんて言うかと思った。
「びっくりされました?されました?それなら良かったです。そのためにしましたから!!」
ニッコリ満開の笑顔で言われても困る。
「な、なんでそんなことするんですか?」
「いえ、そのー、悪戯心がわいてきちゃいまして。えへっ!それにこれなら武器屋さんにヒモだとは思われないじゃないですか。」
セレシアさんが拳でコツンッと軽く頭を叩き、ペロッと舌を出したとても可愛い表情を作り全力でごまかしに来ている。
「うぐっ、確かにそうだけども・・」
むう、納得いかん
「そんなことより街の外行きましょう外!レベル上げですよ!」
「え、外?」
「はい!装備も手に入れたことですし翔祐さんの実力も見ます。ついでですが何か食べてから行きまし ょうか!私、お腹空きました。お腹空っぽじゃ体動きませんよ。行きますよ、さあ!」
話をそらされると同時に、とても良い提案がされる。
「ご飯!じゃあこの街の名物でお願いしますっ!」
「う~ん、名物ですか。名物と言ったら甘いものしかないですね~。なので!シンプルにお肉食べまし
ょう!お肉ですよお肉っ!」
(今日はこの街に良い印象を持ってもらうための案内をしなくてはいけないという緊張から朝ごはん食
べられなかったですし、ちょうどいいですね)
(あれ?そういえば今日まだそんなに動いてないけど、セレシアさんそんなにご飯食べたかったのかな。まあ俺は昨日の夜を最後に何も食べてないので腹ペコなのでもちろん提案に乗りますが)
「肉っ!!いいっ!!早く行きましょうセレシアさん!」
俺の中でセレシアさんに腹ペコ少女の称号が贈られていた。
到着した場所はギルド併設のごはん屋さん。うん、近い。
カウンターでお肉定食を頼んで受け取る。混雑していたけど席が二人分空いていた。
「「いただきます」」
いざ実食!!
「ふわぁぁぁっ!おいしい、めっちゃおいしいぃ。なにこれすごい。」
肉って焼いただけでここまでおいしくなるものだっけ!?脂が舌の上でとろけて身の部分は少し嚙むだけでホロホロくずれていく。お米と脂の甘味とニンニクの効いたタレのしょっぱさも絡み合って口の中全てがとろけて胃の中へ飛び込んでいく。くうぅぅぅぅ~。最っ高だっ!たぶん日本とは違う動物の肉だこれ。こんなうまい肉食ったことないもん!焼き方も違うんだろうなぁ。とにかくうまい、うっひょー。俺の幸せ全開オーラを察してかセレシアさんが
「そうでしょう、そうでしょう。おいしいでしょう。まだまだ食べ物の種類がありますから。明日以降も楽しみにしていてくださいね、翔祐さん!」
追撃してきた。やばいこの世界侮れないかもしれない。俺、この世界の子になってしまうかもしれん。
…おや、世界救っても元の世界に戻れるとは言われていない。あれあれ、おかしいぞ?
…ま、いっか!何とかなるであろうと未来の自分へ責任転嫁をすることにした。
そしてゆっくりと食事を堪能して今は街の門まで来ている。
いざ出発ってところで
「さあっ、ここからは先は荒ぶる魔物ひしめく大草原!一歩間違えれば散る命っ!!
翔祐さんっ、覚悟はいいですか!?」
突然そんなことをセレシアさんが言ってきた。
「ええっ!?そんな覚悟必要なの!?俺戦ったことすらない成りたてほやほやの勇者なんですけど!ていうか聞いてない!何その極限バトルフィールド」
見渡す限りただの草原なのにそんなに危険なのか!緊張と恐怖で体が震える。震えが止まらない。足が痙攣してゆっくりしか進めない!
「言ってないですからね~、翔祐さーん早くしないと置いていっちゃいますよ~!」
そう言ってセレシアさんはどんどん進んで行ってしまう。
「まっ、待って置いてかないで~~!!」
ゆっくりへっぴり腰で追いかけ10分くらい経っただろうか。その時唐突にセレシアさんが
「ほら翔祐さんしっかり周り見て、注意して歩いて下さい!足元に魔物!危ないですよっ!」
と警告を発した。
「ぴいぃっ!」
足元に見える陰。驚きと恐怖で体と心臓が飛び上がり、どすん!と尻もちをつく。そして過呼吸のおまけ付き。
「ふふっ、あははははっ!翔祐さん翔祐さん驚きすぎです。そこまで驚くとは思いませんでしたよ!少しやりすぎちゃいました。えへっ、ごめんなさい」
「カヒュッ、ハッ、ハッ…えっ?」
ニコッと笑うセレシアさん。えっ?えええっ?
「足元をよ~く見てください。そこの魔物が危険に見えますか?まあ見た目で判断してはいけないのですが。今回は特別です。基本的にこの辺には弱い魔物しかいませんよ。相手の強さを見極める力をつけていただかないと。それにさっき言ったような魔境だと商人も街に来られなくなって町として成り立たなくなっちゃいますよ」
言われてみればそうである。なぜ考えつかなかったのか、情けない。
未だにバクバクしている心臓を抑えながら足元を見ると、うん、なんかぷるぷるしている物体がぽよぽよ跳ねていた。
「…何コレ?」
「それはぷるぽよんって言う最下級の魔物です」
「ぷるぽよん?なんか見たまんまの名前だけど。」
「ぷるぷるしていて、ぽよんっと跳びますからね。珍しいんですよ、見た目通りに名付けられている魔物って」
「はぇ~そうなんだぁ。というか俺はこれにあんな怯えてたの…」
手に取ってぷにぷに、ぐにょ~んと伸ばしたりして遊んでみる。
「浮かれないように私がしっかり釘を刺しましたからね。効果があってなによりです」
「ものすっごくよく効きましたよ。ええ、心臓が止まるかと。一応感謝はしますけども」
日本とは違ってそこら中に危険があるという意識は持てるようになった。
「え、ええまあ…そうですね。存分に感謝してください」
「ちょっと待ってください。なんですかその若干の間は」
ふいっと顔をそらされた。
「気にしないでください。そんな事より狩りです、狩り。自分で狩ったものを調理してもらうことも出来ますからね。いいですよーぷるぽよんは。この街の名物の甘いくておいしい食べ物ですから。さあさあっ続けましょう!」
「これ食べられるんですか!?しかも甘味!何それ美味しそう。食べたい」
甘味という言葉で、思考がスパッと切り替わる。糖分大事。幸せな気分でいられるから。
「はい、なので頑張ってくださいね。」
「よしっ、やったらぁ。で、このぷるぽよんって倒し方とかあるんです?食材の〆方みたいな」
「そのまま剣でぷす~っとですよ!」
「え、いいんですかこのまま刺しちゃって?水分多そうだから地面とかで倒したら土で汚れません?」
土もまた味の一部とかっていうのはなんかヤダ。だって甘味だよ?
「大丈夫です!理由は解明されていませんが、ぷるぽよんは倒されると縮んで固くなるんです。
ついでに食べるときは水につければぷるぷるに戻ります。さあ、一思いにやっちゃってください!」
「分かりました。む、むんっ、やるぞー!えいっ」
ぷるぽよんを地面に置き剣を引き抜く。
剣は予想通り重く、運動経験不足の俺はふらっふらの足取りとへろへろの剣筋だが、ぷるぽよんはすっと羊羹に爪楊枝を刺すような感覚であっさりと倒せてしまった。()()
「やりましたねっ!どうでした?」
「え?ああ。えーっと、なんかあっさり。命を奪ったという実感もわかないような。攻撃もしてこないし」
「ふふっ、さすがに初めての街の外でいきなり攻撃を食らうような戦闘なんて危険な事させられませんからね。最初はこのくらいで慣れてもらいます。植物採取と一緒のようなものです。さ、どんどん行きましょう!」
「はいっ。あ、あそこに発見!」
2匹目を倒し、3匹目を探しに行く。
「あ、そうだ!セレシアさん、俺の数少ないスキル、女神の眷属召喚って魔法試してみてもいいですか?」
そう、俺まだ1回も魔法使ってなかった。
「ああ、貴重な2つのスキルの内の1つですね!ええ、いいですね!ぜひ試してみてください」
許可はもらった。いや許可必要だったか知らんけど。ってことでいざ
「らんららぱっぱーくるくるりィィィィィィィ!!
さァさァ顕現しにきてくださいな『眷属召喚』!」
なにこの魔法詠唱。魔法使いたいなーと思ったら、急に頭に浮かんできたから流れでそのまま言ったけど、これはおかしいでしょ。この世界の魔法の使い方はわかんないけれどこんなんじゃないと思う。というかそうと信じたい。だがしかし魔法発動のトリガーは引けたらしい。
魔法陣が現れピカーッと輝き始めて――――――!
毎日投稿してる人は凄すぎる。神か?尊敬の念にたえない