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  作者: ぐっつぁん。
2/3

木曜日、偽りの恋スタート

翔は自宅に着いたて、一息付いていた。ふと今日のことを思い返していた。


(俺に彼女か、、、嘘でも信じられないな。こんな日が来るなんて)


ニヤニヤが止まらない。ブサイクな顔が更にブサイクになっているんだろうなと思うとニヤけるのをやめた。


(恋人ってどんなことするのかな?全くノープランなんだけど(汗)てかあの子、誰かと付き合ったことあるのかな??2人とも初めてならなんかうまく演技できないんじゃ、、、)


そんな事を考えているとだんだんニヤけていた顔が青ざめてきた。彩ちゃんに付き合ってるのが嘘だとバレて、学校中の笑い者になるんじゃないか?自分だけならまだしも彼女にそんな想いさせたくないなって思えてきた。


そんなことを考えていると、いつの間にか水曜日が木曜日に変わり、夜な夜なあーだこーだ考えて、結局朝を迎えた。


いつもの朝の日常をこなしつつ出る前に自分の顔をまた見てみた。


(こんな顔のヤツ本当に彼氏として偽ってくれるのかな?)


目尻にくっきりクマができ、昨日より余計にブサイクな顔の自分がいた。


気持ちがどんよりして、玄関を開けた時だ。


「おはようございます!先輩♪♪」


「え?」


なんとそこには睦月ちゃんがいるじゃないか。幻か?変な幻想か?夢か?2度寝しよ。

と、家に戻ろうとすると、


「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!先輩!!!なんで家に戻っちゃうんですか?不登校気味ですか?!」


と、あわあわしてる睦月ちゃんがいた。


「え?なんで、いるの?」


「え?カップルと言えば、登下校一緒に行くものでしょ??」


ダメだったかな?って不安そうな彼女を見てるとなんだか愛おしさを感じている自分がいた。


「いやいや!そんなんじゃなくて、えっとー、、、これって幻かなんかかなって(汗)昨日あまり寝れてなかったから2度寝したがいいかなって」


「あはは。先輩おもしろいw私はちゃんとここに居ますよー。ね!一緒に行きましょ!」


と、彼女は僕の手を掴んで無理やり引っ張って行った。


(あー、何度触れてもこの感触になれない。やわらけー。。。)


ドキドキが止まらなかった。触れたことのある異性の手なんて母ちゃんぐらいしか思い当たるふしがないから、異性の触感がこんなにも鼓動を速めるものなんだなと初めて実感した。が、しかしそれと同時にその触感に耐えれなくなる自分を感じて、咄嗟とっさに手を振り解いてしまった。


「あれ?先輩、、、嫌でした?」


「いや!、、、あ!違う違う!!!嫌じゃないんだけど、なんていうかほら付き合ってるフリだから手を繋がなくても一緒に登校するだけで十分かなって」


もう何言ってるかわからないなって自分でも発狂しそうになった。いっそのことブラジルの人ー!ここにいますよー!と地面に叫びたくなった。


「先輩変なのwま、いっか!それならお供します!先輩♪♪」


睦月ちゃんは相変わらずニコニコしてて、これが本当に笑顔なのか、茶化してるだけなのかメダパニをかけられている状態におちいっている僕がいた。


「先輩って本当にウブですよねw今まで付き合ったりしたことないんですか?」


「ある訳ないでしょ!こんな見た目だよ?付き合えるなんて思ったこともないよ(汗)」


「ふーん。そうか!それじゃ、今まで先輩を見てきた人達はみんな先輩の良さに気づかない愚か者だったんですね♪♪」


「え?」


「ん?」


「俺の何がいいの?」


「それはー。。。内緒です(〃ω〃)」


(何言っちゃってくれてるんだこの子は?!僕のどこがいいって言うんだよ(汗)この子はきっとかなりの変人さんなんだな)


と、心の中で思い、なんだかふっ切れた!付き合ってくれるんなら付き合ってもらおうじゃないか!ふふふ!


もうヤケクソで勢いよく彼女の手を握った。


「え?」


「あ、ごめん!つい」


「んーん」


睦月ちゃんがびっくりしたと同時に顔が赤くなったように見えた。それを見て僕の顔が沸騰しそうになった。やれんことをやるもんじゃないな。後悔の念が込み上げてきた。そのため、またサッと手を離してしまった。


その意図を知られたせいか今度は睦月ちゃんがニヤニヤしながら反撃してきた。


「あれー?先輩??なんで手を握ったり離したりするんですか??鬼ごっこかなんかですか??二人鬼ごっこ?それも悪くないかもですね!」


そういうと彼女は急に走り出した。


「捕まえてみてくださいよ!先輩♪♪」


「ちょちょっと待ってー!」


朝からこんなことやったの初めてだ。いつも一人何も考えずに歩いてた通学路。こんなにも明るく感じるのは日の出が早くなったせいかな。


二人してゼーゼー言いながら学校に着いた。そう。ガチめに鬼ごっこやっちゃったw


「あ!そうそう!先輩!!コレ見て!!じゃーん♪♪」


「え?弁当箱??」


「そうだよー!先輩のために作ってあげたのだ。感謝したまえwえっへん♪♪あ!中身はお昼休みまで内緒なので、お昼休み屋上で一緒に食べましょう!」


「あ、ありがとう。」

(嘘だろ。恋人のふりにしてはやり過ぎだよ。きっとあれだろ?米が入ってるはずの場所にたくわく1本分入ってて、たくわんが入ってるはずの部分にこじんまりと米が入ってるパターンでしょ?ある意味楽しみじゃねーか?!)


でも、嬉しかった。うちの学校は給食が無く。いつも売店でパンとかおにぎり買って食べてたから。母ちゃんの弁当食べれなくなってもう一年もなるんだよな。久しぶりに見た弁当箱にうるっとしてしまった。


だめだ。授業がさっぱり入ってこない。終始ニヤニヤしている翔を周りは見ながらこそこそ話していた。


「今朝のあれ見た?あいつほんとに彼女いるみたいだぜ?」

「えー、なんであんなのに彼女いるのよ。」

「どうせ相手も相当なブサイクなんでしょ?」

「いや、それがさなんか、可愛かったみたいだよ。」

「うそ!信じらんない。」


そのヒソヒソ話に人一倍耳を傾けていたのは彩ちゃんだった。


(嘘でしょ。なんであんな奴に彼女いんのよ。しかも可愛いとか信じらんないだけど。散々けなした私が悪いみたいじゃんか。絶対なんかある。必ずそれが嘘だって証明してやる)


やっと午前中の授業が終わり、片付けをして睦月ちゃんの教室に行こうかとしていると


「先輩!迎えに来ちゃった!屋上行きましょう♪♪」


みんなが一斉に睦月ちゃんの方を見た。


「おいおい、嘘だろ。」

「まじかよ。屋上行くってよ。」

「あそこカップルだらけじゃん」

「神様!嘘だと言ってくれ!!」


ヒソヒソ話がヒートアップしていて、それにイラついている彩ちゃんのことなんて気付かず


「睦月ちゃん!え?僕が行こうと思ったのに!ありがとう( ͡ ͜ ͡ )行こ行こ♪♪」


僕は今にもスキップしそうな勢いで睦月ちゃんを迎え入れ、そのまま屋上の方へ行った。


「ねーねー。昨日あんだけ酷いこと言った彩ちゃん、翔に謝るのかな?」

「そんな訳ないでしょ。でも、嘘だとか言ってひでーよな」


視線が自分の方に来ているのがわかり、居てもたってもいれなくなり彩ちゃんは教室を飛び出した。



屋上。そう!それは神聖な場所。ぼっちが来てしまったら孤独死してしまう場所

そんな場所に俺は今、彼女といる(仮です)。

自分でもこんなこと中学、いや一生ない経験だろうなって感じていた。

そこにすかさず睦月ちゃんが


「じゃーん!先輩見て見て!頑張って作ったんだから!!いっぱい食べてね」


弁当の中身は ブロッコリーにトマト、卵焼きに唐揚げ、タコさんウインナーまである。キャラ弁が今取り出されてる時代。そんなもの作れなくても、こんなにも沢山のおかずが敷き詰めらていて、唐揚げが少し焦げているところがまだ上手には作れないのに頑張ったんだなって思えて、とても愛おしさを感じた。


「睦月ちゃん!すごいよ!本当に美味しそう!ほんとにこれ食べていいの??」


「もちろんですよ!誰のために作ったと思ってるんですか??笑」


「ありがとう!食べてみるね♪♪」


最初に好きな卵焼きから食べてみた。


?!?!


急に頬に伝う涙を感じた。


(母ちゃんの味がする。)


「わわ、先輩(汗)どうしたんですか??大丈夫ですか?泣くほどまずかったんですか?(´;ω;`)」


「ごめん!違うんだ。母ちゃんの作ってくれてた卵焼きの味にそっくりで、懐かしくて」


涙が止まらない。久しぶりに感じる母ちゃんの味が嬉しくて自分でもどうしていいか分からなかった。


「ママに作り方教えてもらったからかなぁ?でも、泣かないでー(汗)」


涙は時としてとめどなく流れる。自分でもどうしようもなく。1年ぶりに再開したその味に温かさを感じ、どうしようもなくなっていた。


「うわーん」


「ちょっと!!先輩^^;」


動揺している睦月と泣きじゃくってる僕を見ていた他のカップル達は


「ねーねー。あれ、いきなり来て振られたのかな?」

「わざわざここで振らなくてもよくね?笑」

「あの男子泣きすぎーダサすぎーw」


一通り泣き終わって、落ち着いたので、ようやく他の物も食べてみた。


「うん!美味しい!睦月ちゃんほんとに美味しいよ✩.*˚」


「わー!嬉しい!ほんと頑張って作ったんだよー♪♪」


ここのとこ味気ないおにぎりとパンに飽き飽きしていたから、本当に美味しすぎて、お腹も心も満たされていくのがわかった。本当に嬉しそうにしている睦月ちゃんを見ていると


(好きだな。)


思ってはいけない感情が出てきてしまった。これは偽りのカップルなのだ。本当に睦月ちゃんと付き合える訳が無い。こんないい子、天地がひっくり返ったって無理だ。そっとその気持ちを抑え込むように立ち上がり、


「睦月ちゃん!ごちそうさま!ありがとう。めちゃくちゃ美味しかった。嬉しかったよ。」


「へへ、どういたしまして(〃ω〃)」


「これで午後も頑張れる!後で部室で会おうね!」


「もちろんです!あ、先輩!昨日思ったんです。夜、先輩と何も無いのなんか寂しいなって、だからLINE交換してくれませんか?」


「え?いいの?」


「もちろんです♪♪」


2つの携帯が重なり合う。QRコードを読み取るのに四苦八苦してるのがおかしくて、2人して笑った。


「それじゃ、先輩!また後でね」


「うん!」


遠ざかろうとしていた睦月が、こちらを振り向いて


「明日もお弁当作ってきていいですか?」


「いいの?凄く嬉しいよ!!」


「やった!また頑張りますからね!覚悟してくださいね♪♪」


そう言って屋上を後にした。


中三になったのだからもっと勉強頑張らないとなのだけど、だめだ。全く頭に入ってこない。入ってくるのは睦月ちゃんの仕草しぐさ、無邪気な笑顔、可愛らしい声、卵焼きの味。満たされるというのはこういう時に使うんだなって思った。


「おーい、翔!にやけてんな!この問題解け!」


急に先生から当てられとっさに


「無理です」ばぁん!


とやってしまい。教室中が沸いた。一人だけ面白くなさそうに睨んでいる子がいた。


授業が終わり、いざ部室へ!一二年生は授業数が一限分少ないので、大体、大智と雪とミカは一足先にだべってる。

そこには睦月ちゃんもいるのかな??


入ろうとしてら声が聞こえてきて、


「ほぇー!そうだったんですね!雪先輩がいじめられていたのを大智先輩が助けてあげたんですね!大智先輩かっこいい✩.*˚」


「いやいや、あの時はつい、相手がやってることがおかしいと思って雪ちゃん助けただけで」


「でも、ほんとあの時、大智いてくれたからあのグループともお別れできたし、本当に感謝してるの」


「ほぇー。ねーねー。先輩たち、付き合ってないんですか?」


ぶっ!


飲んでたお茶を2人とも吹きこぼした。


「2人ともお似合いなのになー♪♪」


「ちょ!睦月ちゃん!そういうのはデリケートな話だから、ははは。」


「だって2人とも誰が見たってお互いに、、、」


「はい!そこまでー!!」


僕はピシャッとドアを開けて入ってきた。大智が先輩ナイスとでも言いたそうな顔でこちらを見つめてくる。


「わー!彼氏の登場だー♪♪」


「ひゅー」「ひゅー」


すかさず2人はそっちの話に乗っかって言った。お互いが好きなのは鈍感な僕が見たってわかる。でも、君たちの場合、たぶんもっと先になるんだろうな。そんな気がする。今の関係を大切にしてる2人を邪魔して欲しくなかったのだ。


「彼氏の登場です⊂(`・ω・´)⊃バッ」


と、調子に乗って乗っかってみる。


「はいはい。先輩おふたりでよろしくやっててください」


「お!冷たいこと言うじゃないか!久しぶりの新入部員だぞ!丁寧に扱いたまえ。」


「それにしても最近何の依頼も来ないね。ここのとこずっとここでしゃべってるだけな気がする。」


「安心したまえ!お菓子なら持ってきたぞ✌︎」


「先輩ナイスー!」


みんな喜んでお菓子を食べていた。


「ところで、ミカちゃん。最近学校に何か変なこと起きてないの?」


「ふむ。実はもう既に起きておるのだよ。しかし、今回のはわたしゃにもよくわからんのだ。その事象が良くないことなのか良い事なのか、、、だからとりあえず保留にしてある。」


そうミカは誰かを見ながらいった。


(大丈夫)


見られている子の口はそう動いているように見えた。


「こうも依頼がこないとうちの部としてもやることがないですねー」


「でもほら!今度の日曜日、初夏祭りあるじゃない?あの祭り色々と不可解なこと起こるって噂だからみんなで確認しに行こう!」


「ナイス提案!それはいいぞ!睦月ちゃんも来れるか?」


「行っていいんですか?やった♪♪嬉しい。先輩!お供します(*´∀`*)」


「それじゃ、決まりだね!後は何処で怪奇現象が起こったか調査しよう。みんな聞き込みを開始するぞ!」


「おー!」


ここの学校の近くに法多山はったさんという山があり、そこにある結界が弱まり、怪奇現象がこの学校ではたびたび起こるようになっていた。その事件の解決を任されているのがこの部であり、先生達も無下に扱うことはなかった。その中でも怪奇現象の心を見ることが出来るのは大智とミカなのだ。僕は部長だが、これといって何も無く。ただ、応援団をやっているような日々だった。


「それじゃ、この辺で帰りますか」


みんなまたね!とそれぞれの帰り道へと別れて行った。今、家に向かうまで僕の隣には睦月ちゃんがいる。


「ねーねー、先輩!聞いていいですか?」


「ん、どした?」


「どうしてあの2人をくっつけようとしないんですか?」


「僕が寂しいから。」


「うわ!さいてー!!」


「冗談だよwあの2人はお互い今の関係がとてもしっくりきてるんだ。それを他から無理やりくっつかせたらどうなると思う?」


「んー、わかんないなー(;-ω-)ウーン」


「たぶんギクシャクしてお互いの今の距離が縮むどころか離れると思うんだよね。それに、付き合うだけが全てじゃないから」


「なんか、先輩、優しいですね。ちゃんと二人のこと想ってそっと見守ってるあげてるんですね。素敵です✩.*˚」


「そんなことないよ。僕だってれったいなって思うことあるもん」


「じゃあ、先輩はこうやって私と付き合ってるってことになってるのってどう思ってますか?」


「え?、、、えっとー、、、うん。嬉しいかな」


「ほんとですか?嬉しい(⸝⸝⸝⸝∀照⸝⸝⸝⸝)」


「でも、ほんとにこの関係続けてくれるの?ありがたいけど、迷惑なんじゃ、一応いたことにはなるし、振られたていにして、演じるのやめる?」


「嫌です!!」


急に大きな声を出したのでびっくりして睦月ちゃんを見たら泣きそうな顔になっていた。


「なんでそんなこと言うんですか?!しばらくの間はお供させて下さいよ!」


「む、睦月ちゃんが嫌じょなければ、、、」


「嫌ならやってません!だからもうそんなこと言わないでください!」


(じゃあ、本当に付き合ってくれないかな?)


言いたくなった。出会ってまだ2日目なのに僕は確実に睦月ちゃんの事が好きになっていた。人はよく言う。好きになるのには時間が大切だと。瞬間的な好きは摩擦にしか過ぎずほんの一瞬熱くなって冷めるのだと。しかし、これはどうだろう。僕の鼓動を聞いたなら、そんな概念も飛んでしまいそうな気持ちだった。


家に着いた。


「今度は僕が睦月ちゃんを送るよ!」


「大丈夫です!ここからすぐなので、ご心配なく!私、こう見えても強いので変出者さんなんてばったばったです( *˙ω˙*)و グッ!」


相変わらず陽気に応える睦月ちゃんを見てるとこっちまで楽しくなってきた。


「明日も玄関で待ってるので、寝坊しないで下さいね!あと、LINE送るので、出来たら返して下さいね(〃ω〃)」


「わかった!ありがとう!絶対返すよ!」


そう言ってバイバイして、家に入った。

父親は帰りが遅いことが多く、基本的に夜飯を作るのは俺の役目だった。


(今日は何にするかなー。まー、あるもので適当に作ればいいや。)


冷蔵庫に入ってるものを適当に取って炒めて、ご飯を用意して、一人で食べていた。


(今日の弁当本当に美味しかったな。誰かと食べるのってあんなに楽しかったっけ。睦月ちゃんだからかな)


思い出してニヤニヤしていたが、ちょっとハッとした。


(うわ、ガチ泣きしてるとこ見られたやん。はず!なにやってんねん僕)


思い出したら急に恥ずかしくなってきた、その時携帯音がなり体がビクッとなった。


[せーんぱい]

[せーんぱい]

[ごはん食べましたかー?]


[いま食べ終わったよ!]


[私のお弁当とどっちが

美味しかったですか?w]


[それはもちろん、睦月

ちゃんのだよ!]


[やった♪♪えへへ。明日、

リクエストありますか?]


[睦月ちゃんが作って

くれるものなら何でも

いいよー!]


[えー!つまんなーいw

何かリクエスト下さい♪♪]


[じゃあ、卵焼きで!]


[先輩また泣いちゃうじゃ

ないですかwww]


[もう泣かないよ(汗)

お願い(>人<;)]


[しょーがないですねーw

承りました(*´∀`*)]

[明日も頑張って早起きするので

もう寝ますね(ᯫ᳐⎻⩊⎻ᯫ᳐)zzZ]

[おやすみなさい✩.*˚]


[おやすみ!]


なんて幸せなんだ。こんなにも好きな人とLINEをすることが楽しいなんて。知らなかった世界に足をつっこんで上機嫌に踊り出したような気持ちだった。


昨日寝れなかったから僕も、もう寝よう。

夢の中で久しぶりに母ちゃんに会った。


「翔!朝ごはんだから起きてきてー!」


「はーい」


いい味噌汁の匂い。それと焼きじゃけと、いつもの笑顔の母ちゃんがいて、あの頃の温かい家の空気が僕に身にまとった。


「母ちゃん、いつになったら帰ってくるの?」


と、思わず聞いてしまった。

母ちゃんは少し寂しそうな顔をしながらも笑顔で


「ごめんね。」


は!


(夢か、、、そうだよな。)


目に涙がいっぱい溜まっており、それがこぼれ落ちた。なんだか睦月ちゃんが作ってくれた卵焼きのお陰で母ちゃんに会えた気がした。


「ありがとう。」

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