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1 ラブレター?

春の推理2024のお題の「メッセージ」で推理物を書いてみようと書き始めました。


魔法がない異世界でもいいのかなとかいろいろ考えましたが、結果、普通の中学生男子のわちゃわちゃな会話が面白いと思い、男の子でDDって呼び名にしたいなあという出発点から代田弾だいただんくんが、バディでちょっと変わっている男の子はユキって透明感がある呼び名にしたいなと園山雪人そのやまゆきとくんになりました。


とりあえず書き出しましたが、この先どうなるかです。

DDと一緒にどうなるか、はらはらしながら、この話を追いかけてみたいと思います。


最後までお付き合いいただけたらうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。

 月曜日の放課後、部活のために体育館横の部室に行く時、学校の下駄箱を開けたら、封筒が入っていた。

 俺は思わず「えっ?」と声を上げた。


「どうしたDD?」

 同級生のユキが俺の挙動不審な様子に気がついて声をかけてくる。

 

 こいつ勘が鋭いからな……。


「何でもねーよ!! それよりユキは図書カウンター当番だろ! はよ行けや!」

「はいはい、じゃあ、後でな~。部活頑張れよ~」


 ユキは手のひらをひらひら振ると下駄箱の前をスルーして旧館の図書室の方へと歩いていく。


 誰も見ていないことをそっと確認して俺はカバンにその封筒を入れた。

 

 俺の名前は代田弾だいただん。この中学の2年、剣道部だ。

 親友のユキから、イニシャルのDDと呼ばれている。


 さっきのユキは園山雪人そのやまゆきと、同じクラスの親友だ。


 ユキは見た目からして勉強ができそうなイケメンで長身という、女からも男から見てもうらやましいような特性がある。

 なのに実は本人はマイペースで好きな事しか興味ないという残念な奴だ。

 

 全然接点がなさそうな俺達が親友になったのはそのものずばり中1の出席番号順。

 ユキが16、俺が17の連番。


 中2になってまた同じクラスになったがまた連番だ。


 いつものようにユキは図書室へ、俺は体育館へと移動中のできごとだった。


 封筒が気になりながらも部活を終え、午後5時に部室を出るとユキがちょうど学校の玄関から出てくるところだった。


「おーい!」とオレが手を振ると、ユキが小走りになる。


「おー、お前の方が早かったか!」

「いや、今出たとこ」


 俺達は並んで学校を出た。


 いつものようにユキが大好きな映画や本の話をしてくる。

 俺はそれをうんうんと聞いてやる。


「DD、なんか今日あったか?」

 ユキが急に話をやめてそう言うので、俺はドキッとする。


 確かに封筒のことを考えて、いつもよりユキの話をいいかげんに聞いていたかも。


「悪い、ちょっと考え事してた」

「そうか、なら、また明日な!」


 ちょうどユキと別れる場所まで来ていたので、ユキはそれ以上何も聞かず別れた。


 ユキはこういう奴だ。

 自分勝手なようで実はけっこう気を使っている。

 親しく付き合わないとわからないとこだと思う。


 俺は急いで家に帰り、自分の部屋に入ると封筒を取り出し、開けた。


 白い紙が1枚。A4のコピー用紙のような紙だ。

 

 うん、こりゃラブレターじゃねえな?


 新聞の活字を切り抜いて張り付けてあるメッセージだった。


『あのことを誰かに話したら殺してやる』


 物騒な言葉が並んでいる。


 なんだ? 俺? 心当たりねえぞ?


 いたずら、か?


 とりあえず、封筒に戻し、台所からビニール袋を持ってくるとそれに入れて、カバンに入れた。


 明日、ユキに見せてみよう。相談して、先生に渡してもいいし。


 

 次の日、朝、登校しようと歩いて行くと先にユキの背中が見えた。


「ユキ、おはよう!」

「おはよ~」

「なんか眠そ~」

「おお、昨日本読んでいたらやめられなくなって、12時に怒られて寝た」

「寝不足?」

「まあ、ちょっと、な。そういえば考え事終わったか?」

「実はそのことで相談がある?」

「今?」

「弁当の時でいい?」

「OK」


 学校について下駄箱を見た時、ちょっとドキッとした。

 俺のすぐ上がユキの場所だ。


 もしかしてユキと間違えたってことは……、いや、ラブレターならありえるけど脅迫状だぜ?

 ありえんだろ?


 授業中もいつもと変わらなく過ぎ、昼休みになり、俺は弁当を持ってユキの席に行った。


「天気いいから外で食うか! 

 いつもの体育館のとこでいい? 儂、パン買ってから行くから待ってて!」と言うなり、教室を飛び出していくユキ。


 俺はいつもの体育館の石段に向かって歩き出した。


 石段に座って校舎の方を見ているとユキが学校玄関から出てくるのが見えた。


 体育館横を通る時、ユキがちょっと立ち止まり、急に横っ飛びに校庭の方へ転がるのが見えた。

 俺はあわてて走り寄った。


「どした、ユキ!」


「……いや、これいつもと違うなと思って立ち止まったら倒れてきて……」


 そこには転がった細い丸太がたくさん転がっていた。


「これ、運動会の棒倒しのだっけ? 俺が通った時もあったけど」

「ああ、ここに立てかけてあって、なんでかな?と。そしたら倒れてきた」


「えっ? なんで立ち止まる? スルーしろや!」


 ユキが無事だったから言えるツッコミをしながら俺はあれ?と思っていた。


 もしかして、あのメッセージはユキあてなのか?


「あ、棒の下に長縄がある」

 

 棒が立てられていたあたりに長縄の端が輪になって残っていて、反対の端が壁の方へ伸びて角を曲がっている。

 

 ユキが長縄をたどって行こうとする。


「ちょっと待て!」


 あわてて一緒に行くと体育館の裏まで長縄は続いていた。


「ここの壁越しに隠れてて、縄引いたのかもな」

 ユキが考え込みながら言った。


「先生に言いに行こう!」

 俺が言うと「昼飯食べてからな」とユキがのんびり言った。


「お前よく食えるな。狙われたのかもよ」


「こんなんじゃ、ちょっとケガするくらいだろ? 頭に直撃すればわからんか? 儂、そこまで運悪くない」

男子の会話書くのめっちゃ楽しいです!!


読んで下さりありがとうございます。

次も頑張ります!

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