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ささやかな情交

相互理解

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

どんなに見ても、全て理解するのは難しく。

ささやかな情交、日常のデート。

本日晴天の為に、女を連れ出して行こうと思っていた庭園がある。全ての仕度を済ませた電車の中、女と横並びに座る。車内は連休中ではあったが空いていた。窮屈にも感じない。良い頃合。

女は俺の掌の上に自分の物を重ねて、前を向いたまま話す。

「今日、混んでるかな……」

「空いてると思う。無料開放の山場は去ったからな」

連休明けの娯楽施設が空くように、皆、無料開放の日を狙って訪れるのは明白だ。ならばその山場が去った後に訪れた方が、きっと落ち着いて見れるだろう。

繊細で人酔いし易そうなアンタにとって、人混みが苦手な俺にとって、多少金は掛けてもベターだろう。

「ん、お茶飲みたいね。お金持ってきたから、今日は私が出すよ」

「気遣い有難う」

鞄を胸元まで抱え込むと、穏やかな笑顔を浮かべた。楽しみにしているなら良い。

駅に着いてのエスカレーター。多くの人々が群がって、それでも懸命に列を作っていた。横目で隣の階段を見る。階段の方が良いか。

俺がこう思った理由は一つ。此奴はあんまりエスカレーターが得意じゃないから。動いている階段に足を置くのに抵抗がある様で、何時も数段過ぎ去った後に足を置く。

高々一階くらいなら、階段の方が良いだろう。そう思って、手を引こうとした矢先。

「? エスカレーター使おう? 嫌じゃないなら」

「あぁ……悪いな」

女は俺の手を握ったまま、最後尾に並んだ。これなら比較的まだ安全か。

「お前、エスカレーター得意じゃないだろ? 無理しなくて良いぞ」

「あ……知ってんだ……」

視線が泳ぐ。どうやら図星のようだ。そしてどうやら知らないと思われて居たらしい。しかし次に顔を見た時には、何時もの薄幸そうな顔は薄れ、薄紅が乗っていた。あ、これは嘘では無い。これから吐く言葉は真の言葉。

「でも、下りが苦手ってだけだから、気にしないでいいよ」

そう言って、さらりと足を乗せた。会話しながら、足元を一瞥しただけで。ふむ。どうやら認識を改める必要がある様だ。

「君のそういうところ、好き」

「そうか」

さっさと降りて目的地へ。茶屋は混んでいるだろうか?


オマケ その1 張り出した木の根

庭園と言っても、道が舗装されていると言っても、木の根が張って、歩きにくい場所は必ず存在する。さて、転ばない様にアスファルトを歩かせるか。と思っていた矢先に張り出した木の根を発見。先程の事もあるし、流石に逐一言われるのは……。

「あっ……」

「……」


「そこ、木の根元が張り出してるから」

「あ……有難う」


オマケその2 お茶屋その後

「有難う御座いました〜」

巨大池を嗜みながら、お茶と練り切りを食した。景色は綺麗だった。風の音が心地良かった。ん、茶も飲みやすかったし、和菓子もしっとりのこし餡だった。でも……なんと言うか。

「あのね、凄く当たり前な話なんだけど、お茶ってお茶の味なんだね。もっと苦いかと思っていたよ」

「それは思った」

体験しないと分からないものなだな……。此奴は……気に入っただろうか?

「また来たいね。君となら、もっと苦いお茶でも平気だよ」

観察眼オバケと付き合うとこうなりそうな。

それ以上に、さり気なく彼女さんの事、観察してそう。

前でもそうでしたけど。だって想像以上だね。ですし。

互いに、好きな事も、嫌な事も、口に出すタイプではあります。(でも突然消える事はあります)

そしてそれを受け入れてくれるので、例え察してなくても関係は良好です。


何でも口に出さないと伝わらない。

何でも良いから、万人に分かる言葉で伝えて欲しい。

これ、元接客員である私から。

ずっと御礼言い合ってる恋人が好きです。


あ、幻想奇譚、お待ちください。本日も更新予定です。

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