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異界の某国における乱世突入の経緯と転送された宇宙艦隊について。(習作です)  作者: 偽田中
第二章 血路侵攻黒旗蹶起軍 帝国軍追撃
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末期帝国の大乱は大いに人口を減らす。

第二部始まるよ。

♪進め進め進め!

高慢な領主に物持ち共!

根無草の蛮人共!

今に見ろ追い出してやる!

殺せ殺せ殺せ!


集え集え集え!

海岸の砂漠に霧の谷から!

平原の村と町から!

全て奪い返し奪いとれ!

殺せ殺せ殺せ!


誓え誓え誓え!

母なる時女に叔母なる龍に!

爾らの他従わぬと!

猛悪大張引き裂いてやる!

殺せ殺せ殺せ!♪


進軍歌の轟は巨獣の咆哮も大突火槍の爆音も掻き消さんばかりである。

騎兵の風切り音、得物のぶつかる音、車輪が轍を刻む音、共に一大騒音を成して国中聞こえぬところはない。

国中血の乾いたところはない。


集大主大張転輪(戦車遊牧帝国越砂海遠征総軍)に対する反乱は俄かに全面階級闘争の様相を見せ、破壊の規模は留まるところを知らない。

少しでも恨みを買っている者は皆殺され、下層民同士も言いがかりをつけては殺し合う有様である。

大張正規軍、土着豪族反乱軍、宗教改革派革命軍、暴徒化した民衆の四つ巴の殺し合いと化して完全に社会が崩壊しているのである。

その中に大張都冬営郊外から発した黒旗蹶起軍、即ち時輪女神、時の黒女、運命女神等と呼ばれる原始母神を奉じて世俗の柵に反対する革命勢力がある。

実態はと言えば例に違わず堕落した匪賊のようなものだが残虐さは群を抜いて異常に恐れられている。

掠奪するよりもとにかく殺すことを優先するので誰も直接知る者が無いのである。

自然噂が誇張されて昔の大張軍よりなお恐ろしいという評判である。

その首魁が陰気臭い小娘であるなどとは当然この当時知られていないことだ。


「待て、待て!入隊する!殺すな!味方だ!」

「そう言われて素直に生かしておくと思うか!さりとて人は増やさなければいかん。叛意を証明しろ!」

「何をすればいい?」

「この村の者を引っ立ててある。加わろうという者に殺させることになっているから行ってこい。やる気がないようなら殺すぞ!早く行け!」

さて、そんな折また一つ村が焼けている。

ブラッドインブラッドアウトの原則を採用しているため、同調しない縁故(方便で言っているだけなら戦わせて残った方を採用する)を皆殺しにさせて逃げ場をなくすようにしている。

それはそれとして生口も分捕るのだが私有を禁じて必要分ぎりぎりに保っている。

全員が兵である大張正規軍のように非戦闘員は少ない方が機動力が高いという考えである。

「おいお前!奴隷はもういい!それも殺せ!欲張れば己の頭が砕けるといつも言っているだろう。」

「食い扶持は私が運びます、なんとかしていただけませんか?」

「チッ…この愚か者。負担はちゃんと勘定してある。無理に物を増やしてはかえって力を減じるのだ。略奪の度将軍が諭しているのにもう忘れたか!さっさと引っ立てんか!」

村の祭壇に住民を集めてある。

祭壇というのは同心円の段で、天輪の運行を表して格段に季節、元素、生命などの意味を持つ。中心には黒い柱があり、周囲には世界の姉妹である龍達の祭壇がある。

世界の中で解決できない時は世界と対等かつ運命を持たない龍の介入を願うわけである。

「お前、旋棍(戦闘用殻竿、フレイル)は使えるな?

これで軌道法司を打ち殺せ。他のものと違って大して思い入れのある人物がいないというお前には、我が軍の理念に従うという証を立ててもらわなければならない。いいな?ほれ。」

普段の脱穀用と思うから意外な重さによろけるが、体制を戻しながら進み出る。

柱に縛られている軌道法司の前に出ると奥からもう一人来る。

それを周りで残りの村民が注視している。

信心深いものは見捨てて逃げれば呪われると思って積極的に逃げないが少数の信心が薄くかつ黒旗軍の教説を恐れる人は縛られている。

またその周りを囲んで脅かす兵士も並んでいる。

奥から出てきた人物は武人の風でもないが兵が自然に道を開けるのでなんらかの特別の地位があるようだ。

見ていると旋棍を渡してきた兵士が手振りで急かすので回し始める。

例の人物はさらに進んできて隣まで来ると、手振りで私を制止して話し始めた。





舞台説明(雑兵視点)

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