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異界の某国における乱世突入の経緯と転送された宇宙艦隊について。(習作です)  作者: 偽田中
一章 超兵器との遭遇と異世界転移
2/5

同世界線でいろいろなシチュエーションを書きたいためにこれを記す。

嘘じゃないこれが本当の初投稿。

まだ異世界に行くという段ではありませんから二章までお待ちあれ。

設定を考えながらやっているのでどうしても見通しは立ちません。

本制作ではないことを念頭に置いて読んで頂きたい。


我が国、人類の導き手にして再び世界帝国の支配者となった都よ。

だがそれがなんだというんだ。

ヒトの最大の力がこの地に満ちているならば、彼らがアレキサンドリアを焼き得たのはヒトならざる力によるものなのか。

おお我が学園共和国よ、天に轟く名声よ、しかし天の向こうから来るものにどうして抗えようか。

核の火を見ると思い出す。

死の実感を消さないことで現実感を保っている。

でもそれはやっぱり苦しいことだ。

物質界を去りつつある過渡期故の葛藤だというなら恨みもする。

軌道投入が終わって火が消えれば、すぐにも意識を逸らした。

と言っても私は主体を貸しているだけなので、作戦行動中判断する必要もなく、誰かの妄想の追体験をして暇を潰す事にする。

軍人といえば紙媒体だ。

フィクションも紙に記してあるから認識補助を外して人間速度で暇つぶしをする。

非人間的速度感ではいつまでも暇ですから。


ラインの黄金は古兵だ。

艦齢はかれこれ100年ほどになる。

国連が真に統一された権力となる以前に欧州共和国で建造された航空宇宙管制艦である。

メソポタミアとの戦争で初陣を飾り、同戦争で配下を失い予備戦力に、後に旧東亜連邦に叩き売られて練習艦となる。

国連宇宙軍の反乱から生き残った為一時は新鋭旗艦と並んで一軍の将となったが今では再び練習艦である。

地球ではエンジン技術に革新が訪れなかったので星間宇宙で軍事活動をするようなことはできず基本的に惑星の周りで戦うようにできている。

しかも大型宇宙港がない時代なので地上で建造して自力で上がるしかなく科学ロケット、ラムジェット、核融合ロケットの複合サイクルエンジンを積んでいる。

そのため純宇宙用の現代兵器と比べると鈍重だ。


………

しかして、私はパイロットだった。

機械の巨人となって戦う戦士だった。

戦いには思いが込められていた。

生々しい殺し合いを繰り広げる、宇宙(そら)は魂の叫びに満ちていた。

………

「提督!直ちに脱出準備を整えてください!聞いていますか!提督!」

気がつくと怒鳴られていた。

どうしたことだ。

しばらくして正気に戻ると認識強化を外していたことを思い出した。

古式ゆかしい警告灯がギラギラと光って眩しい。

「この艦に自動脱出装置はありませんから直ちに脱出鞘に移動してください。」

「全くなんの目的もない貴女のような人が回されるようになってこちらは良い迷惑ですよ。

バビロン上空のあの緊迫感を!貴女に少しでも伝えられればと何度思ったことか!

あの頃にこそ感情共有が必要だったのに!」

「それは心の声でしょ?聴こえていますよエルダ。私が新しすぎるように貴女も古いんだから。いつまでも心がブラックボックスでないことを思い出した方がいい。

認識強化を外していたのは甘かったですね。油断しすぎでした。」

エルダは建造当時出力方式が違ったので現代の自動読み出しに慣れていない。

学習内容を塗り替えるのにこれだけかかるのは軍用品として不適に思えるが当時それほど長く使う気はなかったからだろう。

私を煩わせたりはしないのでそれでいいと思っている。

居室から推進軸を下ると脱出鞘がある。

脱出鞘には何より重要な冷凍睡眠装置と制動装置、バルーンなんかが備えてある。

艦内データリンクは無線有線併用なので移動しても途切れることはない。

中は被弾面積低減の為詰めているので(脱出装置を防弾化したところで大した防御力は得られない。小型デブリに耐えられればいい。)狭苦しい。

有視界読書ができないじゃないか。

仕方がないので戦況を見てみると索敵艦が沈んでいた。

なかなかどうして、海賊もよくやる。本気で取り締まらなければいけなくなるな。

そう思っていると戦艦もちくちくとやられている。

果たして海賊なのか?

もしかして連中が内惑星軌道に帰ってきたのではないか?

いや、そうに違いない。

こうあっさり索敵艦を狙い撃ちできるはずがないじゃないか。

どうして貧相なコロニーで食うや食わずの海賊(独立開拓者)等にこんな力があろうか。

そう思うとぞくっとする。

あの火がまた脳裏に浮かんでくる。

「結局逃れられないで消えてしまうんだろうか。

出て行ったなら好きにやっていればいいのに。

全部灰にしないと不安だというなら随分人間的なことじゃないか…」


以上導入でございます。

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